王都ファーベル 冒険者失踪事件8
おはようございます。こんにちは。こんばんは!
雪月花です!
クライマックスですよ~!それではよろしくお願いいたします!
フォルカとラリサが機兵を破壊し歩き、ベルとアナンが魔導核へと向かっている頃、シオンとルインは既に魔導核へと辿り着いていた、分厚い障壁の中胎児の様な姿で眠る機兵は魔導核を抱いている、黒髪の軍服を着た女性が胎児の横に立っている
「ほう…機兵の中を掻い潜って此処まで来たか…ふん、冒険者風情の中でも優秀な奴のようだな」
女はこちらを見ては吐き捨てるように言いながら振り返る
「…お前は誰だ?」
ルインを庇う様に前に出ては黒桜に手を掛けながら問い掛ける
「はっ!名乗ると思うか…?」
「お前が帝国軍の人間なのは分かるがな…大人しく捕まる気はあるか?」
「もう目的は果たしている…お前は私を捕まえる事よりも大事な事があるんじゃないのか?」
にやりと嫌な笑みを浮かべる女、横の胎児の異形に何かしらの術式が送られると目を閉じていた胎児が真っ黒な瞳が開く、同時に周りから無数の機兵が取り囲むように現れる!
「私からの贈り物だ、せいぜい楽しんで行くといい…ふふ…」
空間に亀裂を出現させると女は其処に飛び込み姿を消す、胎児が泣き叫ぶ前に俺とルインは同時に沈黙の魔法を発動させ鳴き声を防ぎ、会話を念話に切り替える
「ルイン…後ろに、バックアップは任せる!」
「えぇ…!任せなさい!」
ルインの周りに複雑な術式が無数に展開され、歌の様な詠唱が始まる
「我、契約せし者に力を守護を…この瞬間を終えるまで与えん!ラスト・シャープネス!(最終攻守強化)」
ルインの強力な補助魔法を受けると黒桜を抜き放ち、目の前の機兵に駆け出す
今は鬼哭を使用しない…ルインの祝福と剣技のみで破壊する…!
「絶技…燈桜…!」
剣を振り回す機兵の懐に飛び込めば、X字に胴体を切り裂き、横通り抜けながら滑り込むように槍を持つ機兵の下を滑り抜ける
「はぁぁっ!」
槍持ちの背後に回り込んでは渾身の突きを核に叩き込む!
核を砕くと機能を停止し、膝からがっくりと機兵は倒れる、緑色の血液が舞う空間の中、黒桜を煌めかせながら速度を上げてルインを守る様に無数の斬撃が繰り出す!
魔物の異形、人の異形、魔族の異形…あるとあらゆる種類の異形を斬り伏せて行く!
(主よ!右から来るぞ!)
(分かっている!くそ!多すぎる!)
四方八方から迫る凶悪な爪を槍を剣を高く跳び上がり回避する!落下しながら旋風の様に高速回転しながら機兵の腕を斬り飛ばし一気に離脱する
「腕を飛ばしても戦意が消えないのはお前らぐらいだな…!」
(主、あの赤子の機兵…早々に討たぬとまずいかも知れぬ)
(だろうな…どう考えてもあの讃美歌の強化版の可能性がある)
黒桜を下段に構え、鬼哭を発動させようとした瞬間…
「うぉぉぉぉぉ!!!!」
叫び声と共に大量の機兵を力任せに放った重力の斬撃で薙ぎ払うフォルカが飛び込んで来る!
