表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最弱妖怪娘の学園生活  作者: とんぼ。
学校生活編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/38

21.休み時間の彼

 授業を終え、私は1年1組に向かっていた。なぜかというと、1組にいる荒井あらいくんに用事があるからだ。

 用事というのはプリントを届けること。生徒会執行部で配られたプリントなのだが、以前の集まりで別のプリントが配られていたらしく修正されたものを届けに行かなければならない。


 1組の教室の扉は開いていた。荒井あらいくんは出席番号がはじめらしく、出入り口の直ぐ側に彼の姿があった。

 当の彼は机にうつ伏せになっている。まぁ、予想通りというか。正直なところ荒井あらいくんが誰か友人と仲良くしているところなんて想像つかない。


 「荒井あらいくん。」


 うつ伏せになっている彼の肩を触る。すると、不機嫌そうな面を引き下げてこちらを見る。


 「……………何。」

 「これ、生徒会で配られたプリント。前に配られたのは間違ってたんだって。」

 「あっそう。どうも。」


 それだけ言って、再びうつ伏せになってしまう。お礼は受け取ったが、それはそれとしてもう少し世間話でもしたかった。


 だが本人は望んでいないようなので、大人しく戻ることにした。


 1組の教室を出て3組へと帰る途中。後ろから声がした。


 「ね。ね。キミって荒井あらいの彼女?」


 声をかけてきたのは制服を着崩し、シャツの中にカラフルなTシャツを身に着けた男子生徒だった。


 「ち、違うよ。同じ部活に入ってるの。今日はそれで。」

 「へー!だから荒井あらいも話してたんだ!」

 「……会話になっていたか分からないけど…。荒井あらいくんってクラスでもああなの?」

 「そーそー!アイツ、いつも無愛想でさぁ。オレが話しかけても『あっそう。』てしか返ってこねーの!」

 「あははっ。私と同じだ。」


 男子生徒は人懐っこい笑みで続ける。


 「でも、悪いヤツじゃないと思うんだよな。体育祭んときも手抜かずにやってたし!」

 「…………そうだね。私もそう思うよ。」

 「だよなだよな!……あっ。そろそろ授業だ。じゃあな!荒井あらいの彼女!」

 「違うって言ったのに…。」


 金色に染められた刺々しい髪を引っ提げ、男子生徒は手を振る。嵐のように去っていく彼を見送る。

 

 廊下は変わらずジメジメと、ほんの少し湿っていた。上履きをつけるたびにキュッと音が鳴る。

 窓の外を見れば小雨が降ってきたのか、アスファルトが僅かに染まってきた。梅雨はまだまだ続きそうだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