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Paradox-魔王姫を守護するは召喚されし剣士-  作者: 雪月花
洞窟に潜む魔獣
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卑劣な罠

お久しぶりでございます!しばらく書いてなかったので読みずらいかもしれません><

平衡感覚が狂う程白に統一されたその部屋に二つの影がある、二つの影は中心を向いておりその中心には渦巻く赤い光を灯す水晶が紫色の光の柱の中浮かび上がっている。


「それで、わざわざこの部屋に呼び付けるとは…何を企んでいやがる?」


本来、本部との通信にのみ使う部屋に呼び出されたステルベルは不機嫌そうに目の前の女を睨みつける


「そんなにこの部屋が嫌いか?ただの通信室だろう、ああ。お前は上司との関係も良くなかったな」


ステルベルの殺気の込めた視線を受けても微動だにせず、嫌味を言いながらステルベルを笑う


「はっ、それはお互い様だろ?用がないなら帰らせてもらうぞ?」


女の嫌味を鼻で笑えば、構う時間すらも惜しいと扉から出ようとするステルベルを蒼く輝く壁が包み込む


「…アルシャ…てめぇ。何のつもりだ?」


素早く自身の創造魔術の発動を確認しながら振り返るステルベルの表情は真顔、対してアルシャと呼ばれた女は黒い前髪を右人差し指で巻くようにいじりながら笑みを浮かべたまま


「もう一度聞く。何のつもりだ?」


いつでも障壁を破壊できる用に、術式を組み上げならアルシャに問い掛ける


「何のつもりだ、ね。ふふ、単刀直入に言うとステルベル、お前が要らなくなったから消せって事よ」


アルシャが言い終わると同時に部屋中から溢れる機兵(キメラ)、その全てがステルベルを包囲する


「…必要なのは'コレ'だけって事か、…ククッ…」


「ほぉ、何が可笑しい?」


危機的状況にも拘らず笑い始めるステルベルにアルシャは困惑する、瞬間。爆音が響く



ギルドの依頼、アルダの個人的な依頼を消化しながら活動資金を集めつつ、帝国との戦闘に備えて日々戦力を強化して行く。幸いにもこの数週間帝国の目立った活動は鳴りを潜めていた、無論。静かだと言う事は予兆でもある


「ヘルウルフの解体は終わったかー?」


「ああ、皮は剥ぎ終えている。骨や牙はニルヴァが内臓はベルが分けているはずだ」


ニルヴァ、フォルカ、ベルと俺でギルドの依頼を消化していた、依頼は簡単な物からアルダからの依頼(アルダオーダー 命名:ルイン)の二種類、ギルドからは簡単な物を、アルダからは危険な依頼だが破格の報酬が用意されていた


「いやぁ…今日はギルドの依頼でよかった…アルダさんからの依頼って機兵関係かやべぇ奴の討伐ばかりなんだよなぁ…」


怪我を直し、キラーメイルと俺のアドバイスで戦闘方法も見直したフォルカがげっそりしながら赤い液体の入った丸い瓶を煽る


「そう言うな、帝国の放った機兵の討伐で報酬が貰える。一石二鳥だろ?」


「帝国の面と向かって抵抗してんのに資金難って…現実はつらい…」


溜息を吐くフォルカに後ろから骨が飛んで来る、気が付かないフォルカの後頭部に直撃すると薬を吹き出しながら咽ている


「戦闘経験も補える、文句は言わせない」


骨を投げた本人はベルらしくフォルカに二本目を投げようと構えていた


「待て待て、それは依頼品だ。投げるんじゃなくて杖ではたけ」


慌ててベルを止めれば、隣のフォルカが走り出すと同時にベルの杖と言う名の鋭い骨の刃が生えた棒がフォルカを追いかけて行った


「賑やかだと疲れを忘れそうですね」


「ああ、賑やかすぎるがな」


依頼品を集めて袋に詰め込み終えたニルヴァが二人の様子を面白そうに眺めつつ隣に腰を下ろす


「…気になる話でもあったか?」


「…王都の方では海で大きな爆発があったとか、そう言う話が話題になってます。その爆発の直後無数の機兵が浜辺に出現したらしいです」


「…海底に施設でもあったのか…?」


詳しく聞くとこう言う事らしい、魚を取っていた村人が海底から泡が浮き始め、その数秒後海面が爆ぜたらしい、その後機兵が出現するも人間には一切目もくれず空へと飛び立っていったらしい


