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クローバー(2)  作者: ディライト
第3章
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第3章―(3)

 午後十二時半、カントリーゾーンに到着。おもちゃの街からはまた打って変わってジャングルの中を歩いている気分になる。心地良く耳に入ってくる長閑なBGMに、あちらこちらで響く小動物や鳥たちの鳴き声。日本にもこんな場所があれば是非とも住みたいところだ。

「そういえば花咲から貰った招待券にここのゾーンのレストランの半額券がついてたぞ」

「ほんと? いろんなレストランがあって決められないし、そこにしちゃおっか」

 一葉には花咲が招待券をくれたことを知らせてあった。「カホとも一緒に行きたかったなぁ」と残念がっていたが、この面子+花咲じゃ今まで同居を隠していた意味がまるでなくなる。花咲には何故だか筒抜けみたいだが、一応形だけでも内緒にしておきたい。せめてもの抵抗である。

「えっと……、おおかなり高そうなレストランだ。半額券がなかったら絶対手だせん」

「なあなあオムライスあるのかっ!?」

「あるな。ビーフシチューをかけたやつが」

「おおお! 食べていい!?」

「おう、がつがつ食ってくれ」

 まぁどうせ俺の金じゃないし。

 そんなわけで、俺達は半額券が使えるレストラン、『フォレスト』へと向かうことに決めた。

 

「いらっしゃいませ〜!」

『フォレスト』は森の中に佇む木彫りのレストランというキャッチコピーの通り、心安らぐ雰囲気のあるレストランだった。ピアノのBGMがそれを更に増幅させる。笑顔で寄ってきた店員さんも、今までのスタッフとは違うコスチュームである。白のエプロンに所々に黄緑のラインが入っていて、胸元のポケットには小さな葉っぱが備え付けられている。

「何名様でしょうか?」

「えっと、四人です。……?」

 あれ? 四人だっけ?

「かしこまりました! 先にお席へご案内致します!」

 店員さんに促されて、俺達は森林のような雰囲気ある通路を歩く。そのあちこちでは、にこやかに食事を楽しむ人々の姿がある。こういう木々の生い立つ所は大好きだ。太い木を根本で切ったような椅子と、木目がつくテーブルの四人席に通されて、店員さんは素早い動きで水を持ってきてくれた。そして、

「ご注文お決まりでしたら、そちらのボタンでお伝えくださいませ!」

 と言って、軽くお辞儀をして掃けていった。

「雰囲気いいね〜」

「なぁ〜。なんかほのぼのするよなぁ〜」

 俺と一葉は顔を見合わせて、落ち着く雰囲気に酔いしれる。二葉と三葉はメニューを熱心に眺めながら、豊富なメニューに目移りしている。

 まるで平和な家族の象徴のような一シーン。

「ハルキハルキ! わたしはこれが食べたいぞー!」

 舌足らずな声をあげて、二葉はずばりとばかりにメニューの一つを指差す。

「サーロインステーキ二百グラム……、千六百円!?」

 たっけぇぇぇぇぇ!? なに、夢の国ではみんな金銭感覚おかしくなっちゃうの!? ここは夢だから醒めたらお金が戻ってくるの?

 正直半額でなければ絶対に手が出ない代物である。ていうか二葉オムライスじゃなかったのかよ。

 牛肉の驚愕のお値段に眼を剥いていると、三葉も俺の前にメニューを差し出してその中の一つを指差す。

「ブーさんのシーフードカレーライス……、千二百円!?」

 ブーさんの皿なだけで高すぎだろ!? っていうかブーさんはちみつ好きなのに全く関係ないな! ブーさんの真心でも詰まってるの?

 現実から掛け離れた事実に頭がショートしてきた。頭痛がしてきて目元を押さえていると、何故か近くで鳴りだすオルゴール調のウッキーマウスマーチ。その音の先に眼を向けると、二葉が店員を呼び付けるチャイムを押していた。

「ちょ、フタバまだそれ鳴らすな! 店員さん来ちゃうだろうが!」

「へ?」

 何もわかっていないような表情を向ける二葉。まだ何にするか決めてないのに!

