14.体育祭
いよいよ来たる体育祭。私の参加する種目はバドミントンのみだったが、1年3組優勝のため出来ることは尽くすつもりだった。
開会式を終え、早速プログラムが始まる。バドミントンはかなり序盤に入っているので、体育館へと移動した。
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私が向かったのは第2体育館。2つあるうちの1つで、第1体育館の直ぐ側。少し小さめの場所である。その為、中は人がごった返しており熱気がこもりにこもっていた。
アップを済ませ、コートに並ぶ。バドミントンはダブルスとシングルスに分かれるが、私はシングルスでの出場だ。
相手は1年1組の女生徒。バドミントン部ではないが、他の運動部に入っているらしい。半ズボンから露出する足から、私とはまるで違った。筋が通り、しっかり運動している人間の足だ。
深呼吸をする。テクニックといったテクニックは身につけられなかったが、その代わり得意な技がひとつだけあった。それは相手を揺さぶることだ。特に前後の揺さぶりが得意だった。
我ながら性格が悪いと思うが、相手がネット側からコート端まで移動して疲れ果てた時に打つスマッシュが一番爽快なのだ。
相手選手と挨拶を交わして、まずはサーブから。私が先にサーブをすることになった。
相手の位置を踏まえ、最初は弱くネットギリギリに打つ。そして帰ってきたらコート端へと。そう、考えていた。だが、そんなことは不可能であった。
「!?」
パスッ。清々しいまでの乾いた音がした。かと思うと、気が付けばハネが私のコートに落ちていた。目におえないとはこの事だろう。
あくまで私の作戦は、私が相手のハネを返せたら。だが、それができなかったら。相手のスマッシュが強く、返せないほど素早かったら。それすなわち詰みだ。
残念ながら、私は初戦敗退であった。相手選手と挨拶をしてコートを出る。
まぁ、運動部相手だ。仕方がないとも言える。
「おつかれ。かえでっち!」
観戦していた純麗ちゃんが駆け寄ってくる。その瞬間、仕方がないという逃げとも捉えられる思考が恥ずかしくなった。
「ま、負けちゃった。初戦で。なんだか恥ずかしいや。」
「…………そっか。じゃあ、来年はリベンジしよーよ!」
「うん。そうだね。もう少し、頑張ってみるよ。」
「そー!そー!今日の悔しさはうちが相手をぼこぼこにして晴らすから!」
「ふふっ。ありがとう。」
純麗ちゃんは元気に腕まくりをする。彼女が参加するのはバレーとリレー。運動神経抜群な彼女なら、そのどれもが心配はないだろう。




