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Paradox-魔王姫を守護するは召喚されし剣士-  作者: 雪月花
始まり、王都ファーベル冒険者失踪事件
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胸騒ぎ

おはようございます。こんにちは。こんばんは!

雪月花です!

いよいよ新章突入!

燃える家、崩れる大樹…川は淀み汚れ、虐殺は続けられる。助けを呼ぶ者、抵抗を試みる者、希望を捨て生命を絶つ者…


「っ…夢…?」


夜の帳が落り、城が寝静まった頃アナンは一人目を覚まし、先程の夢を思い起こす。清掃用のスライム達が静かに掃除をしている気配がする以外特に変化はない、アナンは指に嵌められた銀入りの指輪を触りながら冷静に夢の内容を思い出そうとする。懐かしい街並み、忘れるはずの無い里の中心にそびえる大樹、思い出のある小川。どれも、自分の出身である王都ファーベルの西側…エルフの里、フォルン


「まさか…ね。でも…」


ズキリと痛む胸を押さえながら、言い様のない不安に駆られる


「相談だけでも…うん」


今は寝よう…明日、そう考えアナンは再び横になる



「フォルンが…?」


「えぇ…その…嫌な予感がして…」


全員が朝食で集まる食堂にて、アナンは昨日の夜見た夢の内容を向かいに座るルインに話していた


「嫌な夢を見てその所為で不安になってるだけかもしれないけど…」


「…でも、帝国が目を付けない理由はないわね。エルフの魔術も魔法もとても力を持っているし…万が一

と言うのもあるわ…出来れば、こっちについて貰いたいと言うのも本音よ」


「…確認だけでも行けないかしら…?」


「そうね…確認だけでも行きましょう。ギルドとの連携はできているし…戦力になるなら…ううん、状況の確認だけでも」


こくりとルインが頷くと、表情が明るくなるアナン


「早速準備してくるわ!」


「ちょ、ちょっと!?まずは皆に話さないと…」


「あ、そ、そうだったわ…ごめんなさい」


恥ずかしそうに慌てて座りなおすアナンを微笑ましそうに眺めルイン


「故郷は大事だもの…どんな人にとってもね?帝国と接触する可能性もあるだろうからメンバーは私が選ぶわ」


「えぇ…!」


任せなさい、そう言って席を立つルイン、その席にフォルカが来ては座る


「何かあったのか…?」


「ん…後でルインから話があると思うから…その時にね?」


「…りょーかい、あまり悩むなよ」


そう言って笑うフォルカにアナンはくすりと微笑んでいた




「…と、言う訳よ」


「エルフの里、フォルンか…聞いた事ぐらいしかないな」


「それが当たり前かと…そもそも他族との接触を避けている種族ですので…隠れ里、そう言った雰囲気のはずです」


ルインから話を聞いたシオンの呟きにニルヴァが補足を付けて説明をする


「えぇ…だから、見つけるのは困難なんだけど…今回はアナンが案内してくれるそうよ」


「大丈夫なのか…?部外者の俺達を案内して…?」


ふと疑問に思ったことを口にするシオン、疑問は最もの事で最悪エルフと戦闘になりかねない


「大丈夫よ、…その、私は王族だから…」


「…ハイエルフ…?」


アナンの言葉とベルの言葉に驚く一同、唯一キラーメイルだけはいつもの調子だが


「私が説明をすれば問題なはず…多分ね…」


「そう…なら、アナンを信じましょう。偵察に行くメンバーなんだけど…私とシオン、アナンは確定よ。

行きたい人はいるかしら…?」


「…ぱす」


ベルは胸の前で腕をクロスさせXを作れば短く呟く


「行ってみたいけど…フォルカが行くって言いそうだし、あたしは残るわ」


次にラリサは手を上げようとするフォルカの脇腹をつつきながら言い


「…俺は行く、アナンが心配だしな…」


ラリサに先に言われたフォルカは頬を掻きながら呟き


「では、城にはルーさんが居るみたいですし…この前留守番だった私とキラーメイルが行きましょう」


「んにゃ?俺も行くのかい?」


ニルヴァの発言にルイン以外の全員の顔が引きつる


「ニルヴァさん…それ、連れて行って大丈夫なんですか…?」


「大丈夫でしょう、アナン様がハイエルフなのはどうやらここに来た時から分かって居たみたいですし、実はエルフの里のに行った事があるのでは?」


「ざーんねん、記憶がないんだよなぁ」


そっぽを見て、声を上げるキラーメイル


「戦力としては問題ありません、これでも強いですから」


「ふふ、じゃ…偵察メンバーは私、シオン、ニルヴァ、キラーメイル、アナン、フォルカ、で決まりね?」


全員が頷き、明日の早朝に出発する事を決めて解散となった




(主よ…少し話があるんじゃが…いいかのう?)


『ん?構わないが…どうかしたのか?』


準備をするために部屋へと戻る途中、廊下で黒桜に話しかけられ足を止める


(明日に向かう、フォルンなのじゃが…妾は行った事がある。正確には言った者の腰にぶら下がっておったのじゃがのう、…妾を無闇に見せびらかさない方が良いかも知れぬ)


『…成る程、何か問題を起こしたのか…』


(うむ、手頃な布にでも包んでくれぬか?)


『構わないさ、他には何かあるか?』


(今はないのう…後で何か思い出したら伝えるわい)


『了解だ』



「えっと、これと…後は…これもね」


自室で忙しなく旅…帰郷の準備をするアナン、必要な物をまとめ詰めて行く


「あそこを飛び出してから一度も戻ってなかったわね…」


緊張と不安が混じり合い、そこに嫌な感覚が入り込み落ち着かない


「…うん、大丈夫。しっかりしなさい、アナン」


ぎゅっと指輪を握りながら自分に言い聞かせる。

きっと、大丈夫…




「で、なんで俺を連れて行くなんて言ったんだー?」


「単純に戦力になるからですよ?」


珍しくふざけた様子の無い口調にニルヴァは淡々と答える


「はぁ…エルフは正直苦手だから行きたくないんだよなぁ…あ、アナンちゃんは別よ?でかいし綺麗だし」


「粉にしますよ?」


急に元の口調に戻ったキラーメイルに殺気を飛ばしながら切れるニルヴァ


「胸、バスト…身長が無くてもそれさえ育っていればもう合格よぉ!なぁ!諸君!?」


「殺」


激しい地響きが城に響き、キラーメイルの高笑いが聞こえたという


「諸君って、誰だ?」


シオンが一人突っ込んでいた

今回はアナンの過去に迫るかも?

そんな章です!


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