暗殺者メイド
「ユースケちょっといいか?」
廊下に大翔が立っていた。
「なんだ。」
「スキルの発動の仕方がわかったぞ。」
「スキルってゲームで使えるあれか。」
「あのゲームによく出てくるスキルだよ。ステータスの下に書いてあった。スキルの名前ををいえば発動できる。常時発動スキルもあるみたいだけど」
「その言い方だと自分で試したのか。そんな危ないことするなよ。」
「まあ、さすがに攻撃するものは使ってないけどな。」
「なるほど、なんでいまその情報を持って来たんだ?」
「お前の実力を見たいからだな。俺の 鑑定 スキルを使えばわかるけど。」
「なんだ覗きか捕まるなよ、まあ試してみる。 ステータス オープン 」
先程みた光る板が出てきた。
佐志倉 祐輔
レベル1
なし
HP 90
SP 20
MP 50
体力 45
知力 60
筋力 30
俊敏 40
防御 30
精神力 50
スキル
ゼリス言語 この世界の言語を話すことができるようになる
成長スピードアップ 経験値が二倍なるパーティーメンバーは1.5倍 重複はしない スキルも育ちやすくなる
上位鑑定 鑑定よりもより多く情報が見える
治癒魔法(下) ヒール 浄化
ヒール MP3 身体の修復を少し助ける
浄化 MP1 汚れを落とす
時間魔法(下) ストップ
ストップ MP10 対象のものを少しの間時間を止める 一つまで 生き物や動
いているものほど止める時間は短くなる
称号
神からの加護 この世界に生まれてくるときにもらうもの
勇者のなりぞこない 邪神に力を奪われてしまったもの
女神からの贈り物 女神からの祝福を受けた 腕時計は、自分しか使えない
勇者の資格 聖剣を使える資格
モンスター討伐数 0 人種討伐数 0
ポイント 20
HP 0
SP 0
MP 0
体力 0
知力 0
筋力 0
俊敏 0
防御 0
すごいゲームみたいだな、ステータスを振り分けられるのか。上位鑑定が気になるな、後で誰かに使ってみよう。時間魔法なんか凄そうだな。そのうち、ザ・○ールドが使えそう。治癒魔法も普通感じかな。でも、勇者の資格ってなんだ?聖剣が使えるって書いてあるな。
こうなると本当に。
「まるでゲームみたいだ。」
「なるほど、よくわかった。悪いなステータス見せてもらって、ユースケ頑張れよ。」
そういって大翔は、走っていた。
どんな部屋かな、やっぱり豪華なのだろうか。でもやっと一人になれるぞ、明日から訓練だしなるべく早く寝よう。
そう思いながら部屋のドアを開けた。
そこは、ベッドと机がある普通の部屋だった。
クラス全員分の部屋となると部屋のグレードも下がってしまうのか。
「あああぁぁぁぁー、疲れた。なんだよこの勇者にみあわないステータス。せっかくの異世界なのに。絶対に今日馬鹿にしたやつより強くなってやる。」
愚痴をこぼしていると
「こんばんは、今日からあなたのメイドになります。ラリアと申します。」
「うわぁ、びっくりした。いつからそこにいたの。」
「勇者様が、ベッドに倒れこんだところからです。」
「最初からかよ。ラリアって僕の専属のメイドということ?あと僕の名前は、祐輔だよ。」
「はい、ユースケ様のメイドです。まあ、メイドという名の性欲処理のものと思ってください。」
容姿は、金髪でスレンダーな感じだ。そしてめっちゃ美人だ。ただずっと真顔でいるからなに考えてるかわからないメイドだった。ん?あれ?いま性欲処理とかなんとかって言わなかったか。この人まさか、そういう目的なのか。それともネタなのか、それならそれでものすごく滑っている気がする。やはりただのビッチなのか。
ギロと鋭い眼差しが向けられた。怖い。
ビッチの線はないみたいだ。だとしたらなんなんだ。てか、自分からいってるなら、このまま押し倒してもいいんじゃないか、双方の同意のもとだし。でもそんな度胸俺にあるか。いや、ない。高校生にもなって童貞の俺に、そんな度胸はない。
そう考えてると
「ユースケ様は何か勘違いされているようですが、王国は、勇者様たちの子供がほしいのです。勇者様たちは、圧倒的な力を授かると言います。その力を受け継いでいけば圧倒な国できる。そこで、王都でメイドの募集をし集められた女性を審査して、そこから選ばれたものたちに教育し勇者様のメイドになると言った感じです。決して自分の欲で言ったわけではありません。」
ラリアは、人の意図を汲むのが得意らしいな。でも、思考を読まないと出てこないんじゃないかその答え。目的はわかった、貴族たちにそういうことはできないからってことか。まあ、プライドは高いよな、どこの貴族も。
「教育ってことは、勇者が前々から来ることは、知ってたてことか?」
「はい、国王陛下じきじきに勇者様が舞い降りるという信託があったと。」
なるほどね。そういえば、信託誰が受けとるのだろう?
