幼なじみは癒し系(職業)
「これから治癒支援魔法の組の訓練を始める。前に少し話すことがある。午前中に治癒魔法を使ったことだろう。しかし、他人に使うのは少々コツがいる。それは、支援魔法も同じだ。そこで、騎士を呼んだ。このもの達と二人一組を組んで魔法をかけてもらう。MPが尽きた場合はパートナーの騎士に言ってくれ。ガルスは、いるか。」
「はい、ここに。」
「攻撃魔法組にポーションを渡してきてくれ。」
「はい、分かりました。」
「それでは、訓練を始める。」
俺の所に来た騎士は、細身の爽やかーなイケメンだった。
「ダルス・サファルンだ。よろしく頼む。」
手を出して来たので握手した。爽やか笑顔と共に。
口元が光って見えるこれが本当にイケメンである証。なんか負けた気分だ。
「佐志倉 祐輔です。祐輔が名前です。」
「ユースケか、それと敬語はいらない。これからは、一緒に戦うものなのだからな。」
「ああ、わかった。それじゃあ始めてもいいか。」
「かまわない。」
それじゃあ、頑張りますか。
「 ヒール 」
「もう少し、力を出すようにしてくれ。」
「わかった。 ヒール 」
「そんな感じだ。次は、実際に傷をつけた場所を治してくれ。」
ダルスがナイフを出すと自分の腕を浅くだが切った。血が少しずつ傷口から零れる。
その行動には少し驚いたが続けていく。
「 ヒール 」
するとみるみるうちに傷口がふさがっていく。そしてそこには、傷などなかったかのような腕があった。
「ユースケは、筋がいいな。これなら上級も目指せると思うぞ。」
「ありがとうな。完全に傷塞がってるよな。すごいな治癒魔法。」
「じゃあ俺は、無事終わったことを報告しに行くから、少し休憩していてくれ。」
なんてイケメン力だ。まぶしい。
「終わったものから自由時間みたいだ」
報告から戻ったダルスが伝えてくれた。
「ダルス、この後予定あるか?」
「いやないが。」
「じゃあ俺と模擬戦してくれないか。いや、お願いします。」
「ああわかった。ユースケを鍛えてやる。」
「ありがとう。」
俺は攻撃手段を持ってない。役建たずで足を引っ張ることはしたくない。自分の身は自分で守れるようにしなければ。
木刀を借りて来て模擬戦を開始した。
「ユースケ、剣は真っ直ぐ振れ。それと、剣ばかりに気を取られるな。蹴りを入れられたり、魔法を使われたりしたときに対処できないだろ。」
わかっているつもりでいたが、やはり痛みに馴れてる訳じゃないから身体中が痛い。
「ユースケは、俊敏が高いからなるべく早く動け、その勢いが剣の威力を増してくれる。そして、木刀で受けようとするな。筋力で前衛職に勝てると思うな。なるべく避けろ。」
足が痛む。でも、ここで諦めたら追い付けなくなる。また、誰かが助けてくれる訳じゃない。自分で力を着けないから失敗した。なりぞこない勇者が勇者に追い付くには、経験を積むしかない。頭ではわかっているがこれは、きついな。
その後もダルスに稽古を着けてもらった。木刀で打たれた場所が痛い、足もパンパン。そして、汗や土まみれ。
早く風呂入りたいな。でもこれじゃあ嫌がられるから一回汚れを落として行こう。
とりあえずヒールで
「 ヒール 」
だいぶ楽になった。でも汗臭いな。そういえば、浄化なんて魔法なかったけ。使ってみよう。
「 浄化 」
おぉ、土と汗が落ちてるそれに服の汚れも。これ洗濯要らなくね。でも、制服だと動きにくいな、一応聞いてみるか。パンツもあるといいな。
大浴場行く前に部屋に戻るか。俺が見てないだけで服があるかも。
おい、ここどこだ。とりあえず人が通りかかるのを待つか。
「放してください。」
はあー、何でこういうときに。俺ってlack項目があったら絶対低いよね。
女性の声がするほうへ向かった。