「ど、どうしよ! 私もまだ何にするか決めてない!」

 一葉が俺のパーカーのフードを握ってゆっさゆっさと振りまくる。

「落ち着けヒトハ! てか苦しい苦しい!」

「あ、ごめん……」

「……しょうがない、店員さんにオススメでも聞くか」

 どうせ高いのを薦められるのは目に見えてるが。俺は気を落ち着かせるために、ウッキーのワンポイントが入ったガラスコップに注がれている冷えた水に手をつけた。

「ご注文お決まりでしょうか」

 と、同時に二葉が呼び寄せた店員さんのハスキーな声。

「――!?!? ガハッ!?」

 俺は水を口に含んだままその店員さんの顔を見て、盛大にむせた。

「…………なななななんで!?」

 一葉も大層驚いたようで、大きな目を更に見開いている。

「……あ、綺麗なお姉さん……」

 三葉はいつか出会った恰好良いお姉さんに頬を染めている。

「ゲッホゲホ!! ちょ、花咲!? なんでおまえ……!?」

 そう、何食わぬ顔で注文を聞きに来た店員は、俺と一葉のクラスメイト、花咲嘉穂だった。レストランの落ち着いたコスチュームを身に纏い、毛先をカールさせている長い髪は後ろで一つに束ねている。花咲はしゃがれた声の俺を見てくすくすと喉を鳴らしている。果たしてそれは俺の鼻たれむせ顔が可笑しいのか、はたまたしてやったりのこの状況が可笑しいのかは、この笑顔からは計りしれない。

「ん〜? 知り合いか? まぁいいや、こんにちは〜!」

 二葉はすっかり忘れているようで、律儀に挨拶をする。知り合いとみれば挨拶を欠かさないのは二葉の良いところだ。

「はい、こんにちは〜」

 テーマパークの店員らしくにこやかに挨拶を返す花咲。

「ここでアルバイトしてるのよ」

「NSJでスタッフ!?」

「そっ。それと、キャストって言うのよ」

 ということはここのレストランの半額券付き招待券をくれたのは確信犯か…。

「カホ、エキストラの仕事はいいの?」

「あれだけじゃ食べていけないわ」

「え? 食べていけないって一人暮らしなのか?」

「そうよ。言ってなかったかしら」

 知らなかった。ていうか花岡高の生徒一人暮らし多いな。校則違反だぞ。

「ふふ、それよりヒトハ、遊園地に行くってデートだったのね」

 悪戯な笑みをくれながら、唐突に話をすげ替える花咲。その突然の言葉に一葉は、下からはけで赤いペンキを塗ったように顔を真っ赤にする。

「ええ!? デデデデートなんてそそそそんなもんじゃ……」

「そう? じゃあこれは何デートなのかしら?」

「え? んっと……家族デー……ってだからデートじゃないって!!」

「ふふ、私には付き合ってるようにしか見えないけれど?」

「ほ、本当にそういうんじゃないんだって!!」

 花咲の執拗な言葉責めに一葉は耳まで真っ赤にして俯く。ドSだな花咲……。というかあれだけ否定されるとそれはそれでえらく悲しいぞ。ていうかそれもわかってて言ってるだろ。二重攻撃とはサドの鏡だな。まるで女王様に罵られる従者を見ている気分だ。

「ふふ、まぁいいわ。ここで会ったが百年目、注文を言いなさい」

 どんな店員だ。

「オススメある?」

「そうね、この半熟のビーフシチューオムライス、おいしいわよ。――――家で作るよりもずっと」

「待て」

「? 何かしら」

「なんか最後に悪意ある言葉が聞こえた気がしたんだが……」

「気のせいよ」

 どうも私生活が筒抜けな気がするんだよなぁ。一葉があれこれしゃべってるんじゃないだろうな……。そう思って一葉に視線を移すと、ちょうど眼が合う。一葉は頬を染めながらはにかむような笑みをくれた。妙に恥ずかしくなって一葉から視線を逸らして、俺は再びメニューに眼を移す。

「オムライス千四百円かよ……」

 半額券とかいいながら、実は最初からこの半額の値段で売るつもりなんじゃないだろうな。

「私もやっぱりオムライスにしよ〜」

「んじゃあ俺とヒトハがオムライスで、フタバがサーロインステーキ、ミツバがシーフードカレー。以上だ」

「かしこまりました。ではごゆっくり〜」

 最後に音符でも付きそうに答えて、胸の前で小さく手を振りながら去っていった。三葉は芸能人に手を振るファンのように嬉しそうに手を振り返していた。

 

 ◇◇◇

 

 

 あれから一時間ほどレストランにいた。流石に混んでいるためか、料理が運ばれてくるのは大変遅かった。だが値段が値段だけにやはり美味であったし、量も多くかなり腹が膨れた。今スペースコースターに乗ったら確実にリバースする自信がある。

 会計時も花咲が担当して、最後はにこやかに挨拶して、夢の国での仕事を全うしていた。

「腹も膨れたことだし、次どうすっか?」

「やっぱりここのゾーンはスプラッシャーバレーだよね」

「おおお! 行こう行こう! んで落ちるときに写真とろー!」

 落ちる時の写真とは、スプラッシャーバレーは基本ゆったりといかだで川を下りながら、喋る動物達がいる森の中を進んでいくアトラクションだが、最後のクライマックスで急降下がある。そこで落ちている間抜けな瞬間をスナップされるのだ。

「おっしゃ、じゃあ行ってみよう〜!」

「「「おー!」」」

 

