0.8 引き際と攻め際
≪祐side≫
ボイスチャットがやばいわけではない、どちらかというと弱みを握られたことが駄目だ。
ボイスチャットを誘うって事は、まだ気があるってことだから、ココでなんとか挽回しなくては。
幸いこちらにはボイスチェンジャーもあるから、バレることもないだろう!
さて、命がけのネカマ戦線をはじめるか!
Prrrrr...Prrrrr...
真琴「ふぁいアルルです」
祐 「しろんです、こんばんわ」
真琴「こっこの度はありがとうございましゅ」
祐 「えーなにがですか?」
なにイケボなのに、噛みかみで面白いんだけど。
祐 「あの私声おかしくないですか?よくアニメ声って言われるんですけど...」
真琴「えっいえ全然ぜんぜん、おかしくないですよ!!」
真琴「むしろ可愛いというか最高です!」
祐 「あっありがとうございます」
やっぱり、バレては無さそうで一安心かも
あとはあのフル装備について口止めするだけで...。
真琴「あのお聞きしたいことが...」
祐 「なんでしょうか?」
真琴「なんであんなにお強いのに...偽ってるんですか?」
早速その話題かよ、もう少し待ってくれよ言い訳が...。
祐 「えーっと事情がありまして...。」
真琴「事情...?」
祐 「昔は結構ブイブイ言わせてたんですけど、疲れちゃって。」
真琴はそのまま『うんうん』と相槌を打つ
祐 「それで、強い装備をつけてる目立ったり、強いダンジョンに行くのがいやで」
真琴「なるほどです...なので、少しステータスの低い武器を装備してたのですね...」
祐 「はい、なので他の人たちには黙っててもらえないでしょうか?」
真琴「人には他言しない事、わかりました。ですがこちらのお願いを聞いてくれないでしょうか?」
でたー!
ボイスチャットするだけじゃなかったの?
写真を見せろとか、会いましょうとかはきついぞ?
真琴「はい、あの今度から遊ぶ機械があれば、ボイスチャットをつなげてもらえないでしょうか?」
祐 「まぁ...それくらいなら大丈夫ですよ...?」
真琴「本当でっしょか!?ありがとうごじゃりましゅ!!」
興奮すると噛みかみなんだな、こいつ。
祐 「では今夜は挨拶だけにして、もう遅いのでこの辺で」
真琴「心惜しいですが、また明日にでもお声かけさせていただきますね」
祐 「はいー!わかりました、おやすみなさい」
真琴「おやすみなさいです」
通話がおわり、どっと疲れが体にのしかかる。
このままフェードアウトできればいいんだが、遊びを断るとまだ同じ内容で脅されそうだな...。
それと性別の確認もできたし。
まっ俺のこと気にってくれるみたいだから、うまくいけば貢いでくれるかな。
このときは、まだ結構軽く考えていた自分を呪ってあげたい。