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Paradox-魔王姫を守護するは召喚されし剣士-  作者: 雪月花
エルフの隠れ里 フォルン
24/48

神秘の森

おはようございますこんにちは。こんばんは!

雪月花です!

難しい!その一言!ではでは、少し読み難いかもしれませんが…

シオン達が城を出発してから一日が経過しようとしていた

王都ファーベルの西、森林で埋め尽くされている地域に里はあると言うが馬車も手配できず、仕方なく馬を借りて移動していた


「やっぱり一日じゃ着かないわね…」


「この辺で野宿した方がいいんじゃないか?日が完全に落ちる前に明かりの準備をした方がいい」


シオンの提案に皆が頷き、明かりの準備に取り掛かる


「で、なぜ貴方は発光しているんです?」


「なんでってそりゃぁ…俺が光るほどカッコいいからだろう?」


ニルヴァは溜め息を吐きながらキラーメイルの腕を捥ぎ取り、明かりを確保しました。と言いながらキラーメイルの腕を振り始める


「いやいや!?俺の腕!?」


キラーメイルって便利なんじゃね?とルイン以外の全員が思った瞬間だった



(のう、主よ…ずっと言いたかった事があるんじゃが…)


『なんだ…?改まって?』


(うむ、妾も食べたい)


『ん…?』


焚火を囲いながらニルヴァの作った夕食、ニルヴァ曰く簡単なシチューらしいが結構手が込んでいる、それを食べている時に黒桜がすごーく、悲しそうな声を漏らす


(その、シチューとやらを食べたいのじゃ)


『人型になれば食べれるのか…?』


(うむ!)


どうやって黒桜に食べさせるか考えながら器の中のジャガイモをスプーンで転がす


「どうした?シオン青年、お腹でも痛いのか?」


すると、隣のキラーメイルが首元からシチューをスプーンで流し込みながら話しかけて来る


「あ、ああ…痛いと言うよりは腹に溜まってな」


「ふふん、ならば俺が確保しておこう!後で食べると良い!」


珍しくキラーメイルがまともな事を言っているので少し驚く、変態性さえなければまともなのかも知れない


「そうか、頼む」


「任せろ!」


キラーメイルに器を渡すと彼は簡易キッチンに運んで行った


(主よ、感謝じゃ!)


嬉しそうな黒桜の声を聞きながら苦笑いする


『もう少し早く言ってくれ、そうすれば俺が用意する』


(すまぬのう…)


その後、フォルカが居ない内にテント内で黒桜がシチューを頬張り、外ではキラーメイルと巻き込まれたフォルカがニルヴァとアナンに追い掛け回されていた。何でも、テント内に普通に入って来たとか…フォルカ、運が無かったな…因みにルインは居なかった為未遂である



二日目の早朝にアナンの案内で神秘の森に向けて出発する

神秘の森…悪戯好きな妖精や人間嫌いの精霊が住んで居ると言われる森、別名は迷宮の森

名前と通り神秘的、幻想的な光景が見れると言うが…実際は迷い込んだ者は出られないと言われている

…そのおかげで帝国からも身を守れている訳だが…な


「ここから見える森が神秘の森よ。私から離れないでね?」


アナンの指差す方角に確かに森がある、村の周辺の森よりも木も高く密度も高い気がする

アナンの言葉に全員が頷き、森へと足を向ける、入り口と思われる場所まで来れば馬の縄を解いやり、王都まで戻らせる。二つの大きな岩の間を通る様に道が伸びており、アナンを先頭に歩き始める


「成る程…始めてきましたが…確かに神秘的です」


「ああ、神秘的過ぎて俺は周りの視線が気になって仕方がないけどな」


ニルヴァの呟きにキラーメイルが軽い調子で言いながら大袈裟に身体を左右に向けて答える


「綺麗な所なんだな…うーん、ラリサが居たら大変だったな」


「綺麗な物とか好きだから…っと、流石に失礼ね」


今は城に居る仲間の話で盛り上がるフォルカとアナン


「…道は一つだけなのか…?」


「えぇ、正確には私が居るから一つなのだけど…本当なら道は出ないわ」


シオンの疑問にアナンが答え、その隣でルインが納得した様子で頷く


「エルフが居ないと抜けれないようになっているのね…」


「そう言う事…っ!?」


――――――――――――――!!!!!!


