5.ランチタイム
授業を終える鐘が鳴る。入学式を終えた翌日、早速通常通りの授業を終えて昼メシ時になった。
「かえでっちー!お昼いこー!」
「うん。」
隣の席の純麗ちゃんが元気に言う。彼女のパワフルさは見習わなければ。
そうして私達は1階にある学食へと向かった。中は人がごった返しており、食券販売所も売店も混雑していた。
「純麗ちゃんもお弁当なんだね。」
「もち!でも、食堂のテラスで食べたいからさ!」
「確かにテラスって新鮮だもんね。」
ガラス張りの食堂奥へ進むと外へ出られるようになっていた。扉を開ければ日の当たる場所にいくつかの白いテーブルと椅子が置いてある。
そこに腰掛け、持ってきた弁当を広げる。
「いただきまーす!」
「いただきます。」
手を合わせ終え、箸を持つ。私は真っ先に綺麗なだし巻き卵を口に放り込んだ。卵と砂糖の甘さが口に広がる。
「おー。かえでっちのべんと、おいしそーだね!」
「うん。美味しいよ。純麗ちゃんのは、凄く可愛いね。キャラ弁?」
「そそっ!これ作るために早起きしたの!朝練もあったからちょー眠いけど!」
そう言う純麗ちゃんのお弁当は、ご飯に桜でんぷんがまぶされており、可愛らしい兎の形状をしていた。食べるのがもったいないくらい上手く出来ている。
「朝練?そういえば純麗ちゃん、なんの部活に入ったの?」
「バスケ!ちょー楽しいよ!ま、1年だからまだ筋トレだけど。かえでっちは?」
「私は生徒会に入ったんだ。あっ。そういえばね、例のかっこいい人もいたよ。1組の荒井くん。」
「へー。そうなんだ。でも、やっぱしあいそ悪いでしょ?」
待ってましたとばかりの質問に、首がもげるほど頷く。
「そうなの!名前を聞いただけなのに凄くため息ついてね…。」
「まじか!やっぱりあいそ悪い人はだめだよ!その点、大里せんせーとかはいい人じゃない?」
「で、でも先生だよ…?」
「はぁ。だよねー。うちがもうちょっと早く生まれてれば…。」
他愛もない話をしながら弁当を食べる。教室へ戻るころにはちょうど次の授業が始まる所だった。
席に戻るなり、純麗ちゃんはヘアアイロンを取り出して髪の毛をセットし始める。
「アイロン持ってきたんだね…。よく鞄に入ったね。」
「まーね!アイロンだけじゃないよ!コスメも一式!念のためネイルチップとかも!ちょー入る鞄買ったんだ!無限に入るから!」
「おー。凄い。」
純麗ちゃんは髪を巻くのをやめ、鞄の中を見せてくれる。同じスクールバッグだと思ったが中のポケットの数は段違いだった。
それに加えて部活用のエナメルカバンも持つのだから、純麗ちゃんは中々ガッツのある人だ。




