第38話 【グランドレイド〜その5】
「フィールド全体攻撃が来るかもしれない!
防御系のスキルがあるなら早く発動をっ!」
何らの確信があったわけではないが、綠水は大声で叫んだ。
GROUPチャットで投げかける余裕はなかった。
ある程度最前線を張っている冒険者にとって、特殊攻撃を持つモンスターとの戦闘は、とりたてて珍しいものではない。
モブモンスターでも周囲攻撃や範囲攻撃を持つものもいるし、レイドボスともなれば毒や麻痺、スタンといった異常状態付加の攻撃は当たり前だった。
貫通攻撃やHPデリードは、これまで対峙したモンスターでは経験することはなかったが、リリプラの仕様にはその存在はしっかりと明記されていた。
しかし、ターゲットを無視してフィールド全体にダメージを与える“フィールド攻撃”については、これまで存在が確認されていなかったし、仕様上も明記はされていなかった。
とはいえ、色々なMMORPGをプレイしてきている者であれば、そのような特殊攻撃があることは経験則上、当然に理解できるはずだった。
綠水は、状況から判断し、水龍のこの攻撃は“フィールド攻撃”だと直感で察していた。
そんな綠水の警告は、いったい何人の耳に届いていたのだろうか?
頭上から降り落ちてくる無数の氷柱に、冒険者達は周章狼狽し、蜘蛛の子を散らすように逃げ回るだけだった。
ターゲットなどは最早関係なく、フィールド自体を擂り砕くかのごとく降りそそぎ続ける氷柱は、全ての物を灰燼に帰す空爆のようだった。
氷の凶弾が、無差別にレイドゾーンを破壊し、且つ、平等に全ての冒険者のHPを削りにかかる。
ひとつひとつの氷柱が身体に与えるダメージは、一撃確殺に至るほどの威力はなかったが、如何んせん数が多すぎた。
さらに、時折混じって降り落ちてくる不気味な色の氷柱があった。
経験則から、それが何らかの異常状態を付加する攻撃だというのは容易に見てとれる。
ある者は剣で弾き、
ある者は攻撃魔法をぶつけて相殺し、
またある者は盾で防ぐ。
ひとつ防いでも、続くひとつが身体を貫き、冒険者達のHPバーは徐々に削れていく。
地面が破壊される轟然たる爆音が空気を裂き、氷柱に貫かれた者の血飛沫が地面を赤く染める。
禍々しい色の氷柱の直撃を受け、毒に侵される者も出ている。
レイドゾーンは阿鼻叫喚の地獄と化した。
「ロックアローォォォ!」
岩の矢をぶつけて氷柱を迎撃する綠水。
もう何発、魔法の矢を射掛けたか分からない。
終わらぬ空爆で舞い上がった土煙りが眼路を奪い、辺りの様子を伺い知ることを許さない。
氷柱の破壊音とスキル発動の音に混じって聞こえてくるのは、叫声と怒号と叫泣。
そして、決して聞きたくない死を告げる音も混じる。
襲いかかる凶弾を防ぎ切れなかった者
受けた凶弾に耐え切れなかった者
音に聞くだけでも、複数人が紫色の結晶を散らしてこの世界からリタイアしたというのが分かった。
だが、気にかける余裕は全くない。
誰もが自分の身を守るだけで精一杯だった。
「ぐっ……」
魔法の矢の迎撃をかいくぐった氷柱が綠水の右腕をかすめた。
不気味な紫紺の氷柱がHPバーを削るだけではなく異常状態を付加してくる。
毒のバッドステータスが表示された綠水だったが、落ち着き、慣れた様子でユーザインタフェースを展開して、アイテムバッグから毒消草を選択する。
常にソロでの戦闘を念頭に置く綠水は、一瞬の選択ミスが死に直結することを理解している。
クラレンスのように動揺して冷静さを失うことはなかった。
「いつまで続くんだ……」
綠水は肩で息をしながら呟いた。
水龍の強大な魔力が紡ぎ続ける氷の牙は、全てを洗い流すまで降り止むことはないのかと思えてくる。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
何百……いや、何千もの氷の牙がレイドゾーンをすっかり洗い流した後に、立っていられた冒険者は、25人だけだった。
58人いた攻略部隊は、ついに半分以上が生命を散らせたことになる。
「これ以上は無理だ!
