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第2話 ChatGPTと知性

ChatGPTの「知性」を示す例を書いてみました。

 第1話でChatGPTがどんなものかについて説明したわけですが、こんな疑問を持たれた方もいるのではないでしょうか。


「いやいや。確かに説明はそれっぽいけど、単なる一般論を語っているだけでは?言っちゃ悪いけど、Wikipediaのように単なる日本語からそれっぽい説明を引っ張ってきているだけでは」


 と。


 技術者的にはそれができるだけでもかなり凄いのですが、実はこの「誤解」をしている人はまだまだ多いです。ChatGPTはちゃんとした「論理的思考」……といって語弊があるなら、「論理的思考っぽいこと」をある程度やってくれます。


 ちょうどいい例題として鶴亀算を考えてみましょう。小学校でやるアレですね。


挿絵(By みてみん)


あれ?連立方程式の立式はあっていますが、これだと24 * 2 + 76 * 4 = 352


 になってしまいますね。やっぱりChatGPTはこんなこともできないのでしょうか。実はややこしいのですが、ChatGPTは日本語より英語の学習データが圧倒的に多いので、この質問をいったん英語に直してあげます。


挿絵(By みてみん)


今度は、鶴は63匹、亀は37匹なので、37 * 4 + 63 * 2 = 274 となって正しい答えが出ていますね。英語でもこの辺の計算問題をミスることは多々あるのですが、英語にすることでちゃんとした答えを出してくれる可能性が圧倒的に高くなります。この辺りもあって、英語圏での方がChatGPTの活用が進んでいる、あるいは脅威に捉えられているという側面があるのでしょう。


 次は算数的なものでなく、もう少し「論理的な」問題を解かせてみましょう。実はChatGPTは計算はちょっと苦手でも論理についてはより得意な傾向があるので、この手の問題はかなり得意だったりします。


挿絵(By みてみん)


初歩的な問題です。花子は太郎の母親で、麦子は花子の母親なので、麦子は太郎からみて祖母になりますね。しかし、こういう問題が「辞書を引いて」答えられないのは自明の理。


・花子は太郎の母親である。

・麦子は花子の母親である。


 この情報から、人間は麦子は太郎の母親の母親であるから祖母だと考えるわけですが、どうしてもそういう「思考」が必要な問題になります。しかも、この問題を解くには「母親」がどういう意味の関係であるかと、「祖母」がどういう意味の関係かを理解する必要があります。もちろん、人間がこのくらいの問題を解くのは簡単なことですが。


 しかし「いやいや。こういう文章がインターネットに転がっていて、ChatGPTはたまたまそれを拾ってきて貼り付けただけかもしれないじゃないか」という疑問を持つ人もいるかもしれません。


 もうちょっとインターネットに転がっていなさそうで、面倒くさい問題を考えてみましょう。


挿絵(By みてみん)


 うーん。なんか間違っていますね。


 例によって英語で聞き直してみましょう。


挿絵(By みてみん)


 今度は正しくなりましたね。実は英語でも、何度か聞きなおすと間違ったりすることもあるのですが、計算を含む問題については英語の方が正確に答えてくれます。


 数学や算数の問題を問いてもらいたいわけじゃないんだけど……という向きはあるかもしれませんが、これらの例だけでもChatGPTは単なる「人口無能」や「それっぽい答えを返すだけのチャットロボット」と一線を画することはわかってもらえたのではないでしょうか。


 次はもうちょっと意味のあるタスクを考えてみましょう。次の例は、まさにこのあらすじを添削してもらったものです。


挿絵(By みてみん)


 訂正後が味気なくなったのでは、というツッコミはさておき、特に文章としての正確さを期すならもっともな添削だと思います。


 実は私がこれまで試したところでは、ChatGPTは質問に一から答えるより、既存の文章を元に改善を加えたり指摘をするのが得意なようです。


 ともあれ、「文章の添削をする」というのが一般的には非常に高度な知的な営みであることに異論がある人は少ないでしょう。しかも、見ればわかる通り、生真面目過ぎというツッコミはあれど、添削の仕方について妙な箇所は見当たりません。


 性能が微妙な日本語ですらこうなのですから、英語の添削になれば添削性能が半端ないことはおそらく容易に想像がつくかと思います。


 レポート作成とかにとっても役立ちそうな機能ですよね。こういう例を見ると、ニューヨーク市が「教育関係者はChatGPT禁止!」としたくなったのもわかる気がします。算数や数学はともかく、国語能力や論理的な力が高すぎるので、適当な文章を書いてレポートっぽい文章にするなんてことも(おそらく)得意でしょう。


 というわけで、今回はChatGPTの強力さを示す例でした。次回以降、日常の作業に活かす方法についても解説していければと思います。あと、今回みたいな「常識的な」例じゃなくて、異次元としか言いようがない謎の能力についてもご紹介していきます。


 

というわけで、ChatGPT怖いですね。


面白い!もっと色々な例を見てみたい!という方は評価とか感想とかで応援してくださると、

調子に乗ってガンガン投稿しちゃうかもしれません。

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― 新着の感想 ―
[一言] なんか、微妙に昔のPrologとか思い出してしまいます。論理DBを組み合わせて結論を推論するような。まああれはバックトラックとかしていわばしらみつぶしで当たっていたのですが、それに比べるとな…
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