「信託を受けとるのは誰?」
「第一王女様のカルラ王女様です」
すごいな、この世界のこと、ラリアに聞けば大抵のことは、わかるんじゃないか。
この世界に、来たばかりだから情報が少ない、ゲームが上手くなるコツは、情報集めからって大翔も言ってたしな。
そして、ラリアに聞いたことでわかったことは、
お金は、最低だと銅貨、最高で白金貨と言うこと。単位は、銅貨百枚で銀貨一枚、銀貨百枚で金貨一枚、金貨百枚で白金貨一枚という具合だ。平均月収は、銀貨八枚らしい。ラリアはというと、銀貨十五枚だそうだ。計算が楽だから銅貨一枚百円と考えよう。
後は、経験値というのは戦闘を行えば手にはいるらしい。命を奪えばより手にはいる。
それと、この世界は国が五つあるらしい。この人間種の国 シャドルネ王国 獣人種の国 ガーラ エルフ種の国 フォレスティア 竜人種の国 ドラゴネスト 天人種の国 ゴストリア 戦争はしないがあまり仲が良くない種族もいるらしい。ドワーフやノームなどはいないらしい。それと硬貨はどの国でも使えるらしい。便利やな。
そういえば、スキル使ってみたいな。ラリアにやっても安全そうなのは、これか。
「 上位鑑定 」
ラリア
人間種
年齢 19
レベル39
暗殺者
HP 413
SP 298
MP 145
体力 165
知力240
筋力 182
俊敏 288
防御 230
精神力 70
スキル
暗殺術(上) 暗殺をするために編み出された術
隠密 気配遮断 ポーカーフェイス 読心術 偽装
隠密 周りのものから認識させずらくする
気配遮断 自分の気配を完全に遮断する
ポーカーフェイス 真顔になる
読心術 人の仕草から感情を読み取る
偽装 ステータスの偽装ができる
短剣術(上) 短剣を扱う術 短剣の扱いが上手くなる 剣術から派生
二段切り 乱れ切り 神速 吸血剣
二段切り SP5 素早い攻撃を二回連続で行う
乱れ切り SP12 素早い攻撃をランダムで12回行う 1回の攻撃は弱め
神速 SP6毎秒 素早く移動する 俊敏×3
吸血剣 SP15毎秒 これを使っている間、血を浴びた剣の切れ味が上がる。
高速思考 考えるスピードがアップする 約1.5倍
身体強化 体力、筋力、俊敏、防御を1.2倍にする
気配察知(中) 生物の気配を察知する。
殺気察知(中) 殺気を察知できる。
称号
神からの加護 この世界に生まれてくるときにもらうもの
同族殺し 同族を殺した時に受けとるもの
モンスター討伐数 248 人種討伐数 18
俺は、後悔した。ラリアは、読心術を持っている俺が動揺したり怯えていたら、どんなに隠してもばれるだろう。ラリアは、扉の前にいて扉は使えない、窓があるがここは三階、俺の防御力では生きてられるかわからない、ダメージを受けたことがないため推測することもできない、腕時計をつかうか、10倍の速度で動けるようなもんなら行ける。だが、使ったことがないから使ったあとのデメリットがわからない、最終的に死ぬということだがその間のデメリットを教えられてない、どうする、どうする、待てそもそも僕を始末する理由がわからない。ここで僕を殺すなら呼び出した時にでも殺せるはずだ。でももし、王様が依頼をしていなかったら、あそこには貴族たちもいたかもしれない。それでもメリットがない。じゃあ、なぜここに暗殺者がいる、どこで選択を間違った。今日話した相手は、王様 大翔 ラリアだけだったはず、王様は、信託を破るメリットがないはずだ、勇者はこの世界にくる神を討つために召喚された、そのなりぞこないとはいえ勇者の俺殺すメリットがない。なりぞこないだからかもしれないが信託があるから可能性は低い、大翔も同様にこの世界に来たばかりなので依頼できないはず。考えれば考えるほどわからなくなっていく。
ついにラリアがこっちを向いてしまった。俺の顔見て驚いている。
くそここでゲームオーバーか、いやまだ腕時計があるいざとなったらこれで
「私のステータスを見れたのですか。」
「まあ、そういうことだな。」
声が震えてしまった。少しでも見栄を張るつもりだったんだかな。
腕時計のボタンに触れる。
