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継承のセラ  作者: 山久 駿太郎
第一章 -少年編-
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001.プロローグ

彼は...何者でもない子だったと思う。


共に歩んだのはたったの数か月、深い絆で結ばれていたという訳でもない。


私自身、彼に特別な思い入れがあったかと聞かれれば、素直に頷きを返せないだろう。


ただ、彼はそうではなかったらしい。


意図せず、心の拠り所になっていたのかもしれないな。


そんな何者でもない彼が放った最期の言葉は、不思議と私の中に何かを芽生えさせた。


ほんの少し、彼の物語を続ける手助けをするのも、やぶさかではないと思うほどに。

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