イングリッド、早く撤退の決断を!」
既に遅すぎるほどだったが、最早、綠水に逡巡はなかった。
これ以上は、戦闘を続けても全滅必至。
それは誰の目にも明らかだった。
しかし、攻略部隊の偉大なる指揮官、アマテラスの自称第一信者の戦闘意欲は、一欠片たりとも失われていなかった。
「撤退は許さん!」
イングリッドはHP回復薬を呷りながら、大声で凄む。
くっ……こいつ、本気で全員を死なせるつもりなのか?
綠水にはイングリッドが気が狂ってしまったとしか思えなかった。
狂人を説得することを諦めた綠水は、他の冒険者達に叫びかける。
「アインスウィルさん、真理の扉のメンバーだけでも撤退を!早くっ‼︎」
「綠水くん……ダメなの!
縮地門は全部イングリッドさんが持ってるの!」
「なんだって⁉︎」
綠水は耳を疑った。
思えば、このグランドレイドゾーンを最初に発見した件のタクト達パーティーもそうだったが、いまのリリプラでは移動アイテムをリーダーが管理するのが当然の習わしかのようになってきている。
ゲーム時代と異なり能縮地脈門が簡単に手に入らなくなり高騰していることに起因するのか、はたまた、敵前逃亡を許さないという軍隊的規律に起因するのか……
「どいつもこいつも……
バカばっかりなのか⁉︎」
理由が何であれ、“本当に死ぬ”いまのリリプラで、戦闘離脱の手段を他人が握っているという愚策が蔓延っていることに対し、綠水は憤りを隠せなかった。
とにかく、このままでは間違いなく全滅する。
一瞬の躊躇も許されない。
綠水は、自分のパーティーメンバーだけでもこの戦いから離脱させることを選択して指示を出す。
「クミルファス、シータ、以蔵、撤退だ!
早く縮地門を発動させろ!」
「あかん!アイちゃんらを置いてはいけん!
うちがみんなに縮地門を配るっ!」
クミルファスから返ってきたのは、当然と言えば当然の返答だった。
綠水自身、自分のパーティーメンバーの離脱を確認した後、アインスウィル達に縮地門を配って回る腹づもりでいたのだから、彼女の返答は、ある種、予想していたとおりのものだと言えた。
シータも以蔵も、綠水とクミルファスに向けて無言で頷いている。
パーティーメンバー全員が同じことを考えているのは、言葉を交わさずとも分かった。
彼らは全員、同じタイミングで駆け出した。
アインスウィル達、真理の扉のメンバーに縮地門を手渡すために。
そのとき、生き残るための綠水達の抗いを嘲笑うかの如く、水龍が高らかに吼えた。
『無駄じゃ……
死ねい!』
水龍が空に向けて大口を開くと、膨れ上がった魔力が再び空気を裂きにかかる。
放出された冷気が広間の天井を凍らせ、第二波用の氷の牙を次々と生み出していった。
連続のフィールド攻撃が、潰れかけながらもうごうごと這いずり回る虫螻どもにとどめを刺しにかかる。
再び冒険者達の頭上から無数の氷柱が降りそそぐと、早速に紫色の生命の結晶が幾つか弾け飛んだ。
能縮地脈門を配って撤退する!
