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Paradox-魔王姫を守護するは召喚されし剣士-  作者: 雪月花
始まり、王都ファーベル冒険者失踪事件
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呪い無き妖刀に刻まれた呪詛

雪月花でございます!新しく書いておりますのでどうぞよろしくお願いしますっ!

強烈な酒を一気に飲み込んだかの様な吐き気を覚えて目を開く。移るのは薄暗い洞窟の様な場所、黒桜の世界とは全く違う。雰囲気も重く体全体に重しを乗せられている様だ、一歩足を踏み出すとぐらりと視界が揺れ膝を着いてしまう


「くっ…身体が重い、それに…」


血生臭い、おびただしい血をぶちまけ、動物の内臓等を混ぜた様な濃い鉄の匂いが洞窟中に蔓延している。確かに、こんな所に長時間居たら正気じゃな無くなるな


「…火…?」


暫く吐き気が引くまで座っていると奥の方から蒼い光が見える。その光は炎の様に揺れており、此方へと向かって来る。じっと、目を凝らす様に見ていると、炎を中心にうっすらと人影が見える。やがて、10m程先まで迫って来るとはっきりと輪郭や表情まで見る事が出来た


「…これが、黒桜の中にある呪詛か…?」


その表情は穏やかな物ではなく。怒りや憎しみと言った表情を繰り返す様に変えながら近寄って来る、そして、俺の目の前まで来れば止まる事も無く身体を通り抜けて行った


「っ…?!」


身体を通り抜けて行く瞬間、あらゆる感情が流れ込んで来る。手に取る様に分かるなんて物ではない、自分が消えて行くような錯覚を覚える程の他人の感情の本流。幸せ、喜び、悲しみ、怒り。そして、狂気


「く、はぁ。はぁ…」


その場でうずくまり、自身の肩を抱く。俺は、此処にいる。居るはずだ、だが、そうか…あれが黒桜を持った人の最期か


『ふむ、そいつは妾を持ち、狂気に目覚めてから一番短い奴じゃが。良く耐えたのう』


「今のを耐えたと言うならな、お前が妖刀だという実感が沸いたよ」


『褒めるでない、そら。一度経験すれば十分じゃ』


黒桜がそう言えば、風景が暗転し。水面の上で座り込んでいた、便利な世界だ


「…それで、鬼哭とどう関係あるんだ?」


「うむ、奴ぐらいの狂気に耐えられると言う事は奴の狂気を鬼哭で使っても問題無いと言う事じゃ」


「問題は沢山あると思うが…そもそも、あんな状態になるのなら戦う事すらできないぞ?」


「それは、慣れるしかないのう。ずっと使えと言う訳ではない、切り札じゃな」


「切り札、か…どちらかと言うと諸刃の剣じゃないか?」


「くくっ、使い方次第じゃな…ほれ、鬼哭をやってみるのじゃ」


愉快そうに笑う黒桜に呆れながら肩を竦めては刀を鞘に納め立ち上がる、使えと言われてもどうやれば良いのか分からないので黒桜を見ると『うむ、忘れておった。妖力を引き出して身体中に巡らせ、留めるのじゃ』と、説明され"忘れるな"と言いたい所を我慢して意識を集中させる。燈桜を出した時の感覚を思い出し、刀身では無く、身体に流れる血をイメージする。すると…


「くっ…!?」


流れ込んで来るは人の悲鳴、絶命する瞬間の叫び。ギリッと奥歯を噛み締めて堪えれば、淡く輝く灰黒色の光が身体に纏わり付く様に漂っている


「うむ、成功じゃな。そら、その状態で燈桜を放ってみよ。泣き言は許さぬぞ」


もはや、考える余裕すらない。言われるまま、居合いの構えを取り、全力で振り抜く。ドッ!と轟音を響かせながら水面を割り、髑髏を砕き、彼岸花が散る。…は?と間抜けな声を漏らしてしまった


「ほぉ…これは予想外じゃ。良い切り札が出来たのう」


「…正直かなり辛いぞ」


「泣き言を言うでない、早急に強くならなければ…死ぬのは主じゃぞ」


そう言われてしまうと何も言い返せない。日は浅いが根元の部分に関しては良心的な性格をしているなと、毎回思う


「ふむ、時間じゃな。そろそろ、起きる時間じゃぞ」


「…ちょっと待て、全然寝れていないぞ?」


「身体は休めておる、精神の方は…まぁ、頑張れ」


「おい、こら」


チョップを入れようとした所で黒桜の姿は掻き消え、視界が暗転した。目を開けば、朝日が部屋に差し込んでおり、朝を知らせていた。…夢から現実に、そのまま来たような感じだ…



「冒険者が失踪?」


「えぇ…王都ファーベルは知っているわよね?」


スライム達が切り盛りする食堂に朝食を食べる為に向かえば、丁度ルイン達が居たので隣に座った所"王都ファーベルで失踪者が大量に出ている"と聞かされたのだ


「あぁ、だが、冒険者だけが失踪しているのか?一般人は?」


「ギルド長のアーロンが調査隊を組織し、調べた所。一般人に被害は無いそうです。ですが、Cランクの冒険者が9人、Bランクの冒険者が4人既に失踪しております」


紅茶を淹れながら説明もこなすニルヴァにお礼を言いながら、ティーカップを啜る、美味い


「…冒険者狩りか。相当な手慣れだな」


「えぇ、帝国の可能性もあるから、様子を見に行こうかと思って。それに、上手く行けば借りを作る事が出来る。…もしくは、引き込める冒険者が居ないか探すわ」


「私とキラーメイルは城を守りますので、魔王様の護衛を任せてもいいでしょうか?」


「…あぁ、任された」


キラーメイルは城に残る事に文句を言って居たが、その姿では行けないだろうとニルヴァに指摘されて大人しく城にいると拗ねていた。ニルヴァが来てくれるとありがたいと思ったが…仕方ない

書き直し中ですが、よろしくお願いします!

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