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ボクの母様は神の巫女で聖女様・カイの楽しい学生生活  作者: 安ころもっち


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15.初めての里帰り 02


 小学校に入学してから初めての里帰りの夜。


 今日は久しぶりに父様と母様に挟まれるようにして眠る。


 もうずっと前からちゃんと一人で寝てたんだけどね。

 今日は母様がどうしてもって言うから、仕方ないから一緒に寝ることになったんだ。


 母様は柔らかいし暖かいし安心する。

 父様は腕や胸元の柔らかい毛が気持ちよくて良い匂いがして、やっぱり安心する。


 今日は兄様も姉様も帰って来てないから独り占めしながら学校での話をしてたけど、すぐに眠たくなっちゃった。


「父様、母様、おやすみなさい」

「「お休み、カイ」」

 優しく囁いてくれる2人の返事を聞きながら、ボクは夢の中へと旅立った。




 翌日、朝から森で狩りをする。

 父様から借りた鋼鉄製の長剣を身に着け、久しぶりに豚さんと蛇さん、猪さんをなんとか倒す。


 父様と母様は豚さん達が逃げてしまわない様に遠巻きに見ている


「カイ、大丈夫?今日はもう充分よ?もうそろそろ終わりにしましょ?」

 母様はいつもの様に心配そうに声を掛けてきたので、その所為か周りにいた蛇さん達は逃げてしまった。


 まだ10体ほどしか倒してないのに。


 ボクも入学の前より簡単に倒せる様になってきたけど、兄様達の様に何匹も纏めて狩ることはまだできない。

 それでもこの森の最上位であるこの魔物を倒すことができるなら、冒険者としても超一流、一生喰いっぱぐれは無いと執事のレナートさんが教えてくれた。


 レナートさんも小さい頃から父様達に鍛えられたそうだけど、まだ森の中層ぐらいにいる魔物が精いっぱいのようだ。


「ニコ、カイはもう充分強い。心配しすぎだ」

「だって、ここの魔物ってこの世界でも上位にはいるのよ?何かの間違いで怪我しちゃったらどうするの?もしかしたら死んじゃうかもしれないのよ?」

「大丈夫だ。俺達の子だぞ?それに例え<ビッグバイパー(毒持ちの大型蛇)>に噛みつかれたとしても、毒が回る前にニコが回復させるだろ?その為に近くで見守ってるんだ」

「だって、心配なんだもん!」

 母様はすねながらもボクの方に走りよると、さりげなくボクの首に外していたペンダントをつけている。


 これを付けておけば大怪我してもすぐに回復してくれて、森の魔物達も寄ってこない母様が作った魔道具になっている。

 父様の匂い付きなのでこの森に住む魔物なら震えあがって逃げていく。


 これ一つでものすごーく高価な物なんだって。

 ボクは小さいころからこの森で過ごしてきたけど、そういう魔道具もホイホイ作ってる母様とこの森の主と言われている父様の子だから、他の子達と違うって事だけはちゃんと理解しているつもりだ。


 さっき倒した蛇さんだってお肉の美味しいところを頂いて、残りの皮とか牙とかを王都のギルドに持っていくと1年は暮らせる程のお金になるんだって。

 ボクもギルドで換金して、皆と美味しい物でも食べに行こうかな?

 なんて思ったけど、そんなことしなくても母様にお小遣いをおねだりしたら金貨がいっぱい入った袋が出てくる。


 この環境ってやっぱり恵まれてるんだろうなー。

 でもボクは、お金より冒険がしたいな。

 迷宮の最下層にいるドラゴンはこの10倍は強いらしいけど、少し前にディーゴさんが母様には内緒で連れてってくれると約束してくれたので楽しみにしている。

 母様の目を盗んで行くチャンスは中々ないけど。


 結局、朝の運動は軽く汗を掻く程度で終わったけど、午後からはバジリオさんが来る様だし、体を拭いて着替えて待つことにした。



 お昼前、約束より少し早めにやってきたバジリオさんも交えて昼食。


 早速ボクが狩った豚さんと猪さんを使った鍋を母様が作ってくれたので、お腹がパンパンになるほど食べまくった。

 やっぱり家のお鍋は美味しいな。


 バジリオさんは、お昼からお肉メインのこってり鍋が出てきたことに驚いていた。


「早く来すぎちまったようですまんな。しかも、昼食で超高級食材鍋とか……相変わらずとんでもないよなお前んとこは……」

「そう?じゃあ帰りにお肉持ってく?まだブロックで大量に残ってるし、蛇もあるわよ?」

「それはありがてーが、蛇があるなら皮もあるんだろ?回してくれるとありがてー。あれはお前のとこでしか手に入らないんだろ?その為に連絡するのも気がひけちまってな」

「遠慮しなくても良いのに」

 母様は不思議そうな顔でそう言っているが、バジリオさんは気まずそうにしていた。


 でも、お肉を頬張ると気まずさも吹っ切れたようで、旨い旨いと絶賛しながら食べていた。


 お昼ご飯を満喫した後はバジリオさんが、使い古したバッグから真新しい簡素な剣と胸当てを取り出した。

 早速ボクに胸当て装着して、彼是と細かな調整をするバジリオさん。


 30分ほどで調整箇所を確認できたのか、胸当てはバッグに回収された。

 次は剣を握って父様と軽く打ち合った。


 何度か握りを確認して痛みが出たりする個所を探す。

 1時間程でその作業も終わり、バジリオさんは帰って行った。


 今回の調整を踏まえて本格的に作成を開始するようだ。

 完成は2~3週間程と言うので今から楽しみだ。


 その後は森の広場に移動して久しぶりにアスレチックを試す。

 ボクが学校に行っている間に、新しくエリアごとに計5体の自動人形(ゴーレム)が邪魔をする様になっていた。


 目の前で動いているその空飛ぶ自動人形(ゴーレム)の姿に、ボクはビクビクしながらもアスレチックに挑戦するのだった。


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