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Paradox-魔王姫を守護するは召喚されし剣士-  作者: 雪月花
始まり、王都ファーベル冒険者失踪事件
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スラム街に潜む者

おはようございます。こんばんは。こんにちは!

雪月花です!

小説の方よろしくお願いいたします!

東区、スラム街で起きた機兵(キメラ)の襲撃をアーロンに報告する為にギルド長室を訪れていた。偶然にも怪我人を保護しギルドに連れて帰って来たウォルカ達と合流する事が出来た、なんでも俺達を探すのにスラム街に入った所、BランクとCランクの計三名の冒険者パーティーが機兵(キメラ)と戦闘をしていたらしく、怪我人はその冒険者達らしい


「なるほどねぇ。東区を根城にして王都内部で狩りをしているのか、あそこは頻繁に出入りしたりすると騎士団が文句言ってくるからなぁ」


「住民を守る為に調査に入ると言えば良いんじゃないのか?」


「普通の人間の感覚ならね、俺達冒険者は戦争には貴重な人材だけど、普段は邪魔なのさ。国を潰せるほどの戦力を持ってるからね、要は嫌がらせ。それに、スラム出身者とスラムの住民は国民としてみてないのさ。あいつら」


心底嫌な顔をしながらアーロンが溜息を吐く、スラムを守ろうと動けば国からの妨害。それでいて、スラム街には帝国が潜伏している可能性がある…


「…まるで、王都の政府が帝国と手を組んでるみたいに見えるわね」


「いきなり核心を突く事を言わないの。確かにそう見えるし、そうとしか見えないけど…証拠が無い」


『あの、老いぼれ共は私腹を肥やすのに一生懸命なのさ』と言いながら、腕を組んで考え込むアーロン。そこに…


「すいません、遅れました!」


勢い良く扉が開き、ルーを先頭にウォルカ達が入って来る。アーロンの前で敬礼をしていた


「はい、ウォルカ君。金10枚置いて行ってね」


「はい!…はい?!」


聞き返すウォルカにお腹を抱えながら爆笑するアーロン、だが、その笑いも何時までも続く事は無く…にっこりと笑いながらそう言うアーロンの脳天に分厚い本が強烈な音と共に突き刺さる


「ふぎゃぁつ!?」


そのまま後方に吹き飛んで行き、紙の束や積まれた本に埋もれる、辛うじて足だけが生えている形で見え、ひくひくと動いているから死んではいないようだ


「Bランクの冒険者二名とAランクの冒険者一名を報告にあった倉庫に見張りとして手配しました。何かあった場合はすぐに報告が売るはずです。…イレギュラーが無い事が前提ですが」


アーロンをから本を抜き取り、ルーが一つのメモをラリサに手渡す


「それと、これは私が考えた新型の機兵(キメラ)に有効だと思われる魔法です。目撃情報や実際に交戦し生還した冒険者の証言から作りました。ですが、本当に有効かどうか試していません。本来であれば実験を行ったのち全ての冒険者に配布する物…しかし、現在この事件をクエストとして引き受け。自由に動ける強力な戦力はあなた方だけ…実験の様になってしまい申し訳ありません」


「そ、そんな事ありませんよ!?…新型はどんな機兵(キメラ)なんですが…?」


「讃美歌を謳う口しか持たない機兵(キメラ)だそうです。その讃美歌には聞いた者を麻痺させ、催眠状態に陥れるそうです。動け無い獲物は、その機兵(キメラ)に捕食される。そう報告が上がっています」


それを聞いてメンバー全員の顔色が変わる、つまり。抵抗も出来ずに生きたまま喰われると言う事だ


「むごいな…」


「えぇ、帝国らしい殺し方です。その魔法は讃美歌を聞かない様にする物、外部の音を遮断する効果があります」


「その機兵(キメラ)が現れたら使ってみよう、ダメなら逃げるしかない」


「逃げれる…のかな」


「…聴力が無い者には効かない」


ベルが本を見せながらそう言っては一同が納得する。…どういう事だ?