綠水達のそんな細やかな願いも、グランドレイドのボスが慈悲深く許し見逃すはずはなく……
容赦ない蹂躙が始まった。
パーティーリーダーであるクラレンスを失っている副壁パーティーとイングリッドの主壁パーティーは、最後のMPを費やしてアインスウィルが発動させた聖なる障壁に護られたが、壁パーティーと離れて展開していた火力パーティーは丸裸で凶撃に曝され続けるしかなかった。
魔法使いのファーガスは魔法をぶつけて相殺し、
サムライのエルバートは刀で斬り落とす。
火力パーティーのリーダー達は一心不乱に氷柱を迎撃し続けたが、足りぬ手数をかいくぐった氷の牙が瀕死のパーティーメンバー達を次々に貫いていく。
ファーガスとエルバートのパーティーにはそれぞれ、真理の扉のヒーラーが置かれていたが、彼女達の高い回復量のヒールをもってしても、無数の氷柱が弱き冒険者達のHPバーを削る速度に追いつかない。
一人、二人と紫色の結晶を弾け飛ばして、この世界から退場していく。
水龍のフィールド攻撃第二波がレイドゾーンをすっかりと洗い流し終わると、火力パーティーはほぼ全滅していた。
辛うじて生き残ったのは、ファーガスとエルバートの2人だけで、真理の扉のギルメンにもついに犠牲者が出た。
「ごめん……
ごめんねぇぇぇ!」
術もなくギルメン二人が死にゆく様を見ているしかできなかったアインスウィルは大泣きしながら座り込んだ。
まさかの連続フィールド攻撃で蹂躙され尽くした攻略部隊。
生き残ることができたのは、たったの15人だけだった。
壁パーティーの生存者は、
イングリッド
アインスウィル
イツキ
イオリ
その他に天照騎士団の壁職5人
火力パーティーの生存者は、
ファーガスと
エルバートのみ
綠水達遊撃パーティーはなんとか全員が生き残っている。
そして、辛うじて生き残ることができた面々も、アインスウィルの無効化魔法に護られていた壁パーティー以外は、全員が瀕死の状態だった。
綠水とクミルファスのHPバーも既にレッドゾーンまで削れていた。
シータと以蔵は、あろうことか麻痺氷柱を受けて動けなくなっている。
「イングリッドォォォ!」
大量の血を流しながら、綠水は声にならない叫びを上げた。
「我らアマテラスの子に敗北の二文字はない!
いまこそ、主神のご加護を信じるのだ!
奇跡は必ず起こるっ!」
まだまだ豊かなHPを満々に湛えながら、狂信者は世迷い言を発し続けている。
相変わらず、縮地門を配るつもりはなさそうだった。
「突撃しろおぉぉぉおぉぉお‼︎」
イングリッドは自分のパーティーで生き残った天照騎士団の壁職2人の背中を、文字通り蹴り飛ばし、否応なく特攻を促した。
最早、策も何もない。
きっと神風特攻隊というものは、こんな気分だったのだろう。
涎と涙を撒き散らしながら、突撃してくる2人だけの特攻隊に対して、汚い物でも見るような眼光をくれると、水龍は凍てつく息吹を吹きかけた。
「「アマテラス万歳ぃぃぃぃぃぃ‼︎」」
この世界に何ら名を残すこともなく、2人の冒険者は最期に美しい結晶を弾けさせてみせた。
「クミルファスだけでも逃げてくれっ!
頼む……頼むっ‼︎」
綠水は懇願した。
脳髄が割れるように痛んだ。
「あかん!
みんなを置いてはいけん!」涙を流すクミルファス。「綠水ちゃんこそ逃げて……」
「シータっ!以蔵ぉっ!」
シータと以蔵を見ると、地面に俯したまま動けないでいる。
彼らの麻痺が解ける様子はない。
「綠水、早く逃げろ……」
「綠水兄ちゃん……俺は平気だから逃げてよ」
「バカヤロウ!
待ってろ、いま麻痺消草で動けるようにしてやるから……」
綠水はユーザインタフェースを展開させ、自分へのHP回復薬ではなく、二人への麻痺消草を選択する。
そのとき、頭上からグランドレイドボスの無慈悲な声が投げつけられてきた。
『脆いのう……脆すぎるわっ!