「って三時間待ちかよ……」

「うそ〜……」

 到着したスプラッシャーバレーでは、入口からもはみ出るほどの大行列を作っていた。流石園内一の人気アトラクションだ。

「これじゃあ一日が終わっちゃうよ……」

 三人は目に見えるほど肩を落とす。仕方がない、また今度来たときにしよう。そう思った矢先、園内にアナウンスが響いた。

 

『迷子のお知らせです。花岡町からお越しの草野様、ご家族の雄太様が迷子センターにてお待ちです。場所は―――』

 

 俺達は思い出していた。

 エントランスで見た欝陶しい笑顔を。

 俺達は思い出していた。

 家の前で薔薇をくわえたやかましい笑顔を。

 

「やべえ、雄太のことすっかり忘れてた……」

「う、うん……」

「つうか迷子センターって……」

「携帯番号教え合わなかった私たちが悪かったかも……」

 最高潮だったテンションは一気に急降下した。ちょうどカントリーゾーンにある迷子センターに向かう足取りは鉛を身につけたように重い。言い訳も思い付かないほどに忘れてた。きっとかんかんに怒っていることだろう。

 

 迷子センターに着いて、インフォメーションのお姉さんに問い掛ける。

「すいません、先程のお知らせを聞いてきた草野ですが……」

「はい、あちらの部屋で雄太様がお待ちです」

 インフォメーションのすぐ横のドアを示す。お姉さんに言われた通り、俺達は恐る恐るそのドアノブを回した。

「ハル兄ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」

 いた。少し涙を浮かべながらも、雄太は俺達を見つけると一目散にこちらへ駆け寄ってきた。鬼が半泣きしているような形相だった。

「どうして待ってたのにきてくんないんだよぉぉぉぉ!」

「お、お前が何も言わずに走り去っていくからだろうが!」

「言ったじゃんよっ!」

「フタバの名前を叫んでただけじゃねーか!」

 雄太は眼を擦りながら啜り泣いている。

「……うん、まぁ俺らもお前のことすっかり忘れて満喫してたからなぁ。すまんかったよ雄太」

「マジで!? まさかもうスプラッシャーバレー乗っちゃった!?」

「いや、それは乗ってない」

「は、ってじゃあ違うのには乗ったの!?」

「……すまんかった」

 俺が素直に謝ると、雄太は文字に表せないような言葉を叫びながら、頭を抱えてもがいている。その様子を見て一葉たちも苦笑い。同情しているようだ。

「くぅぅぅぅぅ! せっかくスプラッシャーバレーのファストパス、数々の修羅場を掻い潜ってゲットしたのに!」

「へ? ファストパス?」

「そうだよ! ほら5人分! 皆来ないから5人分の金額払っておいたんだよ!」

「ファストパスってなんだ?」

「そこから!?」

 雄太は忙しなく色々なモーションを駆使しながら、悔しい想いを吐き出している。雄太が言うには、ファストパスというのは要するにアトラクションに乗る時間を予約できるものらしい。本当はそれぞれ自分のチケットが必要らしいが、現在はその場で枚数指定で買えたりもするらしい。

「くっそぉぉぉぉ!こんなにも頑張ったのになんて仕打ち……!!」

 雄太は四つん這いになって敗者のように床を叩いている。

 そんな雄太を尻目に、俺達は雄太が手に入れたファストパスを見ていた。

「14時から15時までって書いてあるな」

「その間だったら並ばずにすぐ乗れるってこと?」

「ほんとか!? すぐなのか!?」

「ああ」

 二葉はリボンを揺らしながら笑顔の花を咲かす。そして雄太の元へ駆け寄る。

「ゆーた!」

 二葉が初めて雄太の名を呼んだ。

「は、はい!?」

 その事に吃驚したのか焦ったのか、声を裏返らせながら二葉に顔を向ける。

「なかなかやるなっ!!」

 二葉は太陽のように輝く笑顔で雄太の肩をぽんっと叩いた。雄太は顔を真っ赤にして、そのまま海老反りするように後ろに倒れた。お忘れだと思われるが、二葉は年下である。ナイスだ二葉。これで俺達が雄太の事を忘れて遊んでいたことも忘れてくれたことだろう。

 

 

 ◇◇◇

 

 

「わくわく! わくわく!」

 二葉が俺達の先頭を意気揚々と歩く。ファストパスはとにかく早かった。特急と各駅停車、チーターと亀、そんな連想をするくらいにだ。いらいらという音が聞こえてきそうな行列のすぐ脇を、何食わぬ顔で歩いていくことができる。こちらからしたら優越感を存分に味わえるが、並んでいる人からしたら殺意を覚えることだろう。まさに勝ち組負け組の図。「お先に〜」なんて言われた日には暴動が起きて、天国のような場所が地獄絵図になりかねない。

