花魁と櫛。
「あら、えっさっさ~♪」
踊る様は実に軽やかに、客席を賑わかせる。
お猪口にはもう、一滴すら残っておらず。
空っぽになった、瓶が乱雑に溢れた机。
「よっ、ニッポンイチィぃぃ!!」
思わず囃し立てる面々の頬は真っ赤に染まり、もはや悪ふざけに過ぎないだろうか。
宴会というには、騒がしい。
やんややんやとーー
「では、これにて」
弛くなった腰紐を閉め直そうとした奴さんに、忍び寄ろうとする。
でっぷりとした、まさしく悪代官の如く。
「やめてくださいまし」
軽く払った掌には、ひとふりで命を断つようなかんざし。
花魁にも、拒否権はある。
下駄が鳴いた。