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最弱妖怪娘の学園生活  作者: とんぼ。
学校生活編

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33/40

33.妖力トレーニング③

 期末テストを終えた休日。私は妖力トレーニングのため、バスに1時間乗り山へと来ていた。

 なるべく人目につかないように山道から離れて、木々の隙間を縫う。


 風が吹き、緑の葉が舞う。


 今日のトレーニングは引き続き『かい』の練習だ。『かい』は対象の動きを止める技。妖力を使うので心を静めなければならない。だが、静めても力が入りすぎると不発になってしまう。中々調整が難しいのだ。

 指を全て組み、唱える。


 「『かい』!!」


 瞬間、空中で自由落下していた葉っぱが動きを止める。


 「よし。まずはオッケー。」


 ふっと肩の力を抜く。ここまでは復習のようなもの。今日すべきなのはこれより先の段階。

 今まで生き物に対して『かい』を使ったことはなかったのだ。正確に言えば、妖怪にはあったが回数は数えられるほど。なので、今日は生き物に対して使う練習だ。


 空を見上げると目が痛くなるほど青い空に翼を広げて飛ぶ鳥。そこに向かって指を組み、唱える。


 「『かい』!!」

 

 組んだ手を隔てて視界に映る鳥は私の言葉とともにその動きをとめる。


 「!よし。やった!」


 ひとりでに喜び、指を元通りにする。それと同時に鳥もまた何事もなかったかのように飛行を再開した。

 どうやら生き物相手でも問題はないらしい。ほっと胸をなで下ろす。その時、  


 「かえでっち…?今、鳥の動き止めたの…?」

 「!?」


 声がした方向を振り返る。そこには、オレンジ色のポニーテールを揺らす女子、純麗すみれちゃんがいた。


 「え、と、鳥…?何のこと?」

 「いや、さっき上にいた鳥、かえでっちがなんか唱えた時に止まったじゃん。うち、ばっちり見たよ!」

 「き、気のせいじゃないかな…。鳥の動きをとめるって、そんな魔法使いみたいな…。」


 何とか誤魔化そうと頭を回転させるが良い言い訳は思い浮かばない。とにかく口を動かす。

 だが、当の純麗すみれちゃんは私に近づいたかと思うとぽんっと肩に手を置く。


 「魔法使い…!かえでっちって魔法使いなんだ!」

 「ち、違うよ!違う!」

 「いーよ!いーよ!隠さなくて!で、かえでっち!魔法使いってことはなんか敵と戦ったりすんのー?」

 「て、敵ってわけじゃないけど…」

 「へー!じゃあ戦いはしてるんだ!」

 「あっ!いや、今のは違くて…!」

 「だいじょーぶ!誰にも言わないからさ!」


 つい、純麗すみれちゃんの勢いに乗せられて口を滑らせてしまった。なんとかリカバリーをしようとするが、純麗すみれちゃんはひとりでに納得してしまったようだ。


 「あっ!そろそろバス来る!じゃ、妖怪に負けないで頑張ってね!無理しちゃだめだよ!ばいばーい!」

 「ば、ばいばい…。」


 元気に手を振り、純麗すみれちゃんは走っていってしまった。うまく否定出来なかった。今は純麗すみれちゃんを信じよう。口の軽いような人ではないだろうし、多分大丈夫だろう。多分。

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