懐かしそうにアナンが言葉を続けようとすると、森全体が威圧的な魔力に覆われる


「っ…!?な、何…この感覚…っ!」


「空気が…重い…っ」


両肩を押さえて立ち止まるアナン、ふらつく身体を近くの木で支えるフォルカ


「ルイン、大丈夫か…?」


「え、えぇ…大丈夫よ…ここに来てるみたいね」


「あぁ、間違いない。あいつだ」


シオンは震えるルインの肩を軽く叩きながらニルヴァに後を任せ、前を見る


「この先、か」


正直、自身の恐怖心を抑えるのが精一杯だ、だが…そんな事を言っている場合じゃない


「俺とキラーメイルが前線に行く。フォルカ、ニルヴァ、アナンはルインを頼む」


「ごめんなさい…」


「わりぃ…」


「お任せください」


全員が頷くと慎重に前へと歩き始める、恐らくあいつにはもうばれて居るのだろう…前へと足を進めれば森が拓け、崖へと出る。そして其処には『白衣の男』が立っていた


「いよォ…まさかお前らも居るとはなぁ…此処を覆ってみるもんだ」


両手を広げながら笑い声を上げれば、シオンを睨み付ける男


「何故、此処にいる」


「此処に居る理由か?おいおい、俺が此処に居る理由なんざ、すぐに分かるだろ?」


「…分からないな、貴様の考える事など」


やれやれと、両手を上げながら呆れる男に対しシオンは今にも切り掛りそうな程、殺気を放っている


「ニルヴァさん…あいつは…?」


「以前、魔王城を襲って来た帝国軍の小隊長です…シオン様を瀕死に追い込んだ張本人です」


「なっ…!」


ニルヴァの説明に目を見開くフォルカ、隣で聞いていたアナンも表情を青くしている


「まぁいい…此処であったのも何かの縁だろ。一戦殺ろうぜ?」


男の周りが凍り付き、同時に背後から無数の氷の剣が出現する。その光景にフォルカとアナンは唖然とする、それもそのはず、奴が展開した魔法は聖歌魔法…術者一人では、出来得ない事


「あれが…創造魔術…!」


アーロンから話を聞いていたが、目の当たりにすれば絶句の一言

展開された魔法はシオン達へと一斉に射出される!


「二人とも、来ますっ!」


ニルヴァの声に、はっと我に返れば重力操作で球体状の膜を形成し飛んで来る氷の剣を受け止めるフォルカ、男は嬉しそうに口を歪め同時に興味深げにフォルカを見る


「こいつは驚いた!重力魔法が使える奴が居るとはな!だがな…魔弾系純の聖歌魔法を食らった事はあるか?」


剣を撃ち出し続けながら新たに無数の紫色に光り輝く球を出現させる


「くっ…!対魔の聖歌魔法かっ!」


「させない…!」


フォルカが冷や汗を垂らしながら男を睨み付ける、アナンが放つ三本の矢が同時に男を捉えるが傷を負わせる事はできない


「効かない…?!」


「ほぉ、良い連射だなァ…!」


耳をほじりながら矢を振り払い、魔弾を発射する

迫り来る魔弾の前にキラーメイルが白銀に輝く盾を構え、割り込む!


