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リンちゃん先輩、危ないです?!  作者: 珊瑚
プロローグ リンちゃん先輩って誰ですか
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紹介します、リンちゃん先輩

 リンちゃん先輩とは、私の勤める職場、弁当屋「福楽庵」で一緒に働いている先輩である。


 本名、野々ののみやりん。社員寮に一緒に住んでいる八歳年上の、眉上ぱっつん前髪がトレードマークなかわゆい先輩だ。趣味は絵をかくこと、ピアノを弾くこと。学生時代は吹奏楽部でクラリネットも吹ける。


 特技は山犬と女の子と男の子ともののけが出てくる某アニメ映画のモノマネ。滅多にものを欲しがらなかった幼少期の彼女が誕生日プレゼントに主人公の付けていた不気味なお面をおねだりしたというエピソードもあるくらい、大好きだったようだ。


 大好きといえばみんなとおしゃべりしたり、ご飯に行ったりするのもそのうちのひとつ。しょっちゅう誕生日会や女子会を企画してはオシャレなお店へ繰り出しているらしい。


 ちょっと家庭には複雑な事情を抱える彼女だが、まるでそれを感じさせない底抜けに明るい笑顔は太陽のように周りを照らす。特に美味しいものを頬張っている表情の可愛らしさといったら私の持っている言葉では表現し尽くせない。

 例えるならひまわり。太陽に向かって大きく背伸びをする大輪のひまわりだ。


 よく気もきくし素敵なお姉様で、私の大好きな先輩の一人、なのだが……時々想像もつかないようなドジをやらかすことはもはや福楽庵名物になっている。


 先日も、仲の良い四人で食事を一緒にしに行ったのに、「席空いているか分からないから予約してくるね!」と言ってヒュン、と消えたと思ったら何を勘違いしたのか無意識のうちに『五人』と書いていたらしく、幽霊部員分の水が席に用意されてしまったという伝説が作られた。



「リンちゃんせんぱーい。眠気覚ましになんか面白い話してくださいよー」

「いいよー。何が聞きたい?」


 今日も私は彼女のもとを訪れる。


「手始めに黒い物体が体をはい登ってきた話でもする?」

「既に話の行方が怪しいんですけど……?」

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