「っと、この話で持ち切りです。海底に帝国の機兵製造工場があるのではないか、その工場で実験に失敗し爆発したのか?海底に何かを打ち込みそこから機兵を放ったのか、と」


「…ルインに相談して調べてみるか…?」


ニルヴァの話を聞きながら腕を組む、帝国の沈黙が正直不気味すぎるのだ。できればこちらから手を打ちたいが…


「そうですね…調査はした方がいいでしょうが、既に王都の騎士団が向かっているとの事です」


「騎士団、か。…正直敵か味方かもわからない連中だな…」


「…それと我々としては良くない噂もあります、先ほど依頼を受ける時に耳にした事なのでこれから魔王様には報告するのですが」


「…良くない噂?」


ニルヴァを見ればその表情は暗く、怒りを表すかのように両手は拳を作っていた


「はい、帝国の虐殺は全て魔王が指示したと言う噂です」


「…馬鹿な、誰がそんなことを信じるんだ…?」


「えぇ、私も同意見です。ですが、王都の人々はこうとも考えているそうです。『帝国と戦争状態にもかかわらず、城は健在。戦いが起きた痕跡がない』、『歴史を辿れば奴らも人間の敵だったんだろ?』等です。前者は、戦力差があまりにもあり、城の位置は既に割れている、だが帝国が攻めて来た痕跡が見れない。と言いたいのでしょう」


「…噂の出処も調べる必要がありそうだな。それに帝国が静かな時に急に出た噂だ、奴らが一枚噛んでる可能性がある」


「えぇ…私とルーで調べて置きましょう、シオン様は少々目立ち過ぎていますので」


「…面目ない」


この噂、深刻な事態にならければいいが…、不安の影を胸中に落としながらも革袋を担ぎ。フォルカとベルに声を掛ける。ぐったりしたフォルカを引きずって戻ってくるベルに若干の恐怖を感じたのは言うまでもない



「そう…直接じゃなくて、そう言う手段で先手を打って来たのね」


魔王城、作戦室とされた大部屋に主力メンバー全員が集まれば先程の噂がニルヴァから報告される


「…汚ねぇ…」


フォルカの第一声がそれだった、確かに卑怯だ。だが、これだけ不安定な世界で、絶対的戦力を見せ付けた後なら尚更有効な戦力だ


「まずはどれだけ信じている奴がいるのか、そこからじゃない?…犯人を炙り出した後、派手に生産工場を破壊した方がいいかもねぇ」


「海での爆発も気になる。今やギルドは信じれても王都は信用できない」


キラーメイル、セレナが意見を述べ皆頷く、問題が同時に二つ。どちらから手を付けるべきか…ちらりとルインを見れば目を閉じて考えている


「…部隊を二つに分けて、調査班と偵察班に。調査班は目的を完了させ次第、王都の南部にある帝国軍のテリトリー、恐らくギルドの連合軍と帝国軍が睨み合っている境があるはず、其処を目指して協力を煽って。偵察隊の合流は遅れるから早まらないでね?…偵察隊は騎士団には見つからない様に、セレナの言う通り彼らは敵か味方かはっきりしていないわ」


ルインの言葉に各々が頷き、メンバーの割り振りを始める。調査隊はフォルカパーティー、ニルヴァ、現地でルーが合流するようだ。偵察メンバーは俺、ルイン、セレナ、キラーメイルに決まった


「私とフォルカ様達、それにルー様やアルダ様の協力もあるので情報は直ぐに集まるかと、アーロンもいましたね」


「こっちは偵察のみ、騎士団にも見つからない様に海の調査を行う。万が一機兵がいた場合は破壊しようかねぇ」


ニルヴァとキラーメイルが目的を確認するように説明すればそれぞれのメンバーが頷く

嫌な噂が流れているこの状況では打開する為に派手に動く必要がある、目に見える結果があればそこから評価を得られやすい…海も気になるが、な…そこまで思考しては考えを止め、作戦の準備に取り掛かった

感想評価等お待ちしております!ではでは~

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