「閃光よ、闇を切り拓く剣となり、顕現せよ!ホーリー・ブレード!」
更にラリサの魔法が撃ち漏らした機兵を切り裂き、聖なる刃は胎児の障壁にぶつかるが剣が折れ光の粒子へと却ってしまう
「間に合ったみたいね!」
「大丈夫か!?」
多少の擦り傷を負っているものの元気そうに叫ぶ二人にルインはくすくすと笑いながら本来の姿に戻り煌びやかな紫色の髪を解くように揺らしては二人に笑いかける
「る、ルイン様!?」
「え、ぇぇ!?」
「すまないが、話は後だ。奴をどうにかしないとな…!」
驚く二人に声を掛けながら黒桜を構え直し、鬼哭を発動させる、意識が飛びそうになるのを唇を噛んで繋ぎ止めては亡者共の戯言に感情、吞まれぬ様に自信を鼓舞する声を聴く…
「あいつを仕留める。いくぞ…!」
「「はい!」」
ラリサの魔法が、フォルカとシオンの剣技が機兵を蹴散らす!数を少しづつ減らす、胎児が此方を見つめながら声を発した瞬間『空間が爆ぜる』
「くぅ…!?空間が…爆発した!?」
「無事か!?」
「あ、ああ!」
再び胎児が声を上げると機兵を巻き込みながら攻撃を行って来る!
「ちっ!フォルカ一旦下がるぞ!」
「ああ!」
近付けないと判断し、ルインとラリサの前まで引けば胎児を睨み付けながら正眼に黒桜を構える
「遅れた」
「爆発音がしたから…飛んで来たわ」
このタイミングで心強い声が聞こえる、アナンとベルが合流し胎児と睨み合う
「ルイン、奴の爆発を一回だけ防げる障壁を張れるか?」
「…出来なくはないわね…でも、接近して奴を包んでる障壁を突破しないとダメージは与えられないわよ…?」
「構わない、フォルカ…ルインの魔法が掛かったら奴に全力で重力を叩き込め、障壁に負荷が掛かった所…斬る」
「わかりました…巻き込まれないでくださいね?」
「安心しろ、そんなへましない」
お互いににやりと笑いながら武器を構える
「私とベルは機兵を狩るわ!邪魔はいない方がいいでしょうし!」
「ん…!」
冷たい光を放つ銀色の剣…アナンが持つリングウェポンの中で最も強力な剣…アロンダイト
両手で握りながらベルの召喚した漆黒のリビングメイル達と機兵を足止めする!
「ラリサ、私の詠唱を往復して?」
「は、はい!」
「ふふ、じゃ、始めるわね…「城壁の如く強固な守護よ、汝が為に顕現せよ…!イアド・パデュース!」」
「「うぉぉぉぉおっ!!!!」」
ベルとアナンが道を切り拓き、シオンとフォルカが疾走する!
鬼哭を発動させたシオンに重力による加速を付加したフォルカが並び走り抜ける!
「破れろぉぉぉぉっっ!!!」
「―――――――!!」
フォルカがレーヴァテインを振り下ろし胎児が発生させる音衝撃ごと超重力と業火を叩きつける!
胎児の攻撃によりイアド・パデュースが破壊されるが、構わず黒桜を抜刀しながら攻撃を受け止める障壁に突撃する様に走り込む!
「燈雷…!」
黒桜に灰黒色の魔力が纏わり、無数の斬撃を叩き込み障壁ごと胎児を切り裂く!
「!!!!!!」
止まらぬ斬撃に鳴き声すら出さなくなった其れは限界を超えるダメージにより魔導核が粉々に砕ける…
魔導核を失った胎児は紫色の光に包まれながら白い粒子となり天へと消えて行く…
「はぁ…はぁ…終わった…か?」
倒れかける身体を黒桜を支えに歩き出す、フォルカが大の字に倒れ青く綺麗な空を見上げなら笑っている
「倒しましたね…」
「ああ、ふ…いい加減慣れない敬語は止めておけ」
いつか言おうと思ってた事をフォルカに伝えると苦笑いしながら、頭を下げて来る
「すまん、助かるよ」
「構わん」
倒れているフォルカをラリサ達に任せれば、近寄って来るルインを見る
何も言わずに嬉しそうに微笑む彼女に、俺は自然と笑い返していた
自分で書いてるけどルイン押し
はい、いかがだったでしょうか?
それでは次回また会いましょう!