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雪解け水のように  作者: WU9
取り返す青春
2/4

突然の再会

『探し物を...していたんです』

()()()......でしょうか?あるかもしれないし無いかもしれない......分からないものです』

『はい、その時はお願いします』

(久しぶりに見たな)

少し懐かしい思い出を夢で見たなと思い上体をゆっくりと起こす。


暖かい。ベットから立ち上がりカーテンを開けると光が部屋を包み込む。

眩しさのあまり少し瞼を細めるがすぐに慣れ、朝食を食べるため部屋を出る。

色々と準備を済ませ部屋で学校に行く準備をして家を出た。

あれから一年数か月の時が過ぎ、高校二年の春になった。

あの日以来、彼女とは一度も会っていない。


あの日以降、彼女にまた会いたいと思い時間がある日は色々な場所に行っていた。

最初の頃は探していればすぐに見つかるだろうと思っていたがなかなか見つからず、

半年ほどで探すのを止めてしまった。

俺は諦めなければ見つかるなんて思う理想主義者ではない。

あの時偶然出会って、一目惚れをしてしまっただけの存在なんだと。

そう割り切ることで自分を納得させた。

それまで夢で頻繁に彼女を見ていたが探すのを止めて以降は見なくなった。


河川敷の道を歩く。

道の側面にある木々は彼女と出会った頃は葉が無く空を見上げることが出来たが、

今は桜の花びらが満開に咲き覆ている。

散った花びらが道の上に埋め尽くしピンク色のカーペットのようになっている。

川の近くは雑草が生い茂り、上から見るとピンクと緑の境界線が綺麗に出来ているようだった。


学校へ着き自分のクラスへと入っていく。

俺が通っている高校では進級してもクラス替えは無いため、

一年生の時点で三年間共にするメンバーが決まってしまう。

黒板にクラスの席が書かれた紙が貼ってあるため確認し席に着く。

席に着いたとたん後ろから軽く小突かれた。


「よっ!いつも通り面白い顔してんな」

ニヤニヤしながら話しかけてくるやつが現れる。

「何だよ気楽(きらく)。変顔なんてしてないぞ」

「変顔なんてしてなくても面白いぞ」

こんな失礼なことを言ってくるやつは気楽 陽太(きらく ようた)


高校入学時から何かと俺に絡んでくる。

何故絡んでくるのか聞いてみると『何か面白そうだから』だそうだ。

気楽はクラスの全員と仲がいい。

仲がいいといっても一定のグループに所属せずに色々な人と会話をしている感じだ。

対して俺は一人浮いた感じになっている。

中学の友達はみんな違うところへ行ったため親しいやつがいない。

別に新しい友達も作ろうと思わず交流してなかったのが原因だが。


「俺と話してもつまらないから違うやつと話してこいよ」

「いやいや、お前の顔見てるだけ面白いわ。脳みそ空っぽそうな感じで」

「おい!それは言いすぎだろ!」

ニヤニヤしながら人を馬鹿にするような言動をしてくるが俺はこいつが嫌いではない。

気楽の言動はあれだが言葉に棘のようなものは見られないし、

ニヤニヤしている表情からも悪意が見られないからだ。


そんな会話をしている間に始業のチャイムが鳴る。

クラスメイトは各々自分の席へ着くが一つだけ空席があることに気が付く。

誰か休みなのか?と思いつつ、しばらくすると先生が入ってくる。

「はい、みんなおはよう!私が引き続きこのクラスの担任になったからよろしく!」

それから点呼を行なった。その際、誰も欠席者はいなかった

その後、今日一日の流れや連絡事項などが知らされる。


「大体のことは伝えたな。最後にこのクラスに新しく転入生が入る。来てくれ」

そう言われ教卓がある方の扉が開かれる。

横目だが入ってきた人物を見て一気に心臓の鼓動が早くなるのを感じる。

それもそうだ。二度と会わないだろうと思っていた人物が出てきたのだから。

白く艶のある長い髪、瞳の中には澄んだエメラルドが備わっている。

あの日に比べると顔は少し大人びたがほとんど変わっていない彼女がそこにいた。


彼女が教卓に立ちこちら側を向くとクラス全体が少しざわつき始める。

先生が静かにするよう注意し、彼女に自己紹介するよう促した。

「初めまして。雪氷 流水(ゆきり るみ)と言います。最近こちらへ引っ越してきて

分からないことも多いので、色々教えてくれると嬉しいです」

微笑みながら自己紹介を終えた彼女にクラス中が拍手をする。俺一人を除いて。

最近は湿度が高くて地味に暑いかったり寒くなったりしているので、

体調管理には気を付けて下さい。

関係ないですが、Summer Pocketsサマーポケッツというkeyが出しているゲームを皆に布教しています。内容はマジで!!!泣けるので来年アニメ化するのでよければ見て下さい。

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