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第六話

 じんくんは、その手を両手で包んで、僕を上目遣いに見詰めた。


あきくんは、愛されてるんだね。お姉さんたちは、あきくんが好きでしょうがないんだね」


 じんくんの目が、涙を溜めて、キラキラ光る。


「そんな事ないよ。おいつら、僕を苛めてばっかりだもん。好きな訳ない」


 じんくんは、横に首を振る。


「昨日、僕、二人のお姉さん見たんだ。あきくんと話してる時に、こっち見てた。二人とも、すごく淋しそうに僕の事見てた。きっとあきくんを取られると思ったんじゃないかな? だからあきくんが僕に会えなくなるような嘘付いたんだと思うよ」


 じんくんの言葉はすごく暖かい感じがした、けれど、僕の心は全然溶けてはいかない。


「ごめん。それは、無理」


 僕の言葉に、じんくんの瞳が色を失う。

 僕は、じんくんの優しさに感謝をしながら、言葉を続けた。


じんくんは優しいね。でもね、あいつらのことはもういいよ。ずっと一緒に居たんだもん。二人に苛められるのは、僕のウンメイなんだと思う」


 言葉にしながら、残酷な現実が痛く染みてくる。でも、もう涙は出なかった。

 じんくんはずっと俯いて黙って聞いていた。


 僕たちの周りの空気は、僕の吐いた言葉でどんどん黒くなっていった気がした。

 その空気を、じんくんの言葉が吹き飛ばした。


あきくん!」


 じんくんが、ガツッと音がする勢いで僕の両腕を掴んだ。


あきくんの不幸、全部吹き飛ばしてあげる。一生、吹き飛ばし続けるよ!


……だから、僕を一生傍にいさせて!」


 あまりの勢いと言葉と迫力で僕は、あまり考える事もなくガクガクと頷くしかなかった。


 そこで、僕……俺は…俺の記憶の嫌な出来事、挽回された出来事全てにじんが関わっていたことが思い出されていた。


 俺は、不幸な出来事が起こっても、不幸だとは思ってなかった。不幸と感じる事は無かった。全部、不幸をひっくり返してくれていたのは、じんだった。俺が今、生きていられるのは、じんがいたからだ。じんの存在があったから、俺は、生きていた。


 フラッシュバックで色々な事が思い出され、慄いた。


 瞬間、セピア色だった視界が大風に吹き飛ばされ、視界が開け、色が現実のものになる。


 目の前に、図体はでかくなったが、瞳の輝きや、透き通るような白い肌とか、キラキラ光る艶やかな金髪の天使の顔があった。


 天使だよ。


 美しい男なんて、ザラにいるけど、なんだか絶対、コイツは人間じゃない輝きがあった。


 俺は、初めて湧く疑問を、言葉に出した。


「お前……何者だ……?」

私、酔ってたんでしょうか……。18禁設定にしてませんでした。後から変更できないみたいなので、出来る限り全年齢で頑張ります、が、無理だったら、削除後再投稿します。ごめんなさい(T_T)

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