表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/18

第15話 長編小説を読ませてみた

 さてさて。相も変わらず大規模言語モデルのニュースが毎日のように飛び込んでくる今日この頃です。今回はBing AIのマルチモーダル、つまり画像に対して何が描かれているのかとか質問できる機能について紹介しようかと思ったのですが、予定を変えて長文を読める大規模言語モデルについての話題です。


 つい先日のことなのですが、AnthorpicというGoogleが出資しているスタートアップ企業がClaude2という大規模言語モデル(AI)をリリースしました。これの純粋な性能はChatGPT(GPT-4)にはまだ及ばないのですが、一つ重要な特徴があります。それは、約10万文字に渡る文章を一気に読み取れるということです。10万文字と言えば単行本一冊近くですから相当な分量です。


 Claude2は現在、アメリカまたはイギリス在住の人しか登録できないのですが、VPNでアメリカから登録したことにしてClaude2を使えるようにして早速自作小説を読ませてみました。


 タイトルは「幼馴染な彼女が仲人をしたがるが、僕が好きなのは彼女なので困る」で文字数約7万文字です。ChatGPT(GPT-4)が大体8000文字くらいしか読み取れないので、このくらいの長さの小説を読ませるのは到底無理ですが、Clause2なら理論上は行けるはず。なお小説URLは https://ncode.syosetu.com/n4652gi/ です。


 まずは概要を聞いてみました。


挿絵(By みてみん)


 まずまず、問題なく「読めて」います。さらにAIに質問をしてみましょう。


挿絵(By みてみん)


 読解はほぼ完璧です。もうちょっと繊細な読解が必要とされる質問もしてみましょう。


挿絵(By みてみん)


 こちらもきちんと読み取れています。


 というわけで、今の時点でAIは文庫本一冊近くの小説読解までできるようになってしまったわけで、本当に凄いです。


 最近、Microsoft Researchが発表した新技術では、理論上10億トークン≒約10億文字まで読み込める見込みだそうでs、それだけの文字数を扱えるようになれば小説の長編シリーズまるごと読んで理解できるようになる日もそう遠くなさそうです。あるいは、分厚い教科書を読んで内容を理解して噛み砕くなんてのもお茶の子さいさいでしょう。


 一昔前のAIは論理的な処理はできてもファジーな(曖昧な)処理が不得手と言われていましたが、小説を読解して登場人物の心情を把握するという「人間的な」処理をいつもたやすくこなせるようになってしまったわけで、やはり凄まじいと言わざるを得ません。


 これは逆に言えば「人間の心情読解」や「コミュニケーション」の方が「論理的な問題を解く」よりはるかに計算量的に易しい問題だということがわかったということに等しいわけで、人間のコミュニケーションってのは案外単純なものであるということとも言えるかもしれませんね。

大規模言語モデルの進歩はとどまることを知りません。こんな面白い時代に立ち会えて本当に幸運だと思います。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 更新ありがとうございます。 門外漢の私には、逆に、今話題のChatGPTでも長文は読めないんだと意外でした。内容の難易度よりも単純な物量の方が処理に困るものなんですねえ…… 要約してくれ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