そこにいたのは、桃原 雪菜だった。後、手をつかんでいる豚みたいな男。
知ってるか、豚って体脂肪率そんなに高くないんだぞ。そんなことどうでもよくて。
「我とくれば何だって思い通りなんだぞ。だから我と結婚するのだ。」
「俺の女になに手出してんだ。」
少女漫画でよく聞くセリフ自分的一位をいってみた。めっっっっっちゃ恥ずかしいけど。
「お前我がベース・ドクレと知っての狼藉か」
「ごめんなさい、知りません。」
「ふ 不敬罪だ。」
「でも、勇者を無理矢理嫁にしようとしたんでしょ。それが国バレればどうなるのかな。」
俺達の立場ってどういう感じなのか知らないけど。
「今日の所はこれで引き下がってやる、覚えていろ。」
そう言って、豚貴族は去っていった。ご丁寧に三下が言うセリフを言いながら。
「せっちゃ じゃなくて桃原さん大丈夫。」
「ゆうちゃん、桃原さんじゃなくて昔見たいに呼んでよ。辛かったのは、ゆうちゃんの方でしょ。それと助けてくれてありがとう。やっぱりゆうちゃんは、ゆうちゃんだ。」
そう言って彼女は微笑む。桃原雪菜は俺の幼なじみだ。祖父母の家の近くに住んでいる。
最初の出会いは、近くの公園でのこと。小さい頃は、みんなヒーローに憧れるだろ。同じ敵に何度負けたって戦い続けて最後には必ず勝つ。この頃は、そう見えていた。雪菜との出会いはさっき見たいなことから助けた。そんな感じだ。それからよく遊ぶようになった。理由なんて覚えてない。小学生を卒業するときも、中学生の修学旅行にも雪菜との写真がある。でも、最近での写真は、高校の入学式だ。それからは、あまりしゃべっていない一年の時のクラスが違ったというのもあるが、俺が一方的に避けていた。大輝に雪菜に手を出されたくなかったから。それから雪菜は喋りかけて来なくなった。寂しく思ったがこれを乗りきればまた、前みたいにそんなことを考えていた。二学期に入って暴力を振るわれるようになった。でも、耐えていればいずれ飽きがくるだろう。そんな風に考えていた。だが、雪菜は違った。俺に対し本気で怒ってきた。「何で自分だけで抱え込むの。」 「何で一人でいようとするの。」 「何で大事な事は誰にも話さず決めちゃうの。」 「何で感謝もされないのに誰かを守るの。」 「何でよ私たち一緒にいた時間も長いに私にすら相談してくれないの。」泣きながら話す雪菜の言葉は、俺の押さえていた何かに響いた。そして俺は、
「何で何でってお前に関係ないじゃん。俺は、俺は全部誰かの助けになると思ってやったら。お前のせいだと言われた。そんな俺の気持ちがわかんのか。全部何もかもお前のせいだと、ふざけんなよ。確かに押し付けた善意だったのかもしれない。でも、目の前で何かやられてたら助けにだろ、お前に俺の気持ちわかるかぁ。」
怒鳴り散らした。雪菜は悪くないとわかっていても。全部溜まってたもの蓋を開けられた。自分は、制御できなかった。感情をうまくコントロールできなかった。そんなもの言い訳でしかない。やってしまった事は代わりない。俺は、雪菜を殴った。そして、その場から逃げた。 その現実に代わりはない。
「あのときは、本当にごめん。なにをいっても言い訳にしかならない。だから謝ることしかできない。本当にごめん」
「いいんだよ。でも、もう1人で抱え込まないでね。私との約束。殴ったことを本気で謝りたいなら誓って。」
「ああ、わかったよ。」
「でも、本当に良かった。だって私、心細かったんだよ。家族にはもう会えないのかなって、でもゆうちゃんと仲直りできて私嬉しくて、嬉しくて。うわぁぁぁぁん。」
そう言って雪菜は泣き出した。
「泣くなよ雪菜。」
「せっちゃんって呼んで。」
「わかったよ。せっちゃん、ただし二人の時だけな。」
「うん、嬉しい。えへへ。」
精神力がアップしました。50⇒60