ギルドからの要請
おはようございます!こんにちは!こんばんは!
雪月花でございます!
大分期間が開いてしまいました!申し訳ない!急遽書いたので…いつも以上にひどいかも?
フィルが持って来た手紙をそっと開き、中の手紙に目を通すルイン。その表情は段々と険しさを増し、最後に溜息を吐きながらシオンに手紙を差し出す
「シオン、貴方が決めて…これは私と言うよりも、貴方を使いたいみたいね」
少しの怒りを込めた瞳をして震える、そんなルインから手紙を受け取り、ゆっくりと読み始める
手紙の内容としては最初に軽い挨拶が書いており、魔王城の北東にある洞窟に帝国軍が新型の機兵を放った事が判明したことが書いてある、国王はこの機兵を野放しにするのは危険と判断し以前の事件を解決した事からギルドに国からの依頼が来たとの事…だが、国からの援助も無く冒険者達も危険な依頼を受けたがらない、その為魔王軍にお願いしに来たのだ。宮殿魔術師が、何故か、俺を指名して
「俺を指名、か…アーロンか?」
「どうでしょう…幾ら人でなしの屑で、汚物な彼でも何もせずにいきなりこの行動を取るとは考えにくいですが…」
「アーロンさんに対して辛辣過ぎませんか!?ルーさん!?」
ルーの言葉を聞いて驚くフィル、彼の事は取り敢えず置いて置くとして…何故俺なのだろうか…?あの場にはフォルカ達も居たはずだが…ギルドが解決したと分かっているのであれば。何故、偶々手を貸した俺に指名を…?
「あ、ごめんなさい。シオンさん宛にもう一つアーロンさんから手紙があります」
そう言ってもう一つの手紙を差し出してくるフィル、俺を言いながら受け取り、中身を取り出し、目を走らせる
『やぁ、シオン君。元気にしているかな?この手紙を読んでいるのが君である事を願うよ。さて、この手紙を読んでいるという事はフィンから今回の事について聞いているはずだ。何故、私が君を指名したのか…それは半分脅迫されてね。国王…と言うよりはその下の宮殿魔術師のアルダと言う名の女性が居てね、彼女がギルドに来て、冒険者失踪事件を解決した者を出せと騒ぎだしてねぇ…フォルカ君達もそっちにいるし、シオン君の事も隠そうとしたんだけど、用意周到な奴でね、そいつ。君達全員の情報をある程度持っていたんだ、ルインが来てる事は知らなかったみたいだけど、シオン君の事はばっちりバレてるみたい。灰黒色の髪を持ち東国の剣を持つ者を出せってね、さもなくばがさ入れついでに反逆罪で捕まえるぞーって、具合にやけに強行でね、何故そこまで拘るのか、理由を求めても突っ撥ねられるだけ、そう言う訳だからよろしく。勿論、報酬等は君たちに全部上げよう。
追記、今回の件は流石にキナ臭すぎる、少しばかり調べてみるよ。武運を』
宮殿魔術師が…?あの事件は確かに不明な事が多すぎた、何故、長期間誰にもバレずに帝国が国内で動けていたのか、何故、国王軍は動かなかったのか…
「…まさか、な」
「…シオン?」
「いや、何でもない」
隣のルインが心配そうに見て来るが頭を振って手紙を閉じる、この件はアーロンの報告を待とう。
「行こう、アーロンも身動きが取れない状態らしい」
「ほんとか?!ギルドとしてはすごく助かる!…けど、個人的には気に入らないからやりたくないんだよなぁ…」
一瞬嬉しそうな表情をするも直ぐに曇らせては苛立たし気に鼻を鳴らす
「やるしかないさ、アーロンに貸しを作って置くのも悪くない、だろ?」
「ぅ…それはそうだけど…本当にいいのか?」
「構わない、場所は分かるか?」
「あぁ…それなら問題ないよ、多分あいつが先についてるはずだ」
「あいつ…?宮殿魔術師か。急だな…分かった準備しよう」
そう伝えて部屋を出ようとすると右腕を掴まれる、振り返ればルインの顔が間近にあり思わず一歩下がってしまった
「私も行く。いいわね?」
「あ、あぁ…」
こくこくと頷けばにこりと笑って手を離すルイン、そのまま自室に向かって行った
「…あたしとシオンの二人…って命令なんだけど…ま、いっか」
一連を近くで見ていたフィルが真っ青になりながら苦笑いしている。無論、異論は唱えない
「と、取り敢えず、出発するときは声を掛けてくれよ?」
「了解した、そこまで時間はかからないはずだ」
「あ、その任務?俺も行くぜー」
そう言いながらガチャガチャと音を立てつつ踊りだすキラーメイル、隣のニルヴァの表情が怖い
「お前が…?いや、心強いが…?」
「はっはっ!宮殿魔術師!しかも女性の匂いがする!フィルちゃん以外の!行くしかないっしょ!」
張り切って女性目的と公言するキラーメイルに追悼を、ニルヴァの鋭い蹴りで彼方へと飛んで行く
ニルヴァの脚力って…あ、ハンナが言っていたギャグ次元の力と言う奴か?
「こほん、これをしても彼は行くでしょうし。よろしくお願いします」
「何だかんだ仲がいいな」
「…」
「すまん」
ニルヴァの怒りの目線から逃げるように部屋を退出、準備の為に自室に向かう途中、黒桜から話し掛けられる
『どうした?』
(何、今回は暇が無そうじゃからのう…どのタイミングで次を教えようか悩んでおるのじゃよ)
『そうだな…今回はお預けか?』
(ぶっつけ本番と言う手もあるぞ?)
『見た事も無い物をどうしろと?!』
(くくっ、何処かで見せれればいいのう?)
愉快そうに笑う黒桜に溜息を吐きながら部屋に入り、軽く荷物を纏める。最近は直ぐに出れるように最低限の荷物を複数用意してある。ふむ、楽だ
「それにしても、フォルンから帰って来ていきなり討伐依頼なんてな。運が無い事?」
「何故疑問形なんだ?」
「お茶を濁すためさ…」
「濁す必要性があったのか…」
「あー…そろそろ出発してもいいかい?」
魔王城、正門前。フィルが用意した馬車の前でキラーメイルとシオンがどうでも良いやり取りをしているとフィルが呆れた顔をして馬車を出そうとする
「すまない、すぐに乗ろう」
「あ、俺はバラバラになって袋に入ってるわ」
「…呪われた鎧か?」
「くくっ、着たら俺みたいに色んな物が見えるぜ!」
「あ、バラすのは任せて!」
走り出す馬車に揺られながらルインの腹パンで解体されたキラーメイルを袋に放り込んで行く、キラーメイルの右腕が馬車を運転するフォルの頭に落ち、フィルが可愛らしい悲鳴を上げたのは別の話である
お読み頂きありがとうございます!
フィルちゃんは男勝りを目指しております!(口調難しい!)