「私は、その稼業からは足を洗いました。信じられないでしょうが本当です。なりぞこない勇者のユースケ様の担当になったのもたまたまです。聞いておきたいことがあります。何故私の本当のステータスを見れたのですか。偽装は、この世界で鑑定で見破れるものではないのですが。上位鑑定ですか、すごいですねそのスキルはほとんどの人か進化させないまま人生を終えるのに。やはり、勇者様たちは圧倒な力を持つのですね。」
「ご名答、そういうことだ。てか、なりぞこないていうな。それと、ラリアが俺を殺さないという確証がない。そっちの仕事の方が儲かるだろう。何故今メイドをしてる。」
「つまらない話しですよ、貴族が女の子拾い、それを暗殺の道具として育て、邪魔な人間を殺させた。殺すのがいやになってきたその子は、貴族に辞めさせてくれと頼んだ。そして、最後の仕事だと言ってある場所に呼び出した。私は美人だった方なのでそこで捕まえられて性奴隷にされているはずだった。しかし、暗殺を教えてもらった師匠が助けてくれた。ラリアという名前も師匠からもらいました。逃げ切れたけど職がなくなった。最初は、ギルドで依頼を受けて暮らしていましたが、男どもに襲われそうになりました。まあ、返り討ちにしましたけど。もっと安全な所で暮らしたいと思っていたら、メイドの募集の張り紙が見えました。勇者の子供を産まなければいけないのは少し嫌でしたが、安全で快適に暮らせると思ったからメイドになったのですよ。」
「なるほどね、まあ今は信じるよ。」
「はい、ありがとうございます。このラリア、ユースケ様に誠意を持って仕えさせていただきます。」
ふぅ、怖かったな。ラリアの話しを今は信じるしかないけど。まあ大丈夫だろう。うん、そう信じよう。そうしないと、眠れないからな。今日は、もう寝よう。別に、まだ怖がっている訳じゃないですけど。すごく眠いだけだから。
「それじゃおやすみ。」
「はい、おやすみなさいませ。」
高速思考 を手に入れた。
軽快な音楽と共にメッセージが送られて来た。
戦闘以外でもスキルは、手にはいるのか。料理スキルとかあってそれを戦闘で手に入れるとか、変だもんな。でもいいこと知れた。それに、これは当たりのスキルだろう。ラリアも持っていたが、思考スピードが1.5倍だぞ。有能すぎる。でも、本当眠いな、おやすみ。
そして、祐輔の1日は、終わった。
「知らない天井だ。」
やっぱりこのセリフは、言っとくべきだよな。さて、朝飯食べに行きますか。そういえば、ラリアはどうしたんだろう。勤務時間外なのかな。
食堂は、朝から混んでいた。クラスのみんなもいるが、特に騎士の格好をした人が多かった。
泊まりで働くのか、大変だな。それと、クラスの男たちのほとんどが顔がにやけていた。まあ、そういうことだよね。みんな俺より度胸があるやつだったのか。
朝食は、黒パンみたいなものと、野菜がよく煮込んであるスープだった。パンは固くてスープに浸けないと食べれなかったがスープが美味し過ぎて気にならなかった。素材本来の味とでもいうのだろうか。でも、あまり青臭くないな。
おかわりもした。
ぼっち飯だって、しょうがないじゃないか大翔以外に仲間がいい人いないんだもん。その大翔は、女子に囲まれてる。でも、彼女いないんだよな。まさか、あいつハーレムつくる気か、くそー許せん。まあ、本当にできそうだから怖い。
食事を終えたら、騎士たちが使う訓練所に集まってほしいといわれた。
そこにいたのは、身体が山のようにでかく、筋肉が岩肌の如くゴツゴツとしていて、顔がものすごく厳つい人だった。
「今日から、君たち勇者の実技訓練をみることになった。シャルドネ王国騎士団 団長 アシル・シルバードだ。私の訓練は厳しいかもしれないがこれは、君たちが戦場で死なないようにするためだ。また、その日の体調が悪いようなら男は、俺に。女は、今から紹介する副団長に相談してくれ。」
そう大きな声でいうと、アシル団長は下がった。
「アシル団長より紹介を預かった、ルイート・エルダだよろしく頼む。」
ルイート副団長は、くっころしそうな女騎士だ、男どもの視線が釘付けだ。もちろん俺も。
「これからは、午前が訓練、午後からは授業を受けてもらう。不満もあるだろうがこの世界に慣れるまでは、我慢してくれ。信託にあったのだか、お前は戦いのない場所で育ったそうだな。しかし、このゼリスは常に命の危険と隣合わせの場所だということを理解してほしい。」
そこから、訓練が始まった。
鑑定は、職業とレベル、数値しか見れません。
上位鑑定は、ステータスプレートに書いてあることなら見れます。