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【コミカライズ】ひとりぼっちの異世界放浪 ~コミュ障青年はコボルトだけをお供に旅をする~  作者: 長尾隆生@放逐貴族・ひとりぼっち等7月発売!!
第二章 海辺の町(仮題)

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【閑話】魔人戦争 前編

過去の物語です。


一章と二章の間に間章として入れたほうが良さそうな内容なので、全3話投稿を終えてその次の話を更新するあたりで移動させる予定です。

少し説明が多い内容ですがご容赦を。


というわけ始まり始まり

 かつてこの大陸では二つの勢力が争っていた。


 人種(ひとしゅ)と魔族種。


 人種と魔族種の違いは、ひとえにその食性の違いで区別されている。

 植物や動物などの血肉を糧とする人種。

 一方の魔族種は魔素という魔力の源を糧とする。


 なので魔族は魔素が豊富な山奥やダンジョン、そして海底深くに住み、人々は平地や浅い森や海を中心に生活していた。

 しかしその生息域は明確に区切られていたわけでは無い。


 その結果、人種と魔族種の住処の間には自然と『境界域』という不可侵な地が生まれることとなった。


 境界域には普通の魔族種や人種は踏み入れない。

 しかしその地へあえて踏み込む者たちがいた。


 彼らの目的は単純明快。

 人種では魔族の体から採れる『素材』が高級品として扱われていた。

 なぜなら魔素という魔力の源で作られたその体は、強力な武具や魔導具の素材となるからである。


 結果、生まれたのが魔族ハンターと呼ばれる裏の職業だった。

 一攫千金を狙う者、犯罪を犯し国を追われた腕っ節自慢の者、国や貴族が国力増強のために送り込んだ兵士など、様々なハンターが境界域をさまよっていた。

 

 一方魔族種側からすると人種というのは体内に良質な魔素を宿しているご馳走だった。

 魔素というのは濃い薄いはあれ世界中に存在している。


 そして魔素は自然と本来は魔素をエネルギー源としない人種の体内にも取り込まれるわけである。

 その過程で人種の体はいつしかその使わないエネルギー源を人種が使いやすい形へ変換するようになった。

 人種が魔法を使うときに使う良質な魔力へと。


 人種が身に宿す良質な魔力。

 それが魔族種にとってはとてつもなく甘美なものであった。


 人種の魔力を喰らえば、その甘美な味は二度と忘れられない。

 それはまさに麻薬の如く魔族種を狂わせた。


 だが、魔族種が人種を襲い喰らう理由は他にもあった。

 良質な魔力は甘美なだけでは無く、喰らった魔族種の力を増幅させる能力も持っていたからである。

 そして強い人種であればあるほど、身に宿す魔力量が多いと知った彼らは、積極的に境界域に入り込む人種を襲った。


 お互いがお互いを狩り喰らい奪い合い、欲望を満たす地獄のような境界域。

 人種と魔族種の争いはそうして始まった。

 

 最初の頃はそれぞれがそれぞれを恐れ、お互いの無法者が境界域で戦うだけであった。

 しかし欲望というものは底知れない。


 そして――ある人種の国が領海域を越え、魔族種の集落を襲った。

 今残る記録からは抹消されているが、人種と魔族種が本格的な戦争に突入したのはこの事件がきっかけであった。


 周辺国に負けないために小国だったその国が自国の軍備力を上げるために魔族種の素材を欲したがために起こった事件が魔族種たちにもたらした衝撃は大きかった。

 なんせそれまでは魔族種側でも人種を襲うために境界域へ行く者ははみ出し者でありならず者だけであり、普通に生き、暮らしていた魔族たちにとっても彼らは忌むべき存在でしかなかった。


 しかし事件の後から論調は一気に変わっていく。

 それは極々当たり前のことだったろう。


 いつ人種が境界域を越えて襲ってくるかもわからない状況では、自らも人種に対抗する力を持つしか無い。

 そして魔族種が手っ取り早くその力を得る方法は――


 怒りを募らせた魔族種による人種狩りが始まった。


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