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最弱妖怪娘の学園生活  作者: とんぼ。
学校生活編

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12/39

12.もうじき体育祭

 大里おおさと先生に助言を受けてから、私は写経やトレーニング量をほんの少し減らすことにした。体調と同じく心の健康もまた目に見えないからだ。

 そうしてまた今日も学校を終えて帰宅する。鞄へ教材を詰め込み、用意。


 「かえでっち!いっしょかえろ!」


 隣の席の純麗すみれちゃんが笑顔で言う。


 「うん。……あれ?部活動はないの?」

 「きょーは休み!だからいっしょに帰れる!」

 「良かった。じゃあ帰ろう。」


 2人並んで学校を出る。簡素な住宅街を進み、小さな児童公園の側を通った。


 「そーいやもうすぐ体育祭だよねー。」

 「だね。っていっても、私はバドミントンしか出ないけど…。純麗すみれちゃんはリレーも出るんだよね?」

 「まーね!」


 ここ最近始まった体育祭の用意を思い出す。体育の時間、各々バスケやバドミントン、バレー等々に分かれて練習するのだ。無論、部活動で入っている生徒はその競技に参加してはいけない。

 クラス対抗ということもあって、皆のやる気は充分だ。


 「ちゃーんと見ててよかえでっち。1位取ってくるからさ!」

 「うん。見てるよ。カメラも回しちゃおうかな。」

 「おっ!回しちゃって!回しちゃって!ばっちり残してもらいたいし!」


 そう言う純麗すみれちゃんはとても楽しそうだった。

 私も行事は嫌いじゃない。浮き足立つ雰囲気にあてられ、仄かに楽しくなってくる。だが、運動は得意でもなければ苦手でもない。故に、純麗すみれちゃんが羨ましくもあった。


 「リレーの練習に、部活動にって、大変じゃない?」

 「うーん。まっ、そうだけど。でもさ、大変であればあるほど楽しさも増すじゃん?だからてー抜きたくないかな。」

 「……………そっか。良い考えだね。それ。」

 「でしょー?」


 児童公園から小さな子供の声がする。集まり、鬼ごっこでもしているのか喧騒が耳に届く。

 思えば、自分もあれぐらいの頃はがむしゃらに遊んでいた。鬼ごっこであれば、負けは死なんだと思うほどそれはもう全力だった。そんな昔と、どこか斜に構えた今を見比べ、私は少し恥ずかしくなる。


 「体育祭、1位になりたいね。」

 「ね!!3年の先輩方も、みーんな倒しちゃお!」

 「うん。」


 そうして帰宅する。自室へ戻り、スマートフォンで検索エンジンを起動した。テキストを入れるボックスには簡単な文字。


 『バドミントン コツ』


 こんな付け焼き刃は意味がないかもしれない。それでも、全力でやって得られる楽しみとやらが欲しくなったのだ。

 私は光る液晶を見つめ、来たる体育祭へと思いを馳せる。

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