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え、文字読めるの?

部屋に戻ると、


「ユースケ様、遅いです。なかなか帰って来ないので心配しました。あの女の人とそういう関係になるのはいいですが、私にもお情けを。」


「見てたのかよ。少し怖いんだけど。」


「まあ、そんなことどうでもいいんです。それより、早く始めましょう。」


「どうでもよくはない気がするが、わかった。」


そう言うと目隠しを渡された。


「これをしてください。私は、ユースケを攻撃します。攻撃といっても素手ですからそこまで痛くはないですよ。」


目隠しをすると、やはり不安な気持ちになる。

だが、やっぱり強くなりたい。だって、せっかくの異世界なんだから。


「それでは、行きます。」


開始の合図と共に俺の右腹に攻撃が当たる。


「うぐぅ」


痛くないなんて嘘じゃないか。でも、こういうのは得意だ。


「ここだ。」


腕を掴むことができた。手のひらが物凄く痛いけど。しかし、顔に蹴りを入れられる。


「ウヘェ」


情けない声を出してしまった。だが、顔に蹴りを入れられるって言うのは聞いてない。


「すみません。びっくりして蹴ってしまいました。でも、何でわかったのですか。」


「喧嘩に巻き込まれることがあって、それで何回かやってるうちに分かるようになったよ。やり返せないから避けまくってたけど。」


さらに言えば、相手が逆上しないように攻撃を受けていたこともあったけど。


「なるほど、じゃあ次は気配を少し消します。」


そして、殴られる。


「ドゴェ」










さんざん殴られまくったが、収穫もあった。  気配察知(下)  を手に入れたことだ。

ラリアによれば下級でも、気配を隠してない相手だったら分かるようになるらしい。便利だな。ただ、壁越しだと分かりにくくなる。まあ、下級だしね。

殴られまくった身体にヒールをかけて寝た。



 




  




今日は、外出の日だったが昨日のことがあって延期になった。雪菜と過ごそうかなと思ったが女子たちとしゃべっていて話しかけられなかったため、図書館に行くことにした。


「適当に本とって読んで見るか。」


本を取り出すとタイトルが読めなかった。たまたまかと思ってちがう本を手にしたが、どれも知っている文字ではなかった。

あれ?大翔って本から情報を得たんじゃなかったの。俺の思い違いか?そう思って大翔に聞きに行った。


「え、お前文字が読めないの?」


「え、お前読めるの?」


「質問を質問で返すなよ。クラスの奴らは、ゼリス標準文字理解ってスキルを持ってるぞ。俺は、賢者だから古代文字理解もあるが。」


「マジかよ。」


改めて、俺がなりぞこないだと理解した。てか、話が通じるだけ良かったと考えるべきか。


「とりあえず、ありがとうな。」















「ユースケくーん。」


ん、この声は、


「ルイート副団長。どうかしましたか?」


「国王陛下が君を読んでいるんだ。まあ、マコトくんもだが。」


俺と誠が呼ばれるってことは、昨日のことでも聞かれるのかな。


「じゃあ、謁見の間でいいんですね。」


「ああ、では行こう。」












「此度は、操られた騎士の暴走を止めてもらって感謝する。褒美に何かやろう。ほしいものを述べよ。」


「僕は、特にほしいものはありません。」


と誠が言う。

うーん、俺もほしいものはないかな。てか、見習い騎士を倒したの誠だから俺は褒美もらえないよな。


「ユースケ殿は何かあるか?」


「俺は、何もしてないですよ。誠が貰わないなら俺も貰いません。」


「じゃあ、誠殿には、金貨十枚を与える。」


じゃあってなんだよじゃあって。何で王様は俺に褒美をあげたいのか。わからん。それこそあの貴族の女子が王女だとかそういう理由ならわかるが。


「実は、襲われかけたのはワシの娘なのだ。国王として頭は下げられないがユースケ殿にはどーしてもお礼がしたい。もちろん誠殿にも感謝している。だが、あの時ユースケ殿がいなければカルラは生きていないかもしれないのだ。」

 

本当に王女様だった。


「そういえば、何故彼女は襲われたんですか。その理由に心当たりは。」


それは俺も気になるな。


「わからん。カルラは職業が 巫女 で神の信託を預かる能力を持っておる。カルラを襲うということは神に背くことなのだ。だから、心当たりがないのだよ。」


「でも騎士を操れるほどの魔導師なんてそうそういないんじゃないですか。」


この世界の魔法がどれくらいの基準か知らないけど、騎士を操るのはすごいことのはずだ。系統的に闇とかそこら辺だと思うけど。


「そうなのだ。闇魔法の名門家というと、グリーズ家、マノリグ家、カシスノ家辺りなのだが裁判にかけられるようなことはなかったのだ。悪い噂を聞くような家でもないからな。余計に困っている。」


「わかりました。それなら僕がその事件、解決してみてます。」


え、


「しかし、マコト殿に手を煩わせる訳には。」


「気にしないでください。これは僕がやりたいからやることです。祐輔君手伝ってくれないか。」


爽やかなにっこり笑顔言ってくる。

これは、受けないとだめかもな、受けないとクラスの女子からなにされるかわかったもんじゃない。え、何故そうなるのかって。誠に頼まれたことを拒否った奴は、クラスに居ずらくなる。ただでさえ、嫌われてるのにこれ以上評価を下げたら、雪菜に迷惑かけるからな。


「ああ、わかったよ。」


少し下手な愛想笑いで答えた。






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