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作者: 海庵

 昔々、わしのじいさんのじいさんの頃や。その当時は番の浦に家があってやな。

 ある時、じいさんのじいさんは法事に行っとったんや。今となっては考えられんやろうが、まだわしの頃までは法事といえば普段食べられんおごっつぉを食べられる時代やったんや。何言うても肉とか滅多になかったし、魚も果物も自分とこで採れる物だけやった。そんなんやけん法事のお土産言うたらみんな楽しみやった時代の話や。


 法事も終わってじいさんのじいさんが家に帰る時や、ほれ、あそこの峠があるやろ?あそこを通っている時の事や。

 どうも歩いても歩いても越えられん。いくら酔うとるいうてもこれはおかしいと思うてのう。ははぁん、これは狸の仕業やなと思うて道端に腰を落ち着け、荷物を横に狸の嫌いな煙草を一服してゆっくりしたんじゃ。

 ほんだらの、やっぱり思うた通りで一服した後は峠を下りて普通に帰れたんや。


 ほんでからじいさんのばあさんに土産や、言うて折箱を渡したんや、ほんだらの……


 中に牛ン糞がが入っとたんじゃ! 途中で狸に化かされとるうちにすり替えられたんやのう……


 今や狸も車に轢かれるけん道には出てこんようなったけどこんな時代もあったんじゃ。

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