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私の嘘に恋する貴女  作者: 不破 休
2/9

0.2 たぶん心が穢れてる

≪祐side≫


「はぁ...今日もバイト疲れたー。」

ゲームを起動し、結構な値をした椅子に腰をかける。

バイト・寝る・飯、以外はゲームするのみなので、椅子にはこだわりたい。


ゲーム画面には、俺のアバター『しろん』ちゃんがお出迎えをしてくれている。

銀髪で瞳はピンク、落ち着きのある顔立ちは、男を釣ってきたことを感じさせない、我ながら見事なアバターだ。


コイツのフィギアがあったら絶対買う、間違いなく買う、全国民が買うだろう。

そんなことを思いながら、今日のデイリー報酬やお知らせをチェックする。


っとその数秒後、ギルド【終焉の樹】のチャット板に書き込みが入る。



メンバー1『こんばんわ!』

メンバー2『お仕事だったの?おつかれさまー』

メンバー3『今日もキャリーしてあげるからさ、あとで一緒にクエスト行こうよ』

しろん 『おつかれありがとうー!まだ装備弱いですけどお願いします(*´・д・)』



我ながら人気者だな、まだINしてちょっとだぞ?

釣ってきた男たちが俺を崇拝しているようだ。


そんな慢心に浸っていると、ギルドチャットに新たな書き込みが。

どうやら新しくメンバーが加入しているらしい...。



??? 『しろんさん初めまして!』

しろん『初めまして、新しく入ってくれた人かな?』

アルル『はいっアルルと申します、以後お見知りおきを』

しろん『どうぞよろしくおねがいしますぅ!』




この新しく入って【アルル】って奴、人のこと言えないが、なんとなく痛いな...。

まぁ...ここのギルメンからは、搾り取ったし抜けようと思っていたからな、新しく獲物が来てくれてうれしいよ。


俺はさっそく新しく加入した、【アルル】とやらのプロフィールに目をかける。



――――――


――――


――



ふむふむ...。

プロフィールを見た感じ、男アバターで課金アイテムを複数身にまとい、ステータスもまぁまぁ高い。


あとで性別はちゃんと確かめるとして...。



「早速唾でも付けときますかぁ~!」


ネカマの行動は早い、きっとF1レーサーよりも。

まずは個人チャットで...



しろん『いきなりすいません...今から一緒にクエストいきませんか?』

アルル『もちろんですとも、でも俺なんかと一緒で大丈夫ですか?』

しろん『アルルさんのほうがステータス高いですし、こちらこそ♪』

アルル『ピンチになったらお守りいたしますよ』

しろん『かっこいい事いわないでくださいwではクエストは、お任します!』



お守りいたしますだとさ...なかなかキザなことをいう野郎だぜ。

このまま貢ぐまで行ってくれれば...。


ということで、今は案外易しい討伐クエストに来ていた。

俺のステータスを見て、アルルが気を使ってくれたのだ。



しろん 『私のレベルに合わせていただいてありがとうございます...少し申し訳ないですが...。』

アルル 『いえ!今日はゆっくりプレイしたかったので、こちらのクエストで満足してますよ?』

しろん 『凄く助かります、このクエスト頑張ります!』



普通なら「きゃ~かっこいい、惚れちゃいそう」となるだろうが、

俺の内心は「難易度高いクエスト発注して、キャリーしてくれよ」とクズっぷりが発揮されていた。


まぁこの日はそんなこんなで、ゆっくりとクエストして終わった。

話すこともないほどに平和。


これが俺と【アルル】の出会いだった。

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