そして二人は邂逅する
それは、ある土砂降りの夜のこと。
暇でコンビニへと出かけた白銀 琥珀こと俺は退屈で仕方がなかった。
「あーあ、コンビニで菓子パン買おうと思ってたのにねぇじゃんかー」
そんなとき、普段は通らない路地から猫の声が聞こえてきた。
白銀琥珀は大の猫好きだ。
俺は今退屈なのもあってか、無意識ながらに猫の声がする路地の道を通っていた。
「なんか猫の声がしたな、まぁいい…ん?」
路地の傍らへと目をやると、ダンボールが見えた。
あそこから猫の声がしてるのか?
そんなことを俺は思いつつ、ダンボールに近寄った。
暗くて見づらいが、ダンボールの中には確かに猫が居そうだ。
コイツは捨て猫なんだろうか?
それなら、猫を飼いたかったし丁度いい。
何より、こんな土砂降りなのに猫を野晒しにするのは気が引ける。
などと言い訳しつつ、マンションへの帰り道を疾走した。
マンションに帰った俺は、部屋の電気をつけて猫を見て気づいたが、どうやら黒猫の様だ。
「うーん、とりあえずお前は風呂に入れる」
黒猫は酷く汚れており寒そうだったので、桶にお湯を溜め洗った。
「うわッ!桶の中でバチャバチャされると、顔にお湯がかかるから止めてくれー」
そんな俺の様子を、黒猫は喜びながら未だにバチャバチャしている…
なんとか黒猫を洗い風呂から上がらせ、毛を乾かし終えた。
黒猫の晩御飯をどうしようかと考えながらカレーを食べていると。
いきなり顔を出した黒猫が、カレーを食べだした。
俺は焦った。なぜよりによって玉ねぎを増々にしたカレーを作った日に黒猫が食べてしまうのかと。
焦り過ぎた余り、黒猫が人に見えてしまいなら大丈夫かぁ…と錯乱していた。
「………ん?????」
え?は?あ?
あれ?さっき黒猫が居た所に人が居る???
いいや、コレは夢だ。きっと焦った余り気絶して夢を見てるんだ!
彼?は言った。
「だいじょうぶですか…?」
俺は混乱した、ハナシカケラレタ?ナゼ?と。
そんな中混乱して焦りすぎた余り、意味不明なことを口走ってしまった。
「え、コレ夢?ちょっとココ引っ張ってくれない?」
彼?は困惑しながら俺の頬が千切れそうな位に引っ張ってくれた。俺も引っ張った。
「おちつきましたか?」
彼?が暫く経ったあとに聞いてきた。
それに対し俺は、
「誰ですか?」
と警戒しながら聞いた。
彼?はそんな問いに対してこう答えた。
「だれ?といわれてもわからないし、あなたがつれてきたんじゃないんですか」
俺はまた混乱した。
そして、連れてきたと言えば黒猫だ。
その黒猫は今は見当たらないし、黒猫の居た所に彼?は居る。
そこからわかることは…
「お前はさっきの黒猫なのか?」
俺がそう聞くと彼?は、
「ねこはしりませんが、くろかったのでたぶんそうです!」
と答えた。