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近くへ行く。
「何か分かった?」
「ああ、この建造物いい、建物も、恐らくブラッカスの物だ」
「ブラッカスって?」
「古代に絶滅した種族だ。そしてこれは領域ゲートだろう」
「領域ゲートって?」
「本当に何も知らないんだな」
「知ってたかも。そこまで驚いてないから」
「ふむ。これは話せば長くなる。幸い壊れているみたいだ」
「ここを見て。誰かが意図的に壊したみたい」
側に来る球体「本当だな。ああ、やっぱり早く出るべきだな」
「今度は扉がちゃんとあるから大丈夫だね」
「そ、そうだな。行こう」
大きな両ドアへと向かう。
「こんなにドアが大きいと、不安にならない?」
「なる。だが見栄えを気にしていた種族だったのかもしれん」
「残ってたりしないよね?」
「ああ、恐らく大丈夫だ」
「本当に絶滅したの?」
「…………分からない」ドアの前で止まりこちらを向く球体「お前は戦えるのか?」
「たぶん」
「魔法は? どれくらい扱える?」
「さあ」
「何でもいいから壁に向かって放ってみてくれ」
んな事言われても…。
心を落ち着かせ、力を集中させる。
「…………ぉぃ……おい! もういい!」
「はっ!?」
「こういう時は一発で良いんだ。敵がいたら気付かれるかもしれないだろ」
魔法を当てるはずだった正面の壁が、ボロボロに崩れ落ちていた。
「どうして……」
「おい、早く行くぞ」
「う、うん」
足は球体の元へ自然と進むが、砕けた壁からは目が離せなかった。
あれを僕が……僕は一体……。
球体がドアの一部を押すと、押した部分が回転し、そのままドアが半回転し左右に開いた。だけど、途中でつっかえて止まった。球体が押し開けたドアの隙間を通り抜ける。
そこは何もないとてもとても広大な部屋だった。天井が高すぎて見えない程に。
「広すぎない?」
「ああ、妙だな」
球体と一緒に周囲を見回しながら警戒し、ゆっくりと、慎重に、先へ進んでいく。
中央付近に付いた時、突然凄まじく大きな音が部屋中に響き渡った。
「この船舶の汽笛はまずいぞ」
「一体何の音なの?」
部屋中が揺れ始めた。
「走れ!!」
出口に向けて急ぎ出す球体を全力で走り追いかける。
入って来たドアの前に上から壁が降りてきて閉まってしまった。
出口のドアの前にも壁が降り始めた。
球体が魔法を放ち、壁を止めた。
「凄い」
「んん!! だ、ダメだ……」
壁が地面に激突する音が響き渡り、壁がドアを塞いでしまった。
周囲の壁全てから機械音が不気味に聞こえてくる。
「どうすればいいの?」
僕の背を守るように位置につく球体。
僕も球体の背を守るように、互いの背を合わせ周囲を警戒する。
「戦う準備をしろ」
「戦うたって……」
「さっきの魔法の威力なら生き残れる」
「わ、分かった。やるだけやってみる」
「その意気だ」
周囲の壁が細かく開き始め、中から二足の機械が出てきた。それほど大きくはない。
「ブラッカスお得意のオートマトンだ」
「あれがオートマトン……。生きてるの?」
「生きていない。ただの機械兵だ。胸に埋め込まれている赤いコアを狙うんだ」
「オッケー……」
大きな音を立て地面に次々と着地するオートマトン達。
「「「侵入者、侵入者」」」
中には壁が開いても動かないオートマトンや、着地と同時にバラバラに崩れるオートマトンが多い。
「運が良い。劣化している物ばかりだ。何とかなるぞ」
重そうな剣を引きずりゆっくりとこちらに向かって歩いてオートマトン達。
球体が魔法を放ち、オートマトンを次々と投げ飛ばしていき、他のオートマトンにぶつけたり、壁に衝突させていく。
僕も魔法を放ち、加勢する。
黒く燃える火球を一発放てた。
火球をコントロールし、迫りくるオートマトン一体に何とか命中させる。
「オートマトンに炎は効かな……」
火球が命中したオートマトンが燃え上がると爆発した。
周囲に機械の破片が飛び散る。
「無駄な抵抗はやめて投降してください。危害は加えません」
何かを腕から放とうとした一体のオートマトンが自爆した。
球体が飛び散ってくる破片から魔法のバリアで守ってくれた。
「やったみたい……」
「オイルに上手く引火したみたいだな」
「オートマトンには炎は効かないんだね」
「まあそうだ。だが腕や肩がもげているこいつらになら有効だ」
「今度から気を付ける」
「いいや、上手くやってるさ。寝起きにしてはな」
「ありがとう」
「ンフフ。さあどんどん片付けよう」
「オッケー」