汝等のような脆弱な存在が、我を討伐とはのう……
己の烏滸がましさを理解したか!小虫どもがっ!』
ひときわ神々しく怜悧な眼差しで綠水を睥睨する水龍。
『これぞ、神をも畏れぬ汝等自身の不遜が招いた結末と知れ!
神に畏まりながら死ぬがよい!』
そう引導を渡すと、水龍はぐいんと尻尾を空に振り上げ、鞭のように反動をつけて叩きつけてきた。
尻尾は倒れたまま動けないでいる以蔵を捉えていた。
「届けええぇっ!」
水龍の攻撃が以蔵を狙っているのを見て、エリアル・レインフォースを発動させた綠水は、風に乗って水龍の凶撃の真下に無理矢理割って入ろうとする。
だかしかし、刃ひとつ届かない!
水龍の尻尾が地面を砕き割ると、地響きと土煙りが舞い上がった。
「嗚呼アァァァァアァァァァッ!」
“また”オレの所為で人が死んだ……
綠水は虚しく絶叫した。
「まだやで!綠水ちゃん!」
土煙りが晴れぬ中、声の方向を見やると麻痺の解けない以蔵を抱えるクミルファスの姿があった。
綠水よりも近くに位置どっていたクミルファスが間一髪で以蔵を助け出していたのが見えた。
「クミルファス!以蔵っ!
よかっーー」
ーーどすっ
綠水の安堵感を一瞬で縊り潰すかのように、彼の眼の前に何かの塊が落ちてきた。
嫌な予感を覚えつつ目をやると、人の膝から下のパーツが転がっていた。
その横には、綠水達の絆の証、はみタコ君の缶バッジも真っ赤に染まって落ちている。
「下手うった……
ごめん……」
苦悶の表情で声を絞り出すクミルファスの右脚は、下半分が千切られたように欠損している。
彼女のHPバーは、赤い線が一本、辛うじて見えるところまで毀損していた。
「クミルファス‼︎
お願いだから逃げてくれぇぇ」
恥も外聞もない。
綠水は涙を流しながら、もう一度懇願した。
「あかん、あかん!
綠水ちゃんは残る気なんやろ?
アイちゃんも逃げれん状態やし……
うちだけ逃げたら女がすたるやん!」
クミルファスは激痛に顔を歪ませながら、強がってみせる。
涙を流しながら踵を返す綠水。
「イングリッドォォォ!
アインスウィルさん達に縮地門を!
頼む……」
無様だろうが何だろうか、彼にはもう懇願するしか術がなかった。
「何を泣いておるかっ!この腰抜けがっ!
ここで逃げるくらいなら、主神アマテラスのために死んでみせるわ!
ゆけい!エルバート!」
綠水の懇願を歯牙にもかけず、イングリッドは再びギルメンに特攻を下知した。
「ははあっ!」
死を覚悟し、涙ながらに特攻するエルバート。
「アマテラスの奇跡よ此処にぃぃぃぃぃぃっ!」
奇跡も神風も顕現することはなく、凍てつく息吹を真正面から喰らって散るだけの無意味な最期だった。
次々と生命を散らしていく、ちっぽけな存在たち。
ーーまた奪われる
ーーまた助けられない
ーーオレの弱さがまた他人を殺す
綠水は激しさを増す脳髄の痛みを押し殺しながら嗚咽した。
頭の中であのいつもの“蓋”がガタガタと暴れ出しているのが感じられる。
ーー無力な存在……
ーーオレたちはここで死ぬしかないのか……
綠水の心根を絶望と憎悪が侵蝕し尽くしかけたそのとき!