「忘れてもらっちゃ困るぜ…!」


魔弾を左腕の盾で弾きながら右手に紅く液体の様な光を纏う槍を出し、握り締める


「…!」


鬼哭を使用し魔弾と氷の剣の嵐を掻い潜りながら男に肉薄するシオン。黒桜に灰黒色の魔力を纏わせ、男に斬り掛かるが氷の剣に遮られギリギリと鍔迫り合う


「おっと、あぶねェ」


更に5本の剣が加わり、男とシオンの間で火花が散る。多方向から襲い来る剣を弾き、薙ぎ、砕く、だが距離を詰める事が出来ない


「青年、下がれ!」


キラーメイルの声に反応し後ろへと飛び退く、瞬間、銀色の閃光が男を襲う


「がっ!?」


吹き飛ぶ男の前に目を開いたニルヴァが立って居る


「避けましたか…」


「て、めぇ…特有魔術か…!」


ダガーに付いた血を振り払いながら静かに男を見下ろすニルヴァ


「ちっ、どんな魔術だか分からねぇが…解析すればいい話だ」


「解析させる時間を与えるとでも?」


男にダガーを投げ付けるが、紫電に打ち砕かれる!


「結局は近寄られなければ良いだけ何でなァっ!」


紫電に加え岩の杭がニルヴァに迫るが避けようとはせず静かにダガーを構える。ニルヴァの前に槍を回転させながら割り込むキラーメイル、大盾は無く代わりに黄金に光り輝く剣が握られている


「なっ…!?」


割り込んで来たキラーメイルに男の表情が驚愕に歪む、聖歌魔法の中でも威力のあるものを選び放ったにも関わらず、槍の回転のみでそれ等を無力化し斬り込んで来る。まずい!全神経があの鎧の持っている武器に警告を出す、男は手をかざし、小さく何かを呟けばニルヴァとキラーメイルを巻き込み爆発する!



「ニルヴァ!」


「キラーメイル!」


シオンとルインの声が重なる、立ち込める土煙に状況を確認できる者は居ない


「…この距離でそれを使うとはな…」


やがて煙が晴れ姿を現すはニルヴァを守る様に白銀の盾を構えているキラーメイルとその後ろで姿勢を低くしているニルヴァ、そして無傷の男


「流石にヒヤってしたぜェ…」


多少ふら付きながら肩の埃を払いながら男が立ち上がる


「やれやれ、熱くなり過ぎたか…ま、こいつだけもらって行くか」


「っ!?」


男の呟きに反応したシオンがルインを突き飛ばす、同時にシオンを包む様に青白い壁が出現する


「シオン!」


「うぉぉぉ!」


シオンを包む壁にレーヴァテインで斬りかかるフォルカ…が、高い金属音が鳴らしながら弾かれる


「かってぇ!くそっ!」


「くっ…!」


重力を形状変化させ槍の様に突き立てても傷すら付かない


「あ?まぁ、いいか。そんじゃ、俺は逃げるとするぜ」


「行かせるとでも?」


「おいおい、青年は置いて行ってもらうぜ?」


「くくっ!必死だなァ…だが、魔王以外は持ち帰れねェんだ…こうするけどなァ!」


気が付けばシオンが崖から放り出され、そのまま落下して行く!


「なっ…!?」


「青年!?」


「何かしないと死んじまうぞ!くくっ!」


そう言い残し男の姿は消え、その場から居なくなる



空中に放り出されたシオンは下を見ながら助かる術を思考する。下を見る限り川は無く一面森…運が良ければ枝をクッションに生きれるだろうか?そんな事を考えながら、息を吸い込みルインに負担がかからない様に繋がりを極限まで薄くする


(妾が居るのに死なせるとでも?)


「何か考えがあるか…?」


(ふむ、無事ではすまぬが…生きれるかもしれぬな。ほれ、教えたじゃろ?)


「…成る程、やる価値はあるな」




「さっきの炎…確かこの辺だったはず…」


金色の髪に長く尖った耳が特徴的な女性…この近くに住んで居たエルフが遠くで見えた蒼い炎が気になりその場所までやって来たのだ


「…あれは…?!」


焼け焦げた森の中、頭から血を流し全身に火傷を負っている男を見つけ駆け出す


「まだ、生きてる…兎に角手当てしないと…!」


エルフは男を引きずる様に背負って家まで運び始める…

熱い戦闘シーンは中々大変です(ホント

ではでは、次回お会いしましょう!

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