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最弱妖怪娘の学園生活  作者: とんぼ。
学校生活編

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19.お悩み相談

 普段通りの学校。その放課後に、私は生徒会執行部の使用する3階の教室にいた。勿論、生徒会執行部として活動をするためだ。

 生徒会執行部部室前には木箱が設置してある。その中には校内の誰もが生徒会への要望を紙に書いて送ることが出来るのだ。


 私は生徒会執行部でも役員持ちではないので、直接的な解決はできない。その為、今日は届いた要望を一つの用紙にカテゴライズし纏めることが活動内容だ。

 U字型の机に座り、木箱から紙を取り出す。


 「えーっと。『洋式トイレを増やしてください』…。……確かに、うちは和式ばっかりだもんね…。」


 共感できる要望は多く、ひとりで頷きながら書き溜める。

 かなりの枚数貯まっているので、生徒会執行部でもひとりあたり何枚纏めるというノルマがあった。私はノルマ達成のため、次の紙に手を伸ばす。


 そうこうしていると、部室の扉が音を立てて開く。外からやって来たのは担任でもある、大里おおさと先生だった。


 「山吹やまぶきさん。お疲れ様です。」

 「お疲れ様です。先生。………生徒会に用事ですか?」

 「はい。実はこれを届けようと思いまして。」


 そう言って先生が1枚の紙切れを渡してくる。差し出されたものを受け取り開くと、そこには簡単な文章がひとこと。


 『階段の上り下りが辛いです。スロープやエレベーターが欲しいです。』


 「えーと…要望…ですか?」

 「はい。要望です。……予算の関係から難しいことは分かっていますが、それでも要望は出しておこうと思いまして。」

 「な、なるほど。…………なんというか、先生ってたまにお年寄りみたいですよね。」

 

 考えてみれば体育祭の時も足腰が痛いと言っていたし、怖いものは健康診断ときた。それほど年を取っているように見えないが、予想より体はぼろぼろらしい。


 「山吹やまぶきさん。」

 「は、はい。」

 「貴方もきっと分かるときが来ます。………揚げ物を食べたあとの胃の重さ。少し走ったあとの息の切れよう。そして日に日に見えにくくなる書類の文字たち…。」

 「……………私、ずっと学生でいたいです…。」

 「残念ながらそうもいきませんからね。大人になるというのはそういうことです。山吹やまぶきさんも今のうちに好きなものをたらふく食べて、沢山運動をしてください。………いずれ出来なくなる日が来てしまいますから…。」


 何処か遠い目をする先生からは何とも言えない哀愁が漂っていた。


 年を取るというのは良いことばかりではないのかもしれない。

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