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Paradox-魔王姫を守護するは召喚されし剣士-  作者: 雪月花
始まり、王都ファーベル冒険者失踪事件
19/48

束の間の休息?

おはようございます。こんにちは。こんばんは!

雪月花でございます!

数話程平和な回を挟みたいと思います!

「…ここは…?」

周りを見渡せば透き通る水面に広がる一面の彼岸花、水面の下に広がる無数の骸…そして、黒い花弁を咲き誇る桜…


「おや?もう忘れてしまったのかのう…?」


「いや、忘れていないさ…少し驚いたがな」


くっくっ…と嬉しそうに笑う黒桜が『黒桜』を手に桜の下で笑っている


「ここに呼んだのは妾じゃからのう…」


「せめて、声を掛けてくれ」


何、ちょっとした悪戯じゃよ、そう言って黒桜は刀を引き抜き、下段に構える


「ここに呼んだのは主に新しい物を教えようと思ってのう…先の戦闘で鬼哭、燈桜、燈雷は扱えるようになったみたいじゃしのう?」


「そうでもないさ、鬼哭は精神に疲れる、その他は魔力の方がな…?…気力もか」

「よく言うのう…あれだけ使っておいて」


やれやれと言いたそうに首を振る黒桜に苦笑いしかできない


「まぁ、良い。まずは一度見て貰いたくてのう…その為に呼んだのじゃ」


「…成る程、現実世界に出て来ては刀が無くなるか…」


「うむ、察しが良くて助かるわい」


黒桜から少し距離を取る、黒桜はそれを確認すると刀を一気に振り上げ、ゴォォッ!っと音と共に刀から蒼い炎の火柱が前方に飛んで行く!


