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ロード・オブ・ダーク  作者: 逆立ちハムスター


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3/5

3

忍び足でそっと球体の方へ近付いていく。

だいぶ近くまで来たけど、間違いない。 これは何かの生き物だ。

球体へと手をゆっくりと伸ばす。

次の瞬間、球体から赤く光る両目が現れた。

「あっ!?」

「ア゙ァ゙゙!?」

向こうも驚いている様子。

「あんた誰」

「貴様こそ何者だ」

「質問に質問で返さないでよ。そっちが先」

「断る」

「う〜ん」

目を細め球体の目を見つめる。

「ふ〜む」

向こうも目を細め見つめ返してくる。

「記憶がなくて困ってるんだよね。だから助けて欲しい」

「そうか。でも我も同じだ」

「んぁ?」

「だから記憶がないんだ」

「そりゃ困ったね」

「だが互いに助け合う事に関して異論はない」

球体が浮かび上がり、触手を一本伸ばしてくる。

触手に触れ、握手を交わす。

「冷たっ」

「よし。取り敢えず離れず、部屋を探索していこう」

「手分けした方が早いと思うけど」

「他にもいるかもしれないだろ? 我々のようにフレンドリーな奴とも限らない」

「僕達がフレンドリーね〜」

「さっさと始めよう」

球体の生き物と一緒に広い部屋の探索を始める。

鏡から青く燃える光が見える。

「この鏡見て」

「ふむ。随分と古い魔法の鏡だな」

「魔法の鏡って?」

「それも知らないのか? どれくらい記憶障害があるんだ」

「それは質問?」

「いいや、つい漏れただけだ。簡単に言うと遠くの奴と会える」

「へぇ〜」好奇心が何だか体から溢れ出て来て、鏡へ触れる。

「おいっ!」

僕を魔法で勢い良く鏡から突き離した。

鏡が白く光り始める。

「わお」

「まずいぞ!」球体が勢い良く鏡に体当たりする「ぬあっ!!」鏡は割れる事も倒れる事もなく、球体が地面に倒れ落ちた。

「大丈夫?」

「うぅぅ……」

死んではいないみたい。

鏡の光が少し収まると、鏡に人影が映り始めた。

「該当地域に偵察を送っ……き、貴様は誰だ?」

「あんたこそ誰?」

「質問に質問で返すな!」

あれ? これも記憶障害のせい?

その時、勢いよく鏡が割れた。

「危なっ!? 危ないじゃん」

「我々は自分が誰で、ここがどこかも分からないんだぞ。見知らぬ奴と話す方がもっと危ない」

「そうだよね。ごめん」

「さっさと出口を探そう」

「あるといいけど」


部屋中を探索した後。


「本当に無いじゃないか!!」

「あっちゃー」

「何て事だ。こんなところに缶詰とは」

「缶詰って?」

「ああ、最悪だ」

球体から強い光を感じる。

「今、魔法放ったでしょ?」

「ああ、感知されるかもしれんから控えていたが、出口が見つからない以上仕方がないと思ってな」

「そういうの言って欲しいな。僕にも関係があるから」

「ああ……そうだな。すまない」

「ありがとう。鏡の件でお互い様になった?」

じっと僕を見つめてくる。

「我は違う」

球体が部屋の隅に向かって行く。

「ふ〜ん」

球体の後に付いていく。


「この暖炉から微かに漏れを感じる」

「でもさっき探したけど何もなかっじゃん」

「ふむ、もう少し探す必要がある」

「そお? なら」

「何もないか……う〜む、おかしいなー」

「ホントにここに……」

僕が暖炉内部の後ろ側を触ると、暖炉が音を立て始めた。

「危ない!」

球体が魔法で僕を引き付けた。

暖炉が地面に埋まっていき、下に続く階段が現れた。

そっと優しく地面に降ろしてくれる。

そして球体と目を合わせる

「やったー!!」

「やったぞ!!」

「アッハッハー!! 君のおかげだよ」

「いいや、これはお前の手柄だ」

「助けてくんなきゃ潰れてたもん」

「では互いの手柄だな」

「いいねー!」

「よし、降りてみよう」

下に降りて行く球体の後を追う。

「君が発光してくれてるおかげで見やすいよ」

「それは良かった」下を見たり、上を見たり、とにかく周囲を見回している「ふむ……」

「何か気になるの?」

「階段や壁、天井全て均一で精巧な造りなっている。しかもかなり特殊な材質だ」

「大理石じゃないの?」

「いいや、微量だが魔力を感じる」

「そお、ああ! 確かに」

少し驚いた様子でこっちを見る球体「ほお」すぐさま正面に向き直した「どうやら出口が見えてきたようだな」

通路から出るとまた広い部屋へと出た。

「これは驚いた」

「わお」

正面には巨大な楕円形の鏡が設置されていた。縁や支柱は全て黄金に輝いている。

「これも魔法の鏡?」

「う〜ん、いや。違うと思う」鏡に近付いていく球体。

僕も数段の階段を上がり、鏡の方へと向かう。

鏡や周囲の建造物から不思議な魔力を感じる。

球体が鏡の前に設置されている建造物の前で止まり、眺めている。

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