あの女神の声がしたように感じた。
綠水を認め、力を託してくれた戦女神。
『不条理と思うなら、最後の最後まで抗ってみせてみよ』
あの日、エドの街の太鼓橋で女神カーリーから受け取った言葉。
『最後の最後まで抗えよ?綠水……』
カーリーの言葉が綠水を激しく突き動かす。
綠水はおもむろにユーザインタフェースを展開してアイテムバッグを開く。
選択したのはHP回復薬ではない。
MP強化薬
MP強化の巻物
を選択して自身に使用する。
MP強化薬の効果で最大MPが50%増加。
MP強化の巻物の効果で最大MPが50%増加。
合わせて、綠水の最大MPは通常の倍にまで膨れ上がった。
リリプラでは、同じ強化系アイテムを重複使用しても効果はないが、エンハンサーとスクロール、またはエンハンサーと強化系の魔法やスキル、これらを併用することはゲーム時代から可能だった。
しかし、生身でリリプラの世界を生きるいま、この使用方法は、ゲーム時代では体感することのなかったオーバードースを引き起こす。
全身に筆舌に尽くし難き激痛が走ったが、綠水は一顧だにせず、倍化した最大MPを満たすべく、さらにMP回復薬を服用する。
意識が飛びそうになるのを抑えるため、綠水が自身の太腿に黒剣を突き立てると、鮮血が飛沫となって噴き出した。
「な、なにやってんの⁉︎
綠水ちゃんっ‼︎やめてや‼︎
オーバードースで植物状態になったヤツもおるん知っとるやろ⁉︎」
クミルファスは顔面蒼白にして綠水を制止するが、その言葉は彼には届いていない様子だった。
片や、天照騎士団の団員は、偉大なるギルマスの指示で特攻を繰り返している。
エルバートに続き、一人、二人、三人と無意味に散っていき、天照騎士団の生き残りはギルマスとサブマスだけになった。
さすがのイングリッドもこれを悔いる表情を一瞬浮かべたが、彼の狂乱はそれでも止まらない。
「ファーガス!
何をぼさっとしておる?
真理の!
諸君らも突撃せんかあっ!」
イングリッドは、あろうことか生存者全員に特攻を命じ出した。
「イングリッド……
あんた、五月蝿いよ……
ちょっと黙ってろ!」
綠水は、指揮官の最後の下知を遮るように、本気の殺気を込めた言葉を静かに投げつけた。
それでも黙らないようなら、片腕くらいは本気で斬り落とすつもりでいた。
「ひ、ひっ……」
イングリッドが気圧され黙りこくったのを確認して、綠水は水龍の方へ向き直った。
「水龍……
お前の相手はオレがする」
『ほう?
預流者の才よ……
汝ひとりで何ができるというのじゃ?』
「神使だかなんだか知らないが……
人間を……なめるなよ」
綠水は水龍の問いかけに答えることなくスキルを発動させる。
「悪意の絡みつく蔦‼︎」
水龍のヘイトを自身に集中させた後、綠水は風のエンチャントスキルに乗って広間の最奥へと駆け出した。
仲間達からグランドレイドボスを出来るだけ引き離すのが目的のように見える。
「綠水ちゃん……ひとりでなんて無茶やっ!」
片脚を失った身体を引きずりながら、クミルファスが叫ぶ。
「綠水くん!私も戦う!」
アインスウィルは綠水を追って飛び出そうとする。
「誰もついてくるなっ!
オレを信じてくれっ!」
綠水は仲間達にその場で待機するよう強く促すと、そのまま広間の奥へ奥へと走り進んで行った。
ヘイトで釣られたまま、その後を水龍が舞いながら追う。
もしこのとき、水龍があと一回フィールド攻撃を行っていたら、間違いなく攻略部隊は全滅していただろう。
窮鼠猫を噛むことなど考えもしなかったのか?
それとも神の使いとしての余裕の姿を見せたのか?
何にせよ、結果として、水龍はフィールド攻撃ではなく綠水と一対一の戦いに興じることを選んだのだった。
まさに、吉凶禍福は時の運……
「オレは“今度こそ”みんなを助けてみせる!」
レイドゾーンの最奥まで到達した綠水は、壁を背負いながら静かに瞑想を始めた。
2017/08/19 02:41 文脈修正