 そんな事を考えていると、あっという間に乗り場が見える所まで来てしまった。

「はやっ! さっきスペースコースターに並んでたのがバカみたい」

「ばっ! ヒトハしー!」

 どうやら無情にも雄太の耳に届いていたらしい。

「スペース乗っちゃったんだぁ…」

 右目からつーっと一滴が流れる。また傷を広げられたようだった。不憫すぎる…。

「……あ、ごめん……」

「……いいんすよお姉さん! スプラッシャーバレーでいっぱい楽しめばチャラっす!」

「お姉さんいうなっ!」

 そんな会話を挟んでから、すぐに俺達の番が回ってくる。いかだをモチーフにした乗り物で、5人乗りが5列。今回はファストパス効果もあってか1列目に乗ることになった。

「1番前だぁ! よーしダブルピースするぞ〜!」

 二葉は意気揚々と奥の1番端に乗り込む。次に狙ったように雄太が二葉の隣を確保。ど真ん中に一葉が入って、三葉、俺の順となった。三葉は相変わらず俺の手を離さない。でも一葉とも乗りたいらしく、進んで俺と一葉の間に入っていった。

「安全バー失礼しまーす!」

 キャストさん(花咲いわく)が安全バーの確認をして、合図を送る。

「いざ、しゅっぱ〜つ!」

 よく通る声でそう言って、キャストさんは満面の笑みで大きく手を振ってくる。俺たちはみんなで手を振り返して、水上の旅は幕を開けた。

 

『遊びにきてくれてありがとよ! 楽しんでいってくれよな!』

 この森の主要キャラクターである青いウサギが跳びはねながら、俺達を歓迎してくれた。しかし、

『ち、なんだあいつら、よぅーし悪戯してやる』

 いかにも悪巧みを考えていそうな熊が、やらしい笑みを浮かべながら、影でこそこそしている。

「あー! あの熊ぜったいワルだっ!」

「そうっすね! 懲らしめましょう二葉さん!」

「「おー!」」

 二葉と雄太は何やら一致団結していた。むう、何か二葉が雄太のやつと仲良くしてると……。っていやいや。俺はかぶりを振って、邪心を消す。

 

『へへへ! あいつをヘドロまみれにしてやる〜!』

 クマはウサギを目掛けて何やら水鉄砲のようなものを発射している。

「あ! 冷たい!」

 その水の軌跡は、ちょうどど真ん中にいた一葉に大量にかかった。

「はははヘドロまみれらしいぞ」

「もうっ! ハルキがかかれば良かったのに!」

「……私もちょっとかかった」

 少し困ったような笑みを浮かべて、三葉もスカートの裾を摘む。

 

 そんなウサギとクマの小突き合いも終盤に差し掛かる。数々の悪戯をかい潜ったウサギは見事クマを捕獲した。しかし、森に迷い込んだ俺たちの筏を止めることはできなかったらしい。

 筏は徐々に暗い洞窟の中を急上昇していく。

『くそー、もう間に合わないよ!』

「ぐああああ! この急上昇はさっきのスペースコースターが思い浮かぶううう!! ウサギ助けてくれぇぇ!」

「……大丈夫だよハルキ、今度は一瞬……」

 いつの間にか三葉に諭されるようになっていた俺であった。視線の先に外の光が見えてきた。

「皆ピースだよっ!」

 雄太が無茶苦茶なことを言っている。

「できるかっ!」

 体重はゆっくりと下へ向かう。

 

 あ、終わった。

 

 一瞬、眩しい光が俺を包んだ、気がした。

 様々な声質が混ざり合って悲鳴のユニゾンを響かせた、気がした。

 全身が冷たい水で覆われている、気がした。

 ……ってこれは錯覚じゃない!?

「あはは! ハルキびしょびしょ〜!」

 一葉の笑い声で我に返って、自分の身体を確認すると、本当にありえないほどびしょ濡れだった。髪はぺたつくほど濡れているし、肩の辺りはべったりと張り付き、下はジーパンを通して下着にまで浸透していた。

「うっわ、マジかよ! ……ってことはフタバも?」

 そう思って反対側の端っこの二葉に目を移すと、見事に濡れていなかった。変わりに濡れているのは長身の雄太である。どうやら身長の低い二葉にはかからなかったようだ。せっかくセットしたカチカチの短髪も台無しだ。

「へへー! かかってるかかってる! びしょびしょだなー!」

 二葉がびしょ濡れの雄太をからかっている。

「……ふふ、いえいえ、二葉さんにかからないで良かったですよ」

 それに雄太は助けてもいないのに助けた風な口調でキメていた。若布みたいな髪して言うセリフじゃないな。そして、そんな様子を見ていた三葉は、ただただ嬉しそうに笑っていた。

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