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絶対遵守

気が付いたらあっという間に夕方になった。


学園の勉強にも少し慣れてきた。

というか、問題なくついていける。

正直、それらは簡単すぎた。



自転車置き場へとついた。

彩姫さんの自転車が置いてある。

今日も、部室だろうか?

授業は一日中寝ていた印象しかないが。

――あ、いやまて。

世界史はちゃんと起きていた。

まぁ教科書じゃなくて、世界史資料集ばかり見ていたような気もする。

「モナ・リザってホント美人だよね」

資料集の中にあった、ルーブルの資料を遠い目で眺めている。


――彩姫さんは、本当に絵のためだけに学園に来ているらしい。



自転車を走らせて校門を通過した。

と、曲がってすぐ、見たことのある背中。

「――あれ?」

とりあえず、なんとなくな声をかけた。

「ん、あぁ色か」

やはり栄太だった。

自転車を止める。

「今帰り?」

「あ、はいそうです」

「ふーん、そっか。俺もだけど」

「歩きですか?」

「んにゃ、前に言わなかったっけ? 原付路駐してんの」

とりあえず一緒に歩いていく。

少し歩くと学園に一番近いコンビニエンスストアあった。

「ちょい待っててな、持ってくるから」

軽く駆け足でコンビニの裏へと回る。

すぐに原付を持って栄太が現れた。

「お待たせ、帰ろうぜ」

原付の免許、なんて持っていないので無論原付なんて乗ったこともない。

「ん、なんだよ? 原付眺めて」

「いえ、ちょっと珍しくて」

「珍しい? 変わったこと言うなぁ。その辺たくさん走ってんじゃん」

「え、まぁそうなんですけど」

「免許持ってないんだ?」

「はい」

「ふーん、ちょっと乗ってみる?」

――はぁ?

「大丈夫、こんなのおもちゃみたいなもんだって」

「いやいや、それはダメです」

「ダメって、別にバレなきゃ大丈夫だろ?」

「それでも、ルールを破るのはダメだと思います!」

――あ、少し語気が荒くなったか?

「……へぇ、そーか」

栄太は少しマジメな顔で相槌だけをうつ。

「……あ、えっと、その」

「いや、からかって悪かったな」

そういうとエンジンをかける。

「と、そうだ。色、オマエ勉強できるんだよな?」

「えっ? いえ……」

「謙遜すんなって。芽衣のヤツがそう言ってたし……って芽衣からみたら大抵頭いいか? まぁいいや。今度時間あったら勉強ちょっと教えてくれよな。最近寝てばっかで授業ほとんど聞いてなくてさ」

――あ、やっぱり聞いてはないのか。

「勉強以外で役に立てることなら何でも聞いてやるから、じゃあな」

それだけ言うとバイクで去っていった。


栄太はバイト漬け、といっていたっけ?

それで学園では寝てばっかり、っていうのはいいのかなぁ?



まぁ、そうでなくても寝てばかりの人もいるか。

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