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失恋  作者: 紀本 真利亜
6/9

日記

浮気がばれた男の詩です。失ってから気づく事有りますよね。

ずっとキミと一緒に住んでいたこの部屋


キミとの思い出しか見当たらない


二人で選んだ小さなお城


ずっとキミと暮らせていけると思っていたんだ


なのに気がつけばこの部屋に


僕一人



この部屋の全ては二人で見つけたもの


淡いピンクのマグカップ


色違いの赤と青のハブラシ


おそろいのパジャマ


少し大きな鏡


一つ一つに刻まれた二人の時間



キミは僕に尽くしてくれた


キミがいつも綺麗にしてた台所


僕のために買え置きしてくれたタバコ


キミがたたんでくれた僕の服


一つ一つに触れたキミの温もり



部屋から失ってしまったのは


キミというかけがえのない存在だけ



悪いのは僕


キミを裏切ってしまったから



失ってから気づいた愚かな僕


キミがどれだけ大切な人だったのかを



小さなテーブルに置かれた一冊の本


キミが毎日記していた赤い日記帳


決して僕にはみせてくれなかった


キミの心の言葉



僕の手は自然に赤い日記を手に取り


キミの心の中を覗いてしまう


そこに記されていたのは過去の思い出


僕の記憶が鮮明に甦る


一緒に過ごしたその日その日を



二人の出会いに始まり


キミに告白した事 


初めてキミを抱いた日の事


キミと喧嘩した事


キミと僕の誕生日にあった事


二人で部屋を探した事


家具を選んだ事


旅行に行った事


街に買い物に行った事


キミの思い出は丁寧な字で書かれていた


時々可愛い絵も添えて



でも1ページだけ丁寧な文字が滲んでいた


ただ1ページだけ



僕が過ちを犯した日の事


きっと泣きながら書いたそのページ


痛いほど伝わる君の辛い気持ち


どんな思いで書いたのか


それがこの赤い日記帳の最後のページ


残りの白紙のページはまだあるのに



二人の思い出を途中で終わらせてしまった僕


僕が過ちを犯さなかったら


まだまだキミは続きを書く事が出来たのに


情けないほど小さな自分に気づく




僕は頬を伝う涙にも気づかず


キミの思い出が記された赤い日記を


胸に抱きしめてた





二度と戻る事の無い


大切な月日と最愛のキミ





僕は日記に願う



「時間よ戻ってください」と





叶わない事と知って





























乙女心は海より深く空より広いのです。軽率な行動は控えましょう。

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