謎多き彼女
文脈gdgdかもしれない.......まあええか!
(大変申し訳ございませんorz)
その後、先生に席を教えてもらい移動する雪氷。
そんな彼女のことなど目もくれずに俺は先程生まれた一つの疑問に対して考え事をしていた。
見た目はあの日出会った彼女のまんまだ。声も全く一緒。
だが、自己紹介で引っ越してきたばかりと言っていた。
昔、河川敷で別れる際に家は近くにあると言っていたはずだ。
でも、あの時言っていたことが嘘の可能性もあるから.....あ~もういいや!あとで直接聞きにいくか
考え事を止めて前を向くとみんなある方向を見て誰一人言葉を発さず放心しているようだった。
見ている方向に視線をやると案の定、雪氷がいるのだが何故こんな状況になっているのか分からない。
見られている本人も何故自分の方を皆見ているのか分からずに戸惑っている様子だ。
それから一、二分程度経った頃、チャイムの音が鳴り我に返った先生がみんなに体育館へ行くよう指示を出し始めると一人、また一人と我に返り教室を出ていく。
それに便乗するように俺も教室を後にした。
放課後。
席に座って雪氷に話しかけるタイミングを見計らっていた。
部活動がある生徒はとっくに教室からいなくなっていたが何もない者の9割ほどが雪氷の机を囲んで質問やら放課後のお誘いなどをしていた。
そして、彼女に話しかけようと思っているのは俺だけではない。
廊下を見ると他クラス、ましてや別学年の生徒が彼女のことを見に来ているのだ。
それもそうだろ。それは時間が遡ること入学式での出来事。
体育館に来たのが俺達のクラスが最後のようで先に着いている者たちの視線が自然とこちらに集まる。その瞬間、教室で起きた現象と全く同じものが発生した。
こちらを見ているものは心ここにあらずといった感じで放心し、椅子に座ってからもずっと見てくる。
俺は元凶であろう雪氷を見て、ようやくこの現象が起こる理由を理解した。
雪氷の容姿に座っている姿を合わせると同じ人間なのかと思うほど美しく、彼女だけ別世界から来たのではないかと錯覚してしまう。教室で起こっていたこともおそらく彼女の動作に魅了されたのが原因だろう。唯一俺達のクラスは一度くらっていたので正常なままだった。
体育館が静かになったことを皮切りに、進行役の放送部員が現状を把握できていないまま入学式を始めてしまう。
その後も彼女の特殊能力は遺憾なく発揮された。
最初に入場してきた新入生達は彼女の横を通過する瞬間、全員顔が放心状態になり体は脱力したように垂れ、通過した後は体を反転させ雪氷を見続けながら後ろ向きで歩き、ちゃんと自分たちが座る椅子の前へ着くとそのまま座った。
他の新入生が入場してきたときも同様の光景が続き、最終的に新入生と在校生が向き合っている異様な光景が広がった。全員の視線は雪氷に集まっていたが。
しばらくして、流石にこの異変に気付いた放送部がマイクを軽くハウリングさせ新入生へきちんと座るようアナウンスすると放心した者たちは一気に正気へ戻り、みな多少動揺していたが問題なく進行していく。途中まで順調に進んでいたのタダでは終わらない。最後に壇上の裏に控えていた生徒会長、校長が同じく被害に遭ったが、幸い周りの人間のフォローおかげで短時間で正気に戻り無事?入学式を終えた。
そんなこんなで機会をうかがって早二十分ほど机で待機してると、
『僕もあの中に混ざって彼女と仲良くなりたいな~』
後ろからなよなよした感じの声が聞こえる。
誰が言っているのかはすぐに分かり振り返る。
「勝手に人の心の声を捏造すんじゃねーよ気楽」
「あれ?違ったか?なら、『ぼくに――」
「それでもねぇから!ほんと俺のこといじるの好きだな」
「当たり前だろ?こんなおもしろ可笑しい生物なんて探しても見つからねえからよ」
「人間とは言ってくれないのな」
心に軽くダメージを負ったが話題を切り替える。
「それよりも何の用だよ。なんもないなら邪魔しないでくれ」
「用なら......なんもないな」
「それならしっしっ!」
手ではらうジェスチャーをする。
「まあ強いて言うなら、あの転入生が来てからお前の様子が少し可笑しかったから気になって声かけただけだ」
「―――あるじゃねえかよ。よく見てんな俺のこと」
「そりゃあお前のこと大好きだからよ」
しばしの沈黙が訪れる。
「なんか言ってくれよ」
「いや、なんだ、ありがとう///」
頬を染めながらお礼を言う。それを見た気楽は俺から数歩分距離をとった。
「ツッコめよ!気持ちわりぃわ!」
「すまんすまん。けど、お前にダメージ与えられたみたいだから収穫はあったな」
気持ち悪そうな表情をするのを見て俺は口角を上げしてやったりと思った。
「まあでも、心配してくれたんだろ?ありがとな」
「そんなんじゃねぇよ。モアイ像みたいな面してたから、からかいにきただけっつうの」
「はいはい」
軽く顔を逸らながら棘のある言葉を吐いてきたが軽く流した。
なんだかんだ言ってコイツなりに俺のことを気にかけてくれたのだろう。
「それで?お前はあの転入生と関係があるのか?」
顔をこちらに戻し珍しく真剣な表情で聞いてくる。
気楽に昔あった出来事を話そうか迷ったが話したところでまた弄られそうなので黙っておくことにした。
「いや。ただ彼女が美人だったからどうやってお近づきになろうか悩んでただけだ」
「.......そうか」
何かを察してなのかいじることもなく軽く返事をするとそれ以上の追及はしてこなかった。
少しするといつも通りのニヤニヤとした表情に戻り、
「それでそれで?いつになったら話しかけに行くのかな?しょ~う君?」
ウザさMAXで聞いてきた。
「うるせぇ!まだ話しかけるタイミングじゃないんだよ。見とけよ、もう少し人がはけたら...」
「いくら待とうが話せないと思うぞ~。こういう時は積極的にいかないと~」
「ぐぅ......」
反論しようと思ったが気楽の言ってることは間違っていないため何も言い返せず下を向く。
「......お前は話しかけに行かないのかよ」
落ち込みながら質問しつつ鞄を机の上に置く。
「俺か?ん~話してみたいとは思うが積極的には行こうとは思わないな」
「世界友達協会・会長のお前が意外だな」
鞄の中に持ち帰る物を詰め込んでいく。
「勝手に変な肩書つけんなよ。まあ俺にも苦手に思う人はいるってことだよ」
「へー」
帰る準備が整い教室の出口へ向かっていく。
「人に聞いといて興味なさそうだなこいつ、ってどこ行くんだよ」
「どこって帰るに決まってんだろ」
教室からの去り際、ハンドサインで『じゃあな』とカッコいい感じで決めて出ていく。
俺は逃げたわけじゃない。そう、逃げたわけじゃないんだ。
決して気楽の正論パンチを浴びせられてメンタルがやられたわけじゃない。
俺には俺のやり方があるんだ!他人になんと言われようが関係ない!
明日は確実に自分のやり方で話すんだ、いくら時間がかかろうとも!
そう自分に言い聞かせながら学校を出るのであった。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
最近NIKKEが2周年に突入し新しいコスチュームが二種類出たのですが、
まあそれがエロかわうぃいことで!
2万円近く課金したことをここに記しておきます......