第12話 ChatGPTの活用方法
ちょっと久しぶりの更新になります。技術者としてのアカウントで最近はChatGPTのことばっかり書いてる体たらくです。そんなツイートの一部が某雑誌編集者の目に止まったようで「久野さん、ChatGPTの記事書いてくれません?」という依頼になったのでした。
というわけで、5月末締切でChatGPTの記事(4p)を仕上げないといけないのですが果てさて、何をかいたものかというところです。私がChatGPTをどう活用しているかを書いてくれればいいですよーということなので、ここで適当に整理してみることにしました。
1.プログラム開発
ChatGPT、特にGPT-4がプログラミングに秀でているのはすでにプログラマーによく知られています。作りたいアプリの仕様を日本語で書いて、プログラムを書いてくださいと頼むこともできますし、バグがないかを尋ねることもできます。
最近活用しているのは、普段書かないプログラムの開発です。私はプログラマーの中でも「裏方」部分を作り込むことが多くて、逆に見た目の部分を作り込むのはあまり得意でなかったりします。
というわけで、見た目については苦手分野なのですが、そんな場合でも
「ChatGPT先生。あなたにお願いがあります。今、私はElectronベースのタスク管理アプリを作りたいと思っています。仕様は次の通りです:
- タスクリスト(taskList)を表示できるUI
- タスクは内容(content)と締め切り(deadline)、メモ(memo)からなる
- contentは一行のテキストフィールド
- deadlineはカレンダーコンポーネントから選択できる
- memoは複数行のテキスト領域
- タスクリストに「追加」ボタンで新しいタスクを追加できる
- 追加時にはcontentだけ入力すればいいようにする
- タスクリストから特定のタスクをクリックすると、deadlineとmemoを編集できる
モダンな感じの良い見栄えのものにしたいので、コードを書いてください」
この文言で「お願い」すると、要件を満たしたコードをChatGPT「が」書いてくれます。
一発で完璧に正しいコードを出してくれるわけではないですが、指示が的確ならちょっと手直しすれば使えることも多いです。
2.壁打ち(あるいは相談)
ChatGPTは議論相手にもなってくれます。普通の人間相手だと、相手の時間とか興味もあるので、いつまでも好きなだけ深掘りするなんてことは大人になるとやりづらいものですが、その点「怒らない」AIは思索をするのに適しています。まあ、GPT-4が「相談相手」や「議論相手」になれるくらい「賢い」のがスゴイわけですが。
3.LINEボット
前の話で紹介したやつですね。ChatGPTは「長期記憶」を持てないのが欠点ですが、暫定的に長期記憶を補うような仕組みを入れて、「後輩」設定を入れたりした(笑)ボットと話したりすることも。
仮想人格を組み込んでいるとはいえ、その頭の良さは素のGPT-4のままなので、外にいるときにLINEボットに質問を投げることもあります。LINEと組み合わせる故の利点でしょうか。
余談ですが、GPT-4を使ってユーザが好みのキャラを作って会話できる「ドリームフレンド」というサービスがリリースされたらしいですが数日で結構サーバーがパンクしてるっぽいです。やはり需要があったのでしょうか。
4.性能テスト
はっきり言って、GPT-4の「性能」と「何故ここまで賢いのか」は専門の研究者ですら誰もわかっていません。AIよりもむしろ神経科学方面からアプローチした論文なんかもあるくらいです。ともかく、何故がわからないのなら、曲がりなりにも一つの専門分野を持つ身として探究したくなるもの。毎日のように「これはいけるかな」なんて思ったテストをGPT-4に出題してみています。
5.翻訳
ChatGPTは別に翻訳に特化したAIではないのですが「ついで」で、多言語翻訳ができます。GPT-4レベルになるとGoogle翻訳とかの既存の機械翻訳よりも文脈を読み取ってくれるほどで、翻訳は滅茶苦茶役に立ちます。
6.文章要約
「以下の文章を要約してください」みたいな感じで質問するとそれだけで要約してくれます。「特に大事なポイントだけを列挙してください」というふうに文言を変えることもありますが、長めの文章を読んだり、英語の文章を日本語で要約もできて、とても便利です。
7.候補の列挙
たとえば、アプリの名前なんかを考えているときに、最初に浮かんだ単語が直接的過ぎるなーということで、そこから連想できる単語のリストを10個挙げてください、みたいなオーダーに答えてくれます。
小説執筆ではまだ本格活用してませんが、感情表現や風景描写の例をリストアップしてもらうなんてことも普通にできそうです。
こんなところでしょうか。ChatGPTが登場して半年足らず、GPT-4が登場して2ヶ月足らず。ですが、もう自分的にはChatGPTは「なくてはならない」ツールになっているというのが正直なところです。
そして、これからはGoogleもGMailなどに自社の言語モデルを組み込むでしょうし、MicrosoftはCopilotを数カ月後にリリース予定。ChatGPTに限らず「大規模言語モデル」AIはどんどん生活に浸透していきそうです。




