2
ネカフェに着いたはいいものの、年齢制限を突破できるのか?
私たちは17歳。まだ未成年だ。
「やっぱやめようか。」
菫はそう言う。
仕方がないので、近くの公園で過ごすことにした。
静かな夜の公園。
少し怖い。
「寒いね。自販機でなにか買ってくるよ。」
「私も行く。」
二人で自販機に向かう。
寒空の下で光を灯す自販機。
寂しげに光が揺れているように見えた。
「私おしるこ。」
「じゃあコンポタ。」
小銭を入れ、ボタンを押す。
ガタン、と缶が落ちてくる音にビビってしまった。
「結羽ちゃんって案外ビビりなんだね。」
そう菫に笑われる。
死んだ顔をしていた菫が笑った。
笑えるのは当たり前じゃないんだと改めて思った。
ベンチに座り、温かい缶を首に当てる。
首に当てると、心なしか身体が温まる気がする。
プルタブを開け、コンポタを流し込む。
コーンは美味しい。
裏切らない味だ。
「おしるこも美味しいよ。」
「あんこ苦手なんだよね。」
「もったいな!」
粒あんの食感がどうも苦手で、甘ったる感じも苦手で。
喉が焼けそうになるのが嫌いで。
とりあえず苦手だ。
喋りながら飲み干していき、気付けば缶も冷めきってしまった。
この人生も気付けば冷めてしまっているんだろう。
生きるってなんでこんなに難しんだろう。