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最弱妖怪娘の学園生活  作者: とんぼ。


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25/47

25.ゲームセンターにて

 休日。私は無性にゲームセンターへ行きたくなった。これは前触れでもある。私の体に流れる座敷わらしの血が、ゲームセンターで異変が起きると言っているのだろう。

 そうと分かれば早速、荒井あらいくんへ連絡する。


 『荒井あらいくん。ゲームセンターによう狭間はざまが出現するかも。』


 直ぐに返信が来る。


 『了解。すぐに現地集合。』


 たったそれだけ。以前、ショッピングモールへ行ったときもそうだったが、なんというか事務的すぎる。

 今さらそんなことを言っても仕方ないのだろうけど。


 諦めながら、私は駅前のゲームセンターを目指す。


***

 ゲームセンターは駅の1階にファストフード店と同じように併設していた。

 荒井あらいくんは既に到着していたようだ。


 「おはよう。荒井あらいくん。」


 彼は挨拶を返すことなく、そそくさとゲームセンターへ入っていく。慌ててその後ろ姿を追いかけた。

 自動ドアを挟むとまるで別世界のように、喧騒が体を包む。


 「………挨拶ぐらい返してもいいんじゃない。」

 「してもしなくても困らないでしょ。」

 「そういう話じゃないと思うけど…。もしかして、それもガラじゃないからしないの?」

 「……………さあね。」


 私との会話に興味がない荒井あらいくんはためらいなくゲームセンターの奥へと進む。休日だからか、人が多い。友人、家族、恋人、さまざまな関係性の人間が口々に話をしながら筐体の前にいる。

 行き交う人々を眺めていると急に荒井あらいくんが立ち止まった。


 「行きたいコーナー、ある?」

 「え?な、なんで?」

 「何でもなにも、君が行きたいって感じるところによう狭間はざまが出るからだけど。ここ、ちょっと広いし探すところは絞ったほうがいいでしょ。」

 「…………そういうことね。……えーっと。今は、メダルコーナーに行きたいかな。」


 少しばかり期待した自分がバカだった。考えてみれば分かるだろう。荒井あらいくんが私と一緒に呑気にゲームで遊ぶなんて、天地がひっくり返ってもありえないのだから。

 まぁ、もしそんな日が来たらそれはそれで楽しいとは思うが。


 なんて考えながら、メダルコーナーへ向かう。

 メダルコーナーにある円形の筐体の周囲には、これまた丸い椅子が設置されていた。それらのグルーブが点在し、筐体からは愉快な音楽が流れる。


 耳が痛くなるほどの音楽に思わず目を瞑る。その瞬間、音が僅かに減る。筐体の音楽は相変わらずだが、人の話し声が消えたのだ。


 「!よう狭間はざまに来たみたいだね。………?荒井あらいくん?」


 私の前にいた荒井あらいくんが咄嗟に構える。何かと思い、彼の視線の先を見れば、異変はすぐに理解した。

 そこには筐体に腰掛ける影があった。私の膝ほどしかない緑色の体。不自然に頭に生えた黒髪。どこからどう見ても妖怪だった。


 妖怪はベロベロと手にしたメダルを舐める。


 私も荒井あらいくんと同様、身構える。この妖怪がどんな攻撃を仕掛けてくるか、警戒をするのだった。

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