表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/30

第十三話:「頑張りたい」

「というかごめん、普通に想像しちゃった……圭介くんが網かぶって歩いてるとこ」


「やめろ。俺が田舎に放り込まれたら3日で餓死する自信あるわ」


「食事関係ないじゃん!」


そう突っ込み、結花が声を上げて笑う。


智紀も、思わず口元をほころばせた。


「でも……朝は気持ちよかったよ。鳥の声とか、風の匂いとか……そういうの、好きだった」


「へぇ。いいね、そういうの」


結花が優しく微笑んだ。


「たまに戻りたくなったりしない?」


結花の問いかけに、智紀は少し考えるように視線を泳がせた。


「うーん……でも、もう戻るつもりはないかな」


ぽつりと、けれどはっきりとそう答えた。


その言葉には、過去を懐かしむ感情よりも、今を見据える意思が込められていた。


そして少しだけ笑って、続ける。


「ここで、ちゃんと頑張りたいって思ってるから」


「おお……」


圭介が、小さく感嘆の声を漏らす。


「なんか……そういうの、いいな。前向きで。応援したくなる感じ」


「ほんとだね。頼れる子が入ってきてくれてよかった」


結花の言葉に、智紀は少し照れながら「ありがとう」と答えた。


机の上に並んだ弁当箱たちの間に、ささやかな笑い声が広がっていく。


ふと、結月の方へ目をやると——


彼女はまだ視線を落としたままだったけれど、口元がわずかにゆるんでいた。

声は出さないまま、ほんの少しだけ表情が和らいでいる。


(……よかった)


その小さな変化を、智紀は心の中でそっと受け止めた。


ほんの少しずつでもいい。

この場所で、彼女の隣で、ちゃんと笑えるようになれたら——


智紀はもう一度、小さく息を吸い込んで、目の前の温かな昼休みを見つめた。


皆さんこんにちは紗倉です!

今回はちょっと短めでごめんなさい(´;ω;`)

懲りずに付き合って頂けると助かります!!

今日は日曜日でちょっと気分が沈んでおりますが

また来週から一週間頑張りましょう!

それではまた次回〜

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