人権
哨戒から同陣営へ帰還するユウヤツ。
公子セラキ:
浮かない顔だぞ、どうした?
ユウヤツ:
セラキ……野盗って逮捕された後、どうなるんだ?
公子セラキ:
……気になるか?
ユウヤツ:
あぁ。
セラキ:
フッ。絆の発言者は、賊をも惜しむか……
公女セラハ:
ユウヤツ様……お優しいのですね。
ユウヤツ:
あいつらだって、思春期前は心穏やかだったはずだ……
その前はたぶん、無垢な少年だったかも。
絆で繋がっていれば、きっと今頃は……
セラキ:
安心しろ。王国は人権を尊重する。
ユウヤツ:
じんけん……
セラキ:
専制の旧王国時代――労働力競争で南方イツカに敗れた事による、
反省であり戦略なのだ。議会や選挙もな。
公女セラハ:
形骸の批判もございますが、それでも社会の大きな前進ですわ!
セラキ:
現行犯も司法手続きを経たのち――とある学校で更生に務める。
ユウヤツ:
学校へ……?
セラキ:
更生学校だ。衣食住はもちろん、ある程度の発言も保障される。
ドレーダでは、海戦演習にも参加する。
ユウヤツ:
海戦演習!?
セラキ:
帆船や櫂船による、海上での模擬戦を行うのだ。
軍の士官や候補の学生は、指揮が試される。ドレーダの風物詩だな。
ユウヤツ:
へぇー……風物詩……
セラキ:
この社会経験で、更生の余地は大いにある。
野盗や海賊あがりの海士もいるくらいだ。
ユウヤツ:
野盗や海賊あがりの海士!?
妹セラハ
発言者は〔発言海士〕にもなれますわ!
ユウヤツ:
発言海士!?
セラキ:
しかし人生……野盗など企むな。海賊もな。
妹セラハ:
それがよろしいかと!
笑顔のセラキ・セラハ兄妹。
ユウヤツ:
(……いい笑顔だ……! きっと、良い学校で更生できるに違いない!)




