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詩集「てのひら暦」

糸とんぼ【詩】

空が明かりを手放したころ

干しっぱなしの敷布しーつをひきあげようと

そろと手をのばしたさきに

ちいさな美しい虫けらが腰かけていました


笹ぶねを裂いたひすい色の胴

むこうの配管だくとの透ける翅


彼はわたしに背をむけ気付いてもいない


ひととおり見とれたあと

その、こおったような翅をつまんでみた


彼はすわった姿勢のまま、ぴくりとも動きませんでした


色をなくしていく空へ、

その針金細工みたいないきものを掲げ

おやゆびとひとさしゆびを開いたら


いっしゅん 緑の糸鋸いとのこで空をきりさき

すぐにとけてきえてった


背後で はやくおうちにいれてくれと

敷布しーつがべそをかいて

いた

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― 新着の感想 ―
[良い点] 繊細な糸とんぼにピッタリの、繊細な表現、プラス大胆な表現(配管!)に感動しました。 ほんの一瞬が、永遠になる(大袈裟ですかね)瞬間のような……まさしく絵になりそうな描写だなぁ、と思いまし…
[一言] だれか〜、FA希望っ!(レモンより素朴な画風のかた希望w) 続編「べそかいた敷布の寝心地」 待ってます( ̄▽ ̄) ←ないってw
[良い点] 糸蜻蛉、キレイですよね。 けっこう好きです。 [一言] 最近見てなかったのですが、まだいたのですね。 良かった。 最近見かけるのは、夏場のヤンマと秋口のアカネばかりですね。 黒く艶のある…
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