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最弱妖怪娘の学園生活  作者: とんぼ。
学校生活編

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28.美化委員会の手伝い

 6月も終わりに差し掛かろうという頃。雨はすっかり止んだ日の放課後。私は校庭の草むしりをしていた。

 自発的に行っているわけではない。ただ、美化委員会の手伝いとしてだ。私の所属する生徒会執行部は他委員会の手伝いも活動内容としてあるので、今回は草むしりの手伝いを、というわけなのだ。


 「次、こっちお願いします。」


 美化委員長が声掛けをする。それに従い、校舎の影になっている場所へと移動。軍手をしてはいるものの、少し手が痛くなってきた。


 「ふぅ。少し疲れたね。」


 隣には同じく生徒会執行部の荒井あらいくんがいた。彼もまたお手伝いをしていたのだ。


 「別に。」


 彼はまたそんなふうにつれない返事をする。まぁ、いつも通りだ。


 校舎の影になっているところは比較的涼しく、ジメジメしていた。土もひんやりしており、すこし気持ちよかった。

 しゃがみ込み、草へと手を伸ばす。


 「あっ。ミミズだ。」

 「!?」


 うねうねと体をよじるミミズ。その瞬間、荒井あらいくんの肩が激しく動くのを見た。


 「荒井あらいくん。もしかして、虫、苦手?」

 「………………別に。」

 「ふぅん。……あっ。その草にてんとう虫ついてる。」

 「!!!」


 再び荒井あらいくんは動揺する。そして、手にしていた草を落としてしまった。


 「やっぱり苦手なんだ。」

 「………別に。ただ、予想外の出来事に驚いただけ。」

 「じゃあ、落とした草拾いなよ。」

 「…………………。」


 彼は眉をひそめて草を指先で摘む。警戒心はマックスだ。


 「やっぱり苦手なんだよね。」

 「……………好きじゃないだけ。」

 「それ、苦手なんじゃないかな…。」

 「違う。好きじゃないだけだから。」

 「頑固だなぁ。」


 だが虫は苦手でも美化委員の手伝いはしっかりこなすようだ。無愛想でも変なところが真面目というか、誠実というか。これでしっかり話をしてくれれば他人から誤解もされないのにと思ってしまう。余計なお世話だろうけど。


 「君はよく触れるね。」

 「まぁ虫よりも私達のほうが体も大きいし強いからね。」

 「……………それはどうかな。蟻とかは顎の力強いし、百足むかでとかは毒を持ってる。君よりよっぽど強いんじゃない。」

 「でもそれで死ぬわけじゃないでしょ?なら、私の方が強いね。」


 何故か昆虫と強さ比べが始まっていた。私も意地になって強いと主張したが、その考えに嘘はない。


 「でも、体の大きさなら妖怪にも小さいやつはいるよ。それでも君の方が強いって言えるの?」

 「え?う、うーん。それは微妙かな…。」

 「でしょ。」


 そうして誇らしげな荒井あらいくんと共に草むしりを終えるのだった。

 

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