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バッドエンドの向こう側  作者: 白い黒猫
愛花の世界
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イレギュラーな現象

 朝六時に鳴る目覚まし時計の音で私は目を覚ます、

 起きてすぐしたことは、ベッドの横で充電をしていたスマホの確認。そこにある7.11という文字を見て声も伴うため息をつく。


 もしかして自然にループが終わってたのではないか? という希望は見事に裏切られた。

 佐藤周子さんのFacebookを見ると、彼女は今日誕生日なようでお祝いのメッセージが並んでいた。そんな日に殺されるなんて可哀想なのだろうか? 


 とはいえ佐藤周子さんは、まだ殺されていない。可哀想というのも変な気もする。

 どうしたものかと今日は出かけずにテレビをつけて。部屋で以前のようにネットニュースなどの調べてみる。

 そこにはもうすっかり見慣れてしまった目新しさが皆無となってしまったニュース記事が並ぶ。

 そして佐藤周子さんが亡くなったはずの16時過ぎになったが、そんな事件のニュースは流れず、夜になりFacebookには友達に誕生日祝いをしてもらったという内容の投稿がケーキの画像とともにされていた。

 今日は何故か殺されなかったようだ。悲惨な事件が起きなかったことは良かったが、なぜ一つ前の7月11日だけ佐藤周子さんという女性が殺されたのか? 意味が分からない。


 お祝いしたのは幸田朝陽という人物。彼女のページを見ると、佐藤周子の画像が多数登場しており二人が仲の良い友人であるのが伺えた。

 混乱した様子で、佐藤周子のページに事件を受け入れられず返信を要求していたのもこの人だったことを思い出す。

 とはいえもう死ななかったのなら良かったとするべきなのだろう。何かのバグが起こっただけなのか? 


 何回分か11日を過ごしたが、あの事件にあった女性のことは気のせいだったのでは? そう思うほど何もない時間が続く。しかし、その八回ほど後の11日に、また彼女は殺されるという事件が起きた。

 殺された場所は同じ公園だが、今度は後ろ手に縛られて首に縄をかけられて木から吊るされている。


 もう千回以上同じ一日を過ごしてきただけに、二回もイレギュラーな事件を起こした佐藤周子さんの事が気になった。

 佐藤周子さんのFacebookを見る。最近チェックしている。まだ何の書き込みもない。


 佐藤周子さんはそこまでマメに更新する訳ではなく、今日の夜友達と過ごした誕生日の様子をアップするのは分かっている。

 変わらない内容を毎回アップすることから佐藤周子さんは、私のようにループしている世界に気がついている様子はない。

 なのに何故こんな不思議な状況になっているのか? 佐藤周子さんという人物についてもう少し調べて見るべきなのかもしれない。私はネットで彼女のことを調べることにした。


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