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私の嘘に恋する貴女  作者: 不破 休
4/9

0.4 日常の断片

≪祐side≫


...ぱんぱん...お..て

...おき ...ぱんぱん


詩ノ乃「おきてー!」パンパン

祐 「...んっあ?」


びっくりした...分けでもないが...

寝ている俺の、顔を幼馴染の詩ノ乃が覗き込む。


詩ノ乃「ほらー早くしないと、お仕事遅刻しちゃうよ?」

祐 「毎日言ってるじゃん...もうちょっと優しく起こしてよ」

詩ノ乃「だって毎回、起きないじゃーん」


家が隣だけあって小さいころから、こう俺の出勤日には毎朝お越しにくるのだ。

俺はもう23歳だ、一人で起きる事だってできる筈なのに、詩ノ乃に甘えてしまう。

ここは一つ、そろそろ自立せねば。


祐  「なぁもうそろそろ起しに来なくたっていいだぜ?」

詩ノ乃「なぁにいってるの、だって私おねーちゃんなんだからさっ!」


おねーちゃんだとさ、

こいつは俺の幼馴染で、自称お姉ちゃんらしい。

実際のところ、俺が4月生まれで、こいつが3月生まれでギリギリ学年違うだけ。


詩ノ乃「それにさ...祐君の彼氏だし...。」

祐 「お前絶対人前で言うなよ!ゲームの中だけ、しかも緊急時!」

詩ノ乃「わ...わかってるよ!冗談冗談!」


まったく頬を赤らめていうな、恥ずかしいなら言わなければいいのに。

こっちまで恥ずかしい。


詩ノ乃 「って!っていうか!相変わらず何も無い部屋だね、ベットの下にエロ本ないの?!」

祐   「おいおい、それ昨日も同じ事いって探してただろう!?」

詩ノ乃 「いやこれもおねーちゃんの務めです!」


こいつ朝から何してんだよ、

俺の宝、エロ本があるのはクローゼットの中だ!

ベットの下を漁る詩ノ乃を無視しながら、出勤をするため部屋をでる。


毎朝出勤する時は、詩ノ乃も一緒。

別に会社が一緒なわけじゃないが、こいつが働いているビルの1階に、俺の働いているコンビニがあるだけ。

帰りもまってくれているわけだから、忠実というか犬ぽい。


詩ノ乃 「あっ聞いてきいて、昨日ゲームしてたんだけどさ!」

祐   「そういえば昨日ログインしてたよな、何かあったのか?」

詩ノ乃 「昨日マジックボックスからね、なんと☆5のアイテムが出たの!」


マジックボックスから☆5!?

マジックボックスといえば、低確率でレア度MAXの☆5のアイテムが排出されるという。

低確率の故に、☆5のアイテムは強力アイテムのみ設定されている。

確かマジックボックスは、レアを除けばクズアイテムしか出ず、低い値で取引さているが...。


詩ノ乃 「しっかりして、意識富んでるよ!?」

祐   「あぁすまんすまん、あまりの凄さに色々考えてた。」

詩ノ乃 「祐は考え事すると、すぐ意識がどっかに言っちゃうから、おねーちゃん心配だよ...。」


へぇへぇすまなかったな、おねーちゃんとやら。


祐   「んで何のアイテムがあったんだ?」

詩ノ乃 「秘密ー!でも見せてあげたいから、今度一緒にでもしようよ?」

祐   「ああ、今度一緒にしような」

詩ノ乃 「やったーえへへ」


俺たちはそんな他愛のない会話をしながら、出勤する。

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