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リンちゃん先輩、危ないです?!  作者: 珊瑚
モノ VS リンちゃん先輩
7/8

学生時代VSリンちゃん先輩

 リンちゃん先輩の武勇伝は社会人時代に留まらない。学生時代からその片鱗を見せつけていた。


「めちゃくちゃ寒い冬の日にね、学校の自販機であったかいココアを買おうと思ったのね」

「思った、ってことは買わなかったんですよね?」

「そう。冷たいココア買っちゃったの」

「……ドンマイ」

「でもね、この話にはいい続きがあってね!」


 これ以上状態が悪化する続きでなくて良かった。


「それを後ろで見てた同級生の男の子がね、横に立ってね、あったかいココアを買って」

「ほう?」

「あたしがあんまりにもズーン……って沈んでたんだんだろうね、『交換してあげる』って有無を言わさずひったくって交換してくれた」

「かっこいいな少年! なんだその青春!」

「全然接点ない人だったけど、あれはかっこよかったなあ」


 なんだなんだリア充め。そんな特典があるならドジも案外悪くない。


「良くないよ全然。ココアの件に関しては確かに美味しい思いをしたけどね?」


 ひとつため息をついたリンちゃん先輩。


「中学生の時は綱引きの綱を中央で踏んでおく係だったんだけど、『よーい、どん』で両サイドが引っ張られた瞬間、勢いで跳ね飛ばされて首を捻挫しちゃったってこともあったなー」

「それドジとかじゃない! 事故!」

「あと少しずれてたら首の骨折れて寝たきりだったんだって。それ考えると逆に運が良かったのかなあ」


 笑える話と笑えない話があるだろう。本当にリンちゃん先輩は心臓に悪い人生を送ってきたと言える。



「ドジというよりは、これも運が悪い話なんだけど……」


 また思い出した、とリンちゃん先輩はぽんと手を打った。



「椅子の上にさ、のりが立てて置いてあったことがあってね」

「ああ、よくあるイタズラですね。座る人のお尻にのりを刺すっていう下らない」

「そうそれ。まずそれを女子にやることが信じられないんだけど、お察しの通り引っかかったのよ」


 かわいそうに。


「それであたしが怒って、『もう!』って仕掛けた子に向かってのりを投げたら……」

「投げたら……?」






「たまたま窓際だったその子の席を通過して窓ガラス割った」



「ある意味凄い! のりが当たっただけでガラスを割れるとかある意味凄い!」





 弁償はその男子生徒と半分こだったそうです。

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