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リンちゃん先輩、危ないです?!  作者: 珊瑚
モノ VS リンちゃん先輩
3/8

黒い物体VSリンちゃん先輩

 それは、リンちゃん先輩がまだ売店の店員をしていた時の話だ。

 福楽庵の社員はまず、店員から内勤から色々なところをたらい回しにされる。そうやってどこのポジションでもヘルプに入れるように訓練してもらい、お互いの仕事を気遣えるようになるという狙いもある。


 その日のリンちゃん先輩の仕事は、お歳暮のシーズンであるのにも関わらず思ったよりも早く上がることが出来た。


「お先に失礼しまーすっ!」

 

 元気よくお辞儀をして事務所を出たリンちゃん先輩。とたとたとた……と足音軽く階段を下りる。



 その数秒後。








「きゃあああああああああ?!?!」







 恐怖の叫び声が全館にこだました。











☆☆☆






「え、それ、何が起こったんですか」

「……聞いちゃう?」

「いやむしろここまで言ったら聞くでしょ」


 ふっふっふ、と笑みをこぼすリンちゃん先輩。


「帰ろうと思うじゃん?」

「はい」

「靴履くじゃん?」

「はい」

「そしたらね、なーんか足の先がムズムズするのね?」

「……はい」

「でね、そのムズムズが上の方に上がってきたわけ」


 嫌な予感がする。


「それで……?」

「太もものところがなんかかゆいと思ったからね、スカートをパタパタしてみたの」

「はい」

「そしたらね!!」




 まさかとは思ったが、リンちゃん先輩は満面の笑みで続きをこう言い切った。


「靴から這い上がってきたと思われる黒々したゴキブリがポトって!! ポトって落ちてきたんだよね!!!!」

「えええええええ……」



 こんなことって早々ないよね、とからから笑うリンちゃん先輩。

 とんでもないオチに返す言葉も見つからず、私は口をあんぐりさせて話を聞いているしかなかった。



 その後普段は食欲旺盛なリンちゃん先輩が家に帰るなりお風呂を選択したのは、言うまでもないことである。

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