34.結果発表②
真っ白な雲が空に広がる日。今日という日は待ちに待った期末テストの結果発表だった。放課後。結果が張り出されるているので、私は東校舎と西校舎の間にある渡り廊下へ移動する。
そこにある緑色の掲示板へ紙が張り出されていた。
「山吹…山吹…。」
苗字を探す。今回は少し自信があるので思い切って上から眺めてみた。
すると、丁度60という数字の隣に私の名前があった。総合60位。それが今回の私の順位だ。下へと視線を移すと168という数字の横に岬ヶ崎 純麗という名前があった。純麗ちゃんは168位のようだ。
「!荒井くんは3位…すごいなぁ。」
部活仲間兼、妖怪退治仲間である荒井くんは学年3位。前回のように好成績だった。流石というかなんというか。やはり、特出した何かを持つ人は羨ましい。
そんなことを思いつつ校舎を出る。放課後、用事もないのであとは帰宅するのみだ。
校門をくぐると人影があった。見知った顔だ。
「荒井くん。奇遇だね。」
肩ほどで切りそろえた黒髪の生徒、荒井くんはバックを持ち、スタスタと歩く。
「テスト結果、見たよ。やっぱりすごいね。」
「別に。いつも通り。」
「言ってみたいよ。その言葉…。」
「無理でしょ。」
「わ、分からないよ!いつか荒井くんを越すかもしれないでしょ!」
「前も言ったけど、そんなことがあったら世界が滅亡でもするよ。」
「失礼だなぁ…!」
あいも変わらず口が減らない荒井くん。その隣を歩きながら、ふと伝えなければらないことを思い出す。少し言い難いが、しっかり教えておくべきことだろうこと。
「あ、あのね、荒井くん。そういえば…なんだけど…。」
「なに。」
「えっと…。私、妖力が使えること、友達にバレちゃったかもしれないの…。その、純麗ちゃんって子なんだけどね…。あっ!でも、口は軽くないから…大丈夫…だとは思う!」
と、言い訳を並べる。正直、私が迂闊なせいで純麗ちゃんにバレたようなものなので、もっとしっかり謝るべきなのかもしれない。
何せ、私が不思議な力を使えると知られれば一緒にいる荒井くんも疑いの目がかけられる。それは本人にとっても避けたいことだろう。何より、妖怪退治に支障がきたしてしまうかもしれないし。
「…………あれ。」
なんて考えていると引っ掛かりを覚える。思い出してみれば、私は純麗ちゃんに妖怪退治をしているとは話していないのだ。だというのに、彼女は以前、去り際に言った。妖怪に負けないよう頑張って、と。
それがどうしてか、理由を考える前に荒井くんが口を開いた。
「岬ヶ崎にバレたんだ。まぁ、問題ないでしょ。」
「う、うん。……というか、荒井くん、純麗ちゃんのこと知ってるんだね。ちょっと意外。」
「別に。たまたま。それより、君は勉強の心配でもしたら。このままじゃ僕を越すことは出来ないと思うよ。」
「い、いわれなくても頑張るよ!そんな態度とれるのも今のうちだからね!」
「はいはい。気を長くして待ってるよ。」
本当に思っているのか思っていないのか、よく分からない調子で手を振る。
何はともあれ、期末テストは無事に終わった。そのことに胸をなで下ろすのだった。




