第三話
僕たちは、シークさんから、新しい武器をもらい、あの村から西にある、アークリッドに向かっていた。
「そういえば、二人共、自分の技は決まった?」
と、ユウキが言った。そう、僕たちは、修行の途中で、各武器にあった技を考えていたんだ。
「ああ、技?決まったよ。」
僕は言った。
「僕はまだ決まってない。」
カイトは言った。
「へぇ、和也はどんな名前にしたの?」
ユウキは聞いてきた。
「うん。『一閃』っていう技にしたんだ。それは、抜刀術で、間合いを詰め、抜刀した瞬間に斜め上に斬る技なんだ。」
「へぇ、『一閃』か…いいね。格好いいじゃん。」
カイトが言う。
「うん。確かにいいね。」
ユウキも言った。
「ユウキは何にしたの?」
僕はユウキに聞いた。
「え、私は、『フレイムボウ』にしたよ。それはね、矢に火を纏わせて、相手に当たったたら、爆発させる技だよ。
ユウキはそう答えた。
「へぇ、ユウキのも格好いいよ。」
僕は言った。
「うーん、皆良いの作ったんだね。僕は全然思いつかないよ。」
カイトは言った。
「まあ、でも、戦っていけば、何か思いつくよ。」
僕は言った。
「そうだよ。カイトの槍捌きはすごい上手なんだから、技なしでも、十分戦っていけると思うよ。」
ユウキも言った。
僕たちがそう雑談していたら、
「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!!」
近くから、女性の悲鳴が上がった。
「ッ!!悲鳴!?」
僕は言った。
「よく分からないけど、とにかく助けに行かないと!」
カイトも言った。
「誰かが魔物に襲われたのかもしれないよ。気を付けて!」
ユウキが言った。
少し走ると、女性が魔物に襲われていた。
「くっ!間に合え!」
僕は全速力で魔物の前へ行き、そのまま魔物を斬り飛ばした。
「ギシャアアアアアア!!」
魔物は悲鳴を上げ、倒れた。
「大丈夫ですか!?」
僕は、女性に駆け寄り、無事を確認した。
「あ、はい、大丈夫です。助けていただいて、ありがとうございました。お名前を伺ってもよろしいでしょうか。」
女性は、僕にそう聞いてきた。
「あ、僕は、佐藤和也です。」
僕がそう言うと、ユウキ達が来た。
「大丈夫だった?和也。」
ユウキはそう言った。
「怪我はしていないよね?」
カイトも言った。
「二人とも大げさだなあ怪我なんてしてないよ。」
僕は言った。
「あのー、貴方達はいったい…」
その女性が言った。
「ああ、私は、和也の仲間のユウキです。」
「同じくカイトです。」
ユウキとカイトも自己紹介をした。
「和也さんのお仲間ですか。私は、ティーナ・アークリッドです。」
女性、ティーナさんは言った。
「え、アークリッドって…王家の人!?」
ユウキは言った。
「はい。アークリッド家の第二王女です。」
ティーナさんは言った。
え、王家の人っていうことは、王様に会えるチャンスだ!
「だったら、王様に会わせてくれませんか?」
僕は、ティーナさんに聞いた。
「父上にですか。何かご用件があるのですか?」
「うん、実は、僕達、真実の塔に行きたいんだ。」
僕は、そう言って、いままでの経緯を話した。
「なるほど、そんなことがあったのですか…わかりました。父上に掛け合ってきます。了承してくれるかはわかりませんが。着いてきてください。」
そう言われた僕らは、ティーナさんに着いていった。
「ふむ、お主らがティーナを助けた者か。娘を助けてくれたこと、感謝する。では本題に入ろう。お主らは、真実の塔に入るために王家の装備が欲しいのじゃろ?渡してやりたいのはやまやまなんじゃが、あれは、気軽に渡してはいけない代物じゃからなあ。」
王様が複雑そうな表情で僕らに行った。
「そこを如何にか出来ませんか?」
僕は、必死に頼み込んだ。
「うーむ、しかしなあ…そうじゃ、この条件をクリアしたら王家の装備を授けよう。」
王様は言った。
「条件?それは、なんですか?」
僕は王様に聞いた。
「うむ、最近、アークリッドのとある町で、原因不明の病が流行っている。これまでにも様々な医師が原因究明に努めているが、まったくわからんのじゃ。儂は、この原因は魔物による呪いだと考えた。そこでじゃ、儂が考古学者を送るから、そいつの手伝いと、魔物の撃退をしてほしい。それができたら、王家の装備をやろう。どうだ。受けてみるか。」
王様は、そう答えた。
「魔物の撃退か。どうする?二人共。」
僕は、二人に聞いた。
「うーん。これをやらないと、王家の装備が手に入らないから、やるしかないでしょ。」
カイトはそう言った。
「でも…」
僕は心配だったが、
「大丈夫だよ。半年もおじいちゃんの下で修業をしてきたんだから。」
という、ユウキの言葉で、僕の心配はなくなった。
「それもそうだね。王様、僕たちは、それを受けます。」
僕は自信を持って王様に行った。
「そうか。では、もう遅いから、今日はここに泊って、明日出発しなさい。」
王様は言った。
「わかりました。」
僕は言った。
そして、王宮で寝て、翌日、出発したのだった。