「ベルは死霊使いなのさ。だから、その機兵(キメラ)が現れても召喚に成功していればどうにかなるかもしれない」


ウォルカの説明に何となく納得する、死霊使いと言う物が何なのか分からないが。ベルが一番対抗策として優秀と言う事だろう


『死霊使い(ネクロマンサー)と言うのはのう。幽霊やそれに近しい魔物を従えて戦う冒険者の事じゃよ。数は少ないし、希少な人材じゃな。機兵(キメラ)と違う部分は無理矢理縛り付けているか、了承を得て戦って貰って居るかの違いじゃな』


黒桜の説明を心の中で相槌を打ちながら聞いて行く、聴力が無いと言うのはそう言う事らしい



アーロンを放置して部屋を後にしては、ルーからもらった魔法を試してみる事に、事前の確認は大切だ


「これは、凄いな。全く聞こえない」


周りで『どう?』とルインが聞いて来るが声は聞こえない、口の動きで会話は出来るが


『意外な技術じゃな』


(気が付いたら出来る様になっていたんだ)


それにしても…防音魔法か。戦闘中に人間に掛ける事が出来れば意外と使えるかも知れないな


「解除すれば周囲の音が聞こえるのね。これって自分が出す音を消せる様に改造したら優秀な魔法じゃないかしら?」


「…サイレントキルでも狙うつもりか?」


ラリサの何気ない言葉に冷や汗を流すウォルカ。もしも、それが出来ればウォルカがラリサに殴り飛ばされている図が簡単に想像出来るな


「元の魔法はあるし、ちょっと弄ればできそうよ?」


アナンが続けてそう言うとベルも頷く


「ま、まぁ。それは後で話そう、何か連絡が来るまで解散でいいか?」


「そうね…見張りの冒険者から連絡が来るまでは準備をして待機しましょう」


見張りの冒険者か、アーロンが手配した冒険者なら大丈夫だろう。ただ『動ける冒険者が少ない』と、言うのは気になるが…、いや、今はそんな事よりも機兵(キメラ)達に集中すべきか


「ねぇ、シオン。ちょっと聞きたい事があるんだけど、いいかしら?」


「構わないが…?」


「えっとね、その、機兵(キメラ)と戦った時に違和感があってね」


「違和感?」


「うん、シオンが機兵(キメラ)に斬りかかった時に使った剣術?が、あまり良い雰囲気がしなかったから…何か問題がある術なのかなって」


燈桜の事か…確かに、怨念の様なモノを使っているからな


『ふぅむ、感覚が鋭いのう』


「特に何もない。俺は元気だろ?」


ぽむっと、ルインの頭に手を置いて見つめると顔を逸らされた。しまった、ついやってしまった


「…そう。なら、いいのだけど」


「すまない。村での癖だ」


慌てて手を離して謝ると、気にしてないよ?と首を傾げられた。後ろで凝視しているウォルカを軽く睨むとラリサにグーパンされて倒れていたが…どうでもいいか。と言うより、見るな。それから、しばらくウォルカ達を混ぜ、雑談に華が咲いた。途中ルーも混ざり周りの冒険者達の注目を浴びたが…何だったんだろうか?


「…結構話し込んだものだな」


「そうね、ずっと緊迫している訳にもいかないから…丁度良かったわね」


先程の余韻が残っているのか妙にテンションが高いルインに頷く


「…異常が無ければ明日の朝、冒険者達と倉庫を包囲して調べる事になってる。だが、朝までに異常が起きた場合は俺達が行く事になるだろう」


「そうね…今の内に休んでおきましょ」


「そうだな、今は休もう」


そう言うと各々挨拶をして部屋へと戻って行く何も無ければ明日、恐らく帝国軍と戦闘になるはずだ

楽しんでいただけたら幸いです!

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