「名は『蒼炎楼(そうえんろう)』…飛ばせる斬撃じゃ」


「出鱈目な威力だな…」


蒼炎の斬撃が走った跡は水面が蒸発し、斬撃を受けていない彼岸花すら焼き落ちている


「くくっ、使える物に出来る様にしないとじゃのう?」


「ああ、分かっている」


刀を収めた黒桜は近くに寄って来てはそっと、手を差し出す


「前に剣技や鬼哭の反動は経験と慣れで問題無くなると言ったんじゃが…もっと早い方法が見つかってのう。ほれ、これを見ると良い」


差し出された黒桜の手の平に視線を落とせば綺麗な花弁が数枚乗っかっている

「これは…?」


「主は倒した異形…其れの素材となった者達の魂じゃよ。冒険者達は知って居るか分からぬが機兵になった後も意識を持っている個体も居ると言うと、わかるかのう?」

「ッ…破壊する事で救えたのか…?」


「その結果がこれじゃよ、感謝するのなら何か残して逝くと良いっと、伝えたら主にこれを残していった」


桜の花弁を押し付けられると、温かな感覚がゆっくりと身体に沁み込み力が増して行く感覚がする

「救えたのなら、それでいいさ」


「くくっ、気持ちはありがたく受け取るものじゃよ…さて、そろそろ目覚める時間じゃ」


「そうか…また会おう」


「何、主の刀のじゃから別れを言う必要もないじゃろ?」


「その姿の方が親近感が沸くだけだ、じゃな」


「…うむ」


ゆっくりと、意識が白く染まって行く中俺は目閉じた…


「全く…何処までも似おって…」


もし、誰かが聞いていたらその声は哀しそうに、そして、嬉しそうに聞こえただろう


「んん…

窓から差し込む朝日が顔を照らし眩しさからゆっくりと鳴らす様に瞼を上げる、上半身を起こしては周りを見渡す、壁に黒桜が立てかけてあり何時もの自分の部屋だ


「蒼炎桜…か、彼奴にも期待されているという事、か…」


ベッドから出ては何時もの服に着替え、部屋から出る


取り敢えず、食堂に向かおうと思いその方向に足を向けると


「ぶっ殺す!燃えろぉぉぉぉっ!!!!」


「はーはっはっー!!!当たらん!当たっても熱くないのだよ!」


少女の怒鳴り声と煽る様に叫ぶ男の声、そして爆音


「…朝から元気だな、おい」


誰もいない空間に突っ込みながら原因に検討を付けつつどう止めるか思考する、結果


「しょうねん、まじ、おに、あくま」


「まぁ、フォルカ達が来たらこうなるとは思っていた」


食堂にてばらばらにしたキラーメイルをハンナからもらった耐衝撃瓶に詰め込んでテーブルに並べている


「おはようございます、シオン様。それと捕まえて下さりありがとうございます」


「シオンさん…あれを捕まえられるんですか…」


「え、え?何がどう言う状況…?」


素晴らしい笑顔のニルヴァと嬉しそうにどうしてやろうかと悪い顔をするラリサ、一人困惑しながらチョコが練り込まれたパンを頬張るフォルカ


「不意打ちだ、後俺は悪魔でも鬼でもない」


「嘘をつけぇ!これが人間のやり方かぁあぁ!?」


「瓶に詰めているのに普通に会話が出来る程の声量って…凄いわね…」


焼いたパンにミニトマトが盛り付けられたサラダ、コーヒーが淹れられたカップを木製のトレーに乗せたアナンが興味深そうにキラーメイルを見つめる


「そんなに見つめられると照れちゃうなぁー、あははは!」


カタカタと腕を動かしながら笑い出すキラーメイルにアナンはうんうん、と頷きながらフォルカの隣に座る


「そうだ…ルインさんが教えてくれた塩水の刑にしよう!」


厨房に走っていくラリサ、多種多様のパンを大量に処理して行くベル、その隣には驚きの顔で様子を眺めるルインの姿


「…賑やかになったな…」


(嫌いではないじゃろう?)


「ああ、嫌いじゃない。寧ろ好きだ」


「?、どうかしましたか?」


黒桜と会話していると首を傾げるニルヴァ


「いや、何でもないさ。少し新しい物に挑戦しようと思ってな」


「新しい物ですか…?」


「ああ、時間はある。力を付けておきたくてな」


「シオン、後で手合わせお願いできるか?」


「ああ、問題ないぞ。フォルカ」


「わりぃな、ありがとうっ!」


張り切るフォルカに塩水を取ってきたラリサが不思議そうな顔をしながら、暴れる瓶に注いで行く


「んぎゃぁぁぁぁぁあぁぁ!!!」


朝の食堂は非常に賑わっていた





魔王城中庭に移動しては黒桜を引き抜き、いつもの人形に下段構えを取る

瞳を閉じ、深く息を吐き出す、体内の魔力と気力を結合させ黒桜に纏わす…イメージするは黒桜が見せた蒼炎…斬るではなく、燃やし尽くす…息を吸い込み、一気に切り上げる、ゴォォ!と音と共に蒼炎の刃が人形を捉え、転倒させる


「…流石にあそこ迄の火力は出ないか…」


(初めてにしては上出来じゃよ)


「上手く扱えるようにするさ」


そう伝えながら黒桜を収め、居合の構えを取る


「…ほ、炎」


「あれで剣技なのよねぇ…」


フォルカとアナンは驚きの声を上げながら、少し離れた所から見学している


「ふっ…!」


今度は居合の構えから振り抜く、鯉口から蒼炎が迸り刀身へと伝わり人形に叩き付けられる


(ほほぅ…先より威力が上がったのう。もう少し多めに込めてみると良い…消費は多いかも知れぬが威力は予想以上になるはずじゃよ)


「さっきより炎が大きい…重力飛ばしてみるか…あれ?もうやったっけ…?」


「うーん…私もまた、魔具が作れるようになればなぁ…こう…矢を連射できるような」


「おい、人の訓練見て何で落ち込む、と言うより何でもかんでも飛ばすな」


なぜか落ち込む二人に苦笑いしながら人形を差し出す、キラーメイル風に変えてあるとは言えない


「…なんかやる気が出て来た、よし!」


その日、中庭ではキラーメイルがボコボコにされて居ると言う噂を耳にした本人が登場し人形ではなく気が付けば本人が追い回されていた。と言う


「なんでじゃぁぁぁぁぁぁ!?ちょーーーっと、煽っただけじゃん!?」

楽しめたでしょうか?いや、楽しく書くのは大変です…

最新話の一番下に評価を付けれる項目があると思うのですが、ぜひぜひお